食品安全情報blog過去記事

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「毎日の化学物質」はがんに関連

Behind the headlines:
'Everyday chemicals' linked to cancer
Friday June 2 2017
http://www.nhs.uk/news/2017/06June/Pages/Everyday-chemicals-linked-to-cancer.aspx
「化粧品のような日用品に含まれる化学物質ががんに関連づけられた」とThe Independentは報道している。遺伝子組換えヒト細胞を用いた研究によると、アルデヒドと言われる化学物質の類はがんの発症を予防する遺伝子を損傷させることがわかった。
アルデヒドは自然環境に存在する有機化合物であり、また化粧品や自動車の排気ガスのような多くの人工の製品や物質にも見られる。アルデヒドは、身体がアルコールを分解するときに生成されるアセトアルデヒドや塗料から爆発物までいろいろな製品に使用されるホルムアルデヒドを含む。
研究はBRCA2遺伝子に重点を置いた。正常なBRCA2遺伝子(対になっている)はDNAを修復し細胞の増殖を制御するのに役立つタンパク質を生成する。BRCA2遺伝子の突然変異は女性の乳がん卵巣がん、男性の前立腺がんの引き金となりうる制御不能の細胞増殖につながる可能性がある。
この研究で研究者は、アルデヒド暴露は遺伝子が合成できるDNA修復タンパク質の量を減少させることを発見した。正常でないBRCA2遺伝子を持つ、つまり最初の段階で修復タンパク質の生産が少ない人では、アルデヒドはさらに生産量を減少させることになる。これががんを進行させるであろうDNA傷害につながる。
これは初期段階にある研究であり、アルデヒド暴露の安全な量や毒性量を示すことはできない。
極端なことするつもりでない限り、1週間のアルコールの推奨摂取上限をしっかり守るという重要な例外を除いて、アルデヒドの暴露量を減らすためにできることはそれほどない。