食品安全情報blog過去記事

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透明性とデータの質:一言でいえば新しい分野横断EFSAガイダンス

Transparency and data quality: new cross-cutting EFSA guidance in a nutshell
3 August 2017
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/170803
2つの新しいガイダンス文書−証拠の重み付けアプローチと生物学的妥当性評価に関する−はEFSAの作業分野にわたる方法論をさらに統一させるのに役立つだろう。
科学的方法は科学的評価のレシピである。調理法のレシピは範囲(例えば大人数分)、成分表、調理方法を示す。評価方法論は食品の安全性において全く同じように重要である。
EFSAの科学委員会の議長であるTony Hardy教授は述べた:「私達の科学的『レシピ』では尋ねられた質問、私達に必要な証拠と想定−専門家による判断を含む−と実行計画を提示する。
「これらの新しいガイダンス文書は、評価工程とその結論が理解できるものであることを確実にするのに不可欠な情報すべてを隠さずに常に報告するのに役立つだろう。
「この(料理の)比喩を完成するために、私達の助言が信頼されるよう、摂取consumptionに適さなければならない。」
EFSAの科学的パネルを横断するアプローチの統一
EFSAの科学委員会はEFSAの10分野の科学的パネルが行った科学的評価の頑強性、品質、透明性を改善するために3つの極めて重要な方法論の枠組みを開発した。
・証拠の重み付け―信頼性、妥当性、一貫性に基づいて根拠を組み立て、重み付けし、統合するための実務的3段階アプローチ;質的及び量的なアプローチを検討し、簡易化された報告ツールを提供する。
・生物学的妥当性―観察された影響の特性/大きさを決定し、観察された影響が有害、有益かどうか(すなわち評価に妥当かどうか)を決めるための、定義、概念、設定基準を明確にする柔軟性のある枠組み。
・不確実性−評価時の知見の限界を評価し組み合わせ、満たす必要のあるデータのギャップ(不確実性を減らすために)を同定する方法。

この統一アプローチの最初の2つの柱が本日発表された。不確実性に関するガイダンスは過去何年もEFSA内で試みている。経験をもとに微調整して2017年末/2018年初めに最終化され、このシリーズが完成する予定である
Hardy教授は付け加えた:「これらの3つの文書は、入手可能な最良品質データに基づいた私達の評価をより頑強に透明にするための相互に関連した構成要素で、意思決定者が欧州の食品の安全性を保障するために、より役立つ。」
次の段階
EFSAは徐々にこれらの証拠の重み付けと生物学的妥当性の青写真を科学的パネルと他の科学的グループの日々の作業に組み入れていくだろう。だが、この3つのアプローチは互いに依存し、重複している。そのため、EFSAは不確実性のガイダンスが完成し、2018年7月にEFSAの科学委員会と10の科学的パネルの更新が終わった時点でこの工程を強化することにしている。
両ガイダンス文書はEFSAのオープンアクセスオンライン科学ジャーナル、EFSA Journalで入手可能である。ガイダンス文書の開発中に行われたパブリックコメント募集についての2つの技術的報告書が間もなく発表される。

・科学的評価での証拠の重み付けアプローチの使用に関するガイダンス
Guidance on the use of the weight of evidence approach in scientific assessments
EFSA Journal 2017;15(8):4971 [69 pp.]. 3 August 2017
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4971

・科学的評価でのデータの生物学的妥当性評価に関するガイダンス
Guidance on the assessment of the biological relevance of data in scientific assessments
EFSA Journal 2017;15(8):4970 [73 pp.]. 3 August 2017
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4970