食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

Is Manuka Honey Really Better Than Normal Honey?
29/09/2017  Juliette Steen 
http://www.huffingtonpost.com.au/2017/09/28/is-manuka-honey-really-better-than-normal-honey_a_23225467/
スーパーフードか詐欺か?
長い記事。結局蜂蜜蜂蜜で、それは砂糖だよ、とのこと

でも同じ日にこんなニュースも
研究者がマヌカハニーが傷を治すのにどう有効かを示す
Researchers show just how effective manuka honey is in healing wounds
http://www.nambuccaguardian.com.au/story/4906340/this-is-how-fast-manuka-honey-can-heal-wounds/?cs=4135
ウマの足の傷に各種蜂蜜を塗ったという研究。Australian Veterinary Journal

  • がんを偽装した健康アプリ開発者が嘘に対して32万ドルの罰金

Health App Developer Who Faked Her Own Cancer Fined $320,000 Over Hoax
https://gizmodo.com/health-app-developer-who-faked-her-own-cancer-fined-32-1818874174
Belle Gibson。この金額は彼女が嘘をもとに稼いだ額に相当。裁判には出廷しなかった。
判決の後検察官と公衆衛生提唱者は人々に対して健康とウェルネスに関してはたくさんの詐欺があることに警告した。Gibsonの事例は特別である。
「我々の助言は、あなたに多くの種類の食品あるいは食品群まるごとを排除するように薦める人にはそれが誰であろうと警戒すべきであるということである」地元がん評議会長Todd HarperがABCニュースに語った。「常に信頼できる情報源からの情報を探し、最初に主治医や栄養士に相談すること」
(添加物を避けよ系も一緒)

Cosmetic clinic raids uncover illegal imports including human placenta injections
http://www.abc.net.au/news/2017-09-29/human-placenta-find-in-dodgy-imports/9000396
美容製品の違法輸入と無免許看護師の調査の一環としてシドニーの7つの美容外科強制捜査された。その結果ARTGリストに掲載されていない製品や機器が4つのクリニックで発見された。NSW保健局はこれらの製品は違法に中国と韓国から輸入されたものだという。
密輸された製品は抗生物質、ボツリヌス毒素注射液、ヒアルロン酸皮下注入液、強力リドカイン局所麻酔クリーム、抗菌ローション、ビタミン注射、抗ウイルス錠剤などで、ヒト胎盤注射液アンプルもみつかった。この調査は先月シドニーの美容サロンで35才の女性が胸の手術の失敗で死亡したことがきっかけである。

  • このオタワの女性は眼球にタトゥーを入れて今や目を失う可能性

This Ottawa woman got an eyeball tattoo and now she could lose her eye
September 28, 2017
https://globalnews.ca/news/3774736/eye-tattoo-botched-ottawa/
24才のCatt Gallingerはペット栄養士で今月新しく強膜タトゥーを入れ、その結果として視覚の一部を失った。眼球丸ごと失う可能性もある。彼女は自分の経験を話して世界に強膜タトゥーの危険性を警告している。
Catt Gallingerは身体修飾に夢中で、全身にタトゥーがあり舌は手術で裂いた。強膜タトゥーはその延長戦上にある

  • ドイツ警察が食品毒物混入脅迫容疑者を捜している

German police seek suspected food poisoning blackmailer
By Associated Press
September 28
https://www.washingtonpost.com/world/europe/german-police-seek-suspected-food-poisoning-blackmailer/2017/09/28/4b4b1d6c-a43e-11e7-b573-8ec86cdfe1ed_story.html
木曜日にKonstanzの警察がドイツの企業に数百万ユーロを払わなければ販売している食品に毒を入れるという脅迫があったという。Friedrichshafen近くの店舗のベビーフードの瓶5つにエチレングリコールが入れられているのを発見した。中毒になった人がいるという根拠はない。どの会社が標的かは公開していない。

  • 動物実験のぞんざいな報告は変えるのが難しい

Scienceニュース
Sloppy reporting on animal studies proves hard to change
Martin Enserink
Science 29 Sep 2017:
http://science.sciencemag.org/content/357/6358/1337
動物実験に関するどの論文でも厳密に読めば、あなたはたくさんの疑問をもつだろう。使ったマウスの系統は?どっちの性の何才の動物?対照群と処置群は無作為割付されている?結果を検討した人は処置群かどうかを知っていた?そのような詳細がないことが動物実験が再現されない51-89%の一部を説明する。しかしこの問題の解決が驚くほど困難であることが師絵mされた。
2010年に英国国立動物実験3Rセンター(NC3Rs)が、動物実験について報告すべきことのチェックリストを作った。1000以上の科学雑誌と2ダースの研究資金提供機関がいわゆるARRIVEガイドラインを支持したが、7年経って、多くの科学者がガイドラインを知らないあるいは無視していることが研究により示唆された。
(だから安全性試験はGLPなわけで、大学の研究あまりにもひどくないか?ってこと。そういういいかげんなものを根拠に政策を決められたらかなわないでしょ?)

  • 抗生物質は家畜を多剤耐性菌工場に変えているのか?

Are antibiotics turning livestock into superbug factories?
By Giorgia GuglielmiSep. 28, 2017 ,
http://www.sciencemag.org/news/2017/09/are-antibiotics-turning-livestock-superbug-factories
米国で使用される全ての抗生物質のうちの約80%はヒトが使用するのではない。牛やブタや鶏に、生長促進剤や健康維持目的で使われている。こうした薬物が多剤耐性菌を生む可能性があり、事態は悪化している。2013年には世界での食用動物に使われる抗生物質は131000トンだったが2030年までに20万トン以上になるだろう。
Scienceに発表された論文でスイス連邦工学研究所の疫学者Thomas Van Boeckelらはその増大する脅威とそれについて何ができるのかの概要を説明している。Boeckelは我々のインタビューに応えた。
以下Q & A
Scienceの論文
Reducing antimicrobial use in food animals
Thomas P. Van Boeckel et al.,
Science 29 Sep 2017:Vol. 357, Issue 6358, pp. 1350-1352
http://science.sciencemag.org/content/357/6358/1350

  • エビデンスとは何か?議会は根拠に基づいた政策についての新しい報告書を理解するのに苦しむ

What’s the evidence? Congress struggles to understand new report on evidence-based policy
By Jeffrey MervisSep. 28, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/09/what-s-evidence-congress-struggles-understand-new-report-evidence-based-policy
議員は多分誰でもより良い政策を作るのに根拠を使いたいと思っている。しかし今週行われた公聴会によると、議員に詳細を尋ねたりエビデンスの意味を聞いたりするのは間違いだろうことが示唆された。
(プライバシー保護と政府の記録の使用に関して)

  • 研究者がカタロニア独立を巡る分断の拡大に巻き込まれる

Researchers caught in growing rift over Catalan independence
By Tania RabesandratanaSep. 28, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/09/researchers-caught-growing-rift-over-catalan-independence
(科学は政治的対立には関係ないのだが当然巻き込まれる)

  • フランスは患者の変更への反対により使用中止した医薬品を復活させる

France brings back a phased-out drug after patients rebel against its replacement
By Yves SciamaSep. 27, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/09/france-brings-back-phased-out-drug-after-patients-rebel-against-its-replacement
前例のないUターンでフランス政府が医薬品メーカーメルクにわずか6か月前に新たな組成のものに変更していたLevothyroxを市場に復活させるよう依頼した。これはフランスの国の医薬品機関ANSMの決定を覆すもので、新しい薬の副作用についての患者の苦情とメディアの嵐とフランス政府の政治問題による。月曜日から古い製品が新しい名前Euthyroxで薬局に登場し、二つのバージョンが期間を定めない間共存することになる。
Levothyroxは約300万人が使用している甲状腺機能低下症患者向けの薬で使用者の80%は女性で、苦情には脱毛、体重増加、疲労、頭痛、下痢、心拍数増加などがある。
しかしその問題は医学的には謎で、メルクは有効成分を変更していない。変更したのは賦形剤で、専門家の中にはこの騒動は薬理学の問題ではなく消費者の不信、コミュニケーションのまずさ、メディアの圧力があるという人もいる。
メルクが新しい組成にしたのはANSMの要請による。医薬品の有効期限内の有効成分の変動が大きすぎるので賦形剤として乳糖のかわりにマンニトールとクエン酸を用い、錠剤間のばらつきを95%と 105%の間に抑えた。これは通常認められる基準より良い。
しかしフランスでは激しい反発がおこった。患者が副作用を報告し始めメディアが劇的な物語を報道し古いものに戻すようにという署名が30万集まった。噂が飛び交い患者がメルクと政府を事実ではないことで批判する。9月15日に大臣が圧力に屈して古いものを復活させるようメルクに頼んだと発表した。
(長く使っている薬をスイッチする時には注意が必要なのは確か。しかしメディアは患者の不安を食い物にしてますますグロテスクに権力を膨れあがらせている。最早誰も制御できない怪物でしかないのだろう。)

Nature本とアート
Maria Konnikova Nature 549, 332–333 (21 September 2017)
Published online 20 September 2017
http://www.nature.com/nature/journal/v549/n7672/full/549332a.html
1887年にアーサー・コナン・ドイルが「緋色の研究」を発表したときに誕生したシャーロック・ホームズが130周年を迎えた。
コナン・ドイルが眼科医として訓練を受けていたときの指導者の一人だったJoseph Bellは正確な診断をすることでよく知られビクトリア女王の個人的外科医として有名である。能力の中心は観察眼である。
ホームズは診断するだけではなく、化学者であり心理学者であり論理学者であり発明家である。科学が大きく変化する時代の中で−進化や電磁波の存在が突然会話の中心になった−コナン・ドイル自身が早期のキリスト教教育を進化論に否定されるなど変革の間近にいた。(略)
意図的であろうとなかろうと、ホームズは大衆への科学使節として機能した。
(略)
ホームズは何度も文化的アイコンとして再解釈され続けている。コナン・ドイルの1982年の短編集「シャーロック・ホームズの冒険」だけでも数千万部売れた。我々は彼に夢中である、そしてそれは、私が思うに、良いことである。観察の支持者として、合理性の化身として、ホームズは科学否定論と過剰な情動性が増加する世界において、これまで以上に意味があるように思える。「私のやりかたは知っているだろう?やってみたまえ」。「四つの署名」でホームズはワトソンに言う。我々がそれをやるべき時だ。
(ここでは情動に左右されない科学的手法を適用せよ、ということ)