食品安全情報blog過去記事

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ECHAはフランスの提案に基づき、ビスフェノールAの内分泌かく乱性を認めた

Bisphenol A is recognised by ECHA for its endocrine-disrupting properties, based on a proposal by France
16/06/2017
https://www.anses.fr/en/content/bisphenol-recognised-echa-its-endocrine-disrupting-properties-based-proposal-france
2017年2月、ANSESは、ヒトの健康に深刻な影響を引き起こす可能性のある「内分泌かく乱」の特性に基づき、欧州REACh規則の枠組みで、ビスフェノール Aを高懸念物質(SVHC)として分類する提案を欧州化学庁(ECHA)に提出した。この提案はECHAの加盟国委員会が採択したばかりである。この決定は業界関係者が全ての輸入品あるいは製造品のビスフェノールAの存在をECHAに通知しなければならないことや、品物がその物質を含む際には買い手に情報提供もしなければならないことを意味する。ECHAの高懸念物質のリストにBPAを含むことは、使用に際し、物質の一時的な、更新可能な認可の付与が必要で、認可申請が必要とされることも意味する。
ビスフェノールAは主にプラスチック業界で50年以上使用されてきた合成化学物質である。ANSESはフランスでこの物質の潜在的な使用者である約60の企業を確認している。国家内分泌かく乱物質戦略の一部として行われたビスフェノールAの使用と健康影響に関するANSESの研究により、2011年9月の段階で、ANSESは特に食品と接触する物質に代用品を使用してBPAの集団暴露を減らすよう助言した。そのため2015年1月以降ビスフェノールAはフランスでは食品容器に禁止されており、暴露量はかなり減少している。
さらに2012年には、化学物質の表示に関する欧州規則(CLP規則)の履行の枠組みで、ANSESはECHAにビスフェノールAの分類を生殖毒性物質のカテゴリー1B(受精能)に含むよう改訂する提案を提出した。この提案は2016年7月に欧州委員会に採択された。
これに続き、感熱紙で作られたレシートなどある種の広く入手できる品のBPA利用を制限する対策も、 REACh規則の一部としてECHAとANSESに提出された文書に基づき2016年12月に欧州委員会に採択された。
高懸念物質としてのビスフェノールAの同定
REACh規則は、ヒトの健康と環境に関して深刻でしばしば不可逆影響を持つ可能性がある物質は高懸念物質(SVHC)として同定できるとしている。2017年2月にANSESは、ヒトの健康に深刻な影響を及ぼす可能性のある「内分泌かく乱」の特性に基づき、SVHCとしてBPAを同定する提案をECHAに提出した。
この提案がちょうどECHAの加盟国委員会で採択されたところである。SVHCとしてBPAを同定する直接の結果として、業界関係者は現在全ての輸入品や製造品のビスフェノールAの存在をECHAに通知しなければならなくなり、BPAがアイテムに含まれる際に買い手に情報提供しなければならない。
高懸念物質リストにBPAが含まれることは、その使用は恐らく制限され、一時的な更新可能な認可を必要とすることを意味する。