食品安全情報blog過去記事

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FSAの6月の理事会のペーパー発表

FSA board meeting papers published for June meeting
13 June 2017
https://www.food.gov.uk/news-updates/news/2017/16234/fsa-board-meeting-papers-published-for-june-meeting

CHEMICAL CONTAMINANTS PRINCIPLES
https://www.food.gov.uk/sites/default/files/fsa170604.pdf
食品は化学物質でできているため、フードシステムの全ての段階で化学汚染物質が生じる。あらゆる食品が汚染の可能性があり消費者がリスクに直面する可能性がある。影響は多くは慢性で、急性影響がないのでリスク管理やリスクコミュニケーションに追加の課題がある。さらに分析法の感度がますます上がるため、毒性上の懸念となる量より少ない痕跡程度の汚染物質が検出された場合の説明に関するリスクコミュニケーションは課題である。
慢性影響であるため、死亡や入院といったデータは極めて少ないが、化学汚染物質は2015年のFSA年次報告書では全ての食品事故の19%を占める。また食品の国際取引にも相当な影響がある。例えば1999年のベルギー、2008年のアイルランドダイオキシン事件はそれぞれ10億ユーロと3億ユーロのコストになった。そしてベルギーの事件では政府への信頼も大きく損ねた。
中略
FSAの研究で、消費者は規制されている添加物や農薬のようなものに関連するリスクのほうをより心配している。そして化学汚染物質についての知識レベルは一般的に低く、知っていたとしても天然物より人工化合物に集中して心配する。また消費者はリスクが管理されていると保証して欲しいと望んでいる。消費者は個人で実行できる適切な助言やメッセージを望んでいる。
消費者が化学汚染物質のリスクについて学びたいとあまり思っていないため、現在のFSAの活動は比較的限定的である。新たな活動は計画されていない。
以下方針等
(日本でもあまり変わらない。ものすごくリスクが高いというわけではないので関心が低いのをわざわざ啓発するまでもないような、という。ただそれよりずっとリスクの低い残留農薬や添加物に関心が向いているので、そっちのほうは管理されているから安全ですよと言って安心させるというのは欺瞞のようで気持ちが悪い。消費者と管理する側が人工化学物質を生け贄にして儀式をすることで偽りの「安心」を得ている?)

  • フードシステムに渡るリスクや問題を同定するためのアプローチを開発する

DEVELOPING OUR APPROACH TO IDENTIFYING RISKS AND ISSUES ACROSS THE FOOD SYSTEM
https://www.food.gov.uk/sites/default/files/fsa170606.pdf
ホライゾンスキャニング能力について