食品安全情報blog過去記事

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意見等

  • 食品および飼料中へのデオキシニバレノールやそのアセチル化修飾化合物の存在によるヒトと動物の健康障害のリスク

Risks to human and animal health related to the presence of deoxynivalenol and its acetylated and modified forms in food and feed
EFSA Journal 2017;15(9):4718 [345 pp.].
11 September 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4718
デオキシニバレノール(Deoxynivalenol: DON)は、主としてフザリウム属の真菌が、主に穀粒に産生するマイコトキシンである。欧州委員会の要請に従い、CONTAMパネル(EFSA Panel on Contaminants in the Food Chain: 食品供給網における汚染物質に関する小委員会)は、食品や飼料中のDON、3-アセチル-DON (3-Ac-DON)、15-アセチル-DON (15-Ac-DON)およびDON-3-グルコシドが動物やヒトの健康リスクに及ぼす影響を評価した。使用されたデータは、2007年から2014年までのもので、食品、飼料、未加工の穀物におけるDON、3-Ac-DON、15-Ac-DON、DON-3-グルコシドの分析データであり、それぞれ合計で27,537、13,892、7,270、2,266件であった。ヒトの暴露源は主として穀物穀物をベースとした製品であり、一方家畜とペットでは穀粒、穀物副産物、飼料トウモロコシが暴露源となった場合が多かった。DONはすぐに吸収されて体内に分布し排出される。3-Ac-DONと15-Ac-DONの大部分は脱アセチル化され、DON-3-グルコシドは腸で開裂するため、これらはDONと同じ毒性影響をもたらすことが予想される。ヒトにおける急性健康障害リスクを評価するために真菌中毒症の疫学データを分析したところ、この化合物群の急性参照用量(ARfD)として、1回の食事につき8 μg/kg体重という値が算出された。ヒトでは、食事による推定急性暴露量はこの用量以下であり、健康障害の懸念は生じないと考えられた。一方、食事による推定慢性暴露量は、乳児、幼児、その他子供において、この化合物群の耐容一日摂取量(TDI)を超えており、青年と成人も高い慢性暴露を受けているため、健康障害を生じる可能性が懸念される。反芻動物、家禽、ウサギ、犬と猫、ほとんどの養殖魚、馬においては、推定平均混餌濃度に基くと、有害影響が生ずることは予測されない。ただし、混餌濃度が高い場合には、ブタや魚では慢性有害影響が、ネコや養殖ミンクでは急性有害影響が生じる可能性がある。

  • オレンジオイルについての農薬リスク評価に関し、証拠能力のあるデータを踏まえて加盟国、登録申請者およびEFSAで行った審議の結果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for orange oil in light of confirmatory data
11 September 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1270e
この技術報告書には、フランスが作成した審議の要約と、各指摘事項に対するEFSAの科学的見解および結論が提示されている。オレンジオイルの環境中における運命と挙動についてはよく検討されている(光分解に関することを除く)。生態毒性学的なリスクを調べるために用いたエンドポイントの正当性については十分に検討されていない。

  • 香料グループ評価503 (FGE.503)についての科学的見解:焼き料理風風味付け香料'Grillin' CB-200SF'

Scientific opinion of Flavouring Group Evaluation 503 (FGE.503): grill flavour 'Grillin' CB-200SF'
EFSA Journal 2017;15(9):4963 [31 pp.]
8 September 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4963
EFSAの小委員会(CEF Panel: 食品と接触する物質、酵素、香料および加工助剤に関する委員会)は、申請者が提供したデータに基づくと、Grillin'CB-200SFの安全性は確立されていないと結論付けた。

  • フルルタモンについての農薬リスク評価に関する改訂ピアレビュー

Updated peer review of the pesticide risk assessment of the active substance flurtamone
EFSA Journal 2017;15(8):4976 [25 pp.].
8 September 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4976
最初のピアレビューでも指摘されているが、哺乳類への影響や環境中での運命に関する情報の不足が確認され、諸リスクに関する懸念が認められた。

  • グリホサートの潜在的な内分泌かく乱性についての農薬リスク評価に関するピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the potential endocrine disrupting properties of glyphosate
EFSA Journal 2017;15(9):4979 [20 pp.].
7 September 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4979
最新の評価では、毒性学的分野において得られた包括的データベースに基づき、グリホサートが、エストロゲン様、アンドロゲン様、甲状腺ホルモン様の作用機序ないしはステロイド産生的な作用機序による内分泌かく乱性を有していないことが、証拠の重みにより示されていると結論づけられている。生態毒性試験の情報も得られているが、それらはこの結論と矛盾していない。

  • 科学的評価に証拠の重み付け手法を適用することに関する指針書の案についてのパブリックコメント募集結果

Outcome of a public consultation on the draft guidance on the use of the weight of evidence approach in scientific assessments
7 September 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1295e
この指針書案は、科学委員会の専門作業グループが作成し、2017年2月13〜14日の本会議で科学委員会の承認を受けた。2017年3月6日〜5月1日までこの案に対するパブリックコメントを募集し、EFSAは20団体から154のコメントを受け取った。それらを考慮に入れた改訂版指針書は、2017年7月12日の科学委員会本会議で審議の上承認されており、EFSA Journalで発表される。

  • 科学的評価においてデータの生物学的意義を評価することに関する指針書案についてのパブリックコメント募集結果

Outcome of a public consultation on the draft guidance on the assessment of the biological relevance of data in scientific assessments
7 September 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1296e
この指針書案は、科学委員会の専門作業グループが作成し、2017年2月13〜14日の本会議で科学委員会の承認を受けた。2017年3月6日〜5月1日までこの案に対するパブリックコメントを募集し、EFSAは17団体から218のコメントを受け取った。それらを考慮に入れた改訂版は、2017年7月12日の科学委員会本会議で審議の上承認されており、EFSA Journalで発表される。