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サバ科魚類による中毒−ヨーロッパ(02):マグロ

Scombroid fish poisoning - Europe (02): Spanish tuna
2017-09-28 15:32:46
http://www.promedmail.org/post/5347178
スペインの保健省は、2017年において、9月27日までに、スペインやヨーロッパ各国において、劣悪な環境に保管されていたスペイン産マグロを摂取した154人が食中毒を発症したことを確認している。追加情報として、少なくとも105の事例が、スペイン・アンダルシア州アルメリアにあるGarciden社の製品に関連していたことが伝えられている。
スペイン消費食品安全栄養庁(Agencia Española de Consumo, Seguridad Alimentaria Nutrición: AECOSAN)は、2017年には、9月27日までに、マグロに高濃度のヒスタミンが含まれていたことを知らせる警告を15回行ったと報告している。マグロ、およびカツオやサバなどにおいては、劣悪な保管条件でヒスタミンが高濃度となり、それにより通常はそれほど深刻とはならない食中毒が生じる。
欧州議会(EC)は、この報告に基づいて、2017年9月14日(木)にスペインに対して文書を送り、このような状況を憂慮していること、および問題への対処の動きについておよびマグロの劣悪な取り扱い慣行を止めるための行動についての情報を求めた。マグロをより新鮮に見せるために野菜由来物質の赤い着色料が不正に使用されており、このことも高濃度のヒスタミンの存在につながっているが、ヒスタミンは冷蔵が不適切で魚の中で細菌が繁殖しているような場合、魚に検出されるようになる。
ECは、問題のマグロが缶詰工場に運ばれ、より高額で売るために、新鮮な外観を得られるようにその色を変える処置が施され、それにより食虫ドックの深刻な事例が生じていると、強く指摘している。
スペインの治安警察は先週、食中毒が、アンダルシア州ムルシア州バレンシア州、カタロニア州、アラゴン州カスティーリャ・イ・レオン州マドリードバスク州のみならず、ドイツ、フランス、イタリアおよびポルトガルにまで及んでいると報告している。
AECOSANは、自治体および国の両方の管轄官庁により、ECが求める情報の収集、市場に出回る魚の安全性を確保するために必要な機構の保持が行われることを確約した。保健省の下部官庁は、Garciden社のマグロ生産ラインを、予防措置のため、引き続き閉鎖とすることを示唆している。
食中毒に伴って現れる症状は、咽頭痛、顔面紅潮、顔面発汗、悪心、嘔吐、頭痛、および皮膚紅斑である。