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妊娠中のベジタリアン食と子どもの薬物乱用とを関連づける研究結果

Behind the headlines
Study links vegetarian diet in pregnancy to substance abuse in offspring
Wednesday October 4 2017
https://www.nhs.uk/news/pregnancy-and-child/study-links-vegetarian-diet-pregnancy-substance-abuse-offspring/
「妊娠中にベジタリアン食であった女性の子どもは薬物やアルコールの乱用をするようになる可能性が3倍高い」と英国大衆紙の電子版Mail Onlineは報道している。研究者は、15歳の子供における薬物乱用とその母親の妊娠中の食事との関係を発見したと言う。しかし、妊娠中に肉を避けることがティーンエイジャーの薬物乱用の「引き金」になるのかということについては、全く明確にされていない。
この研究は、英国における長期にわたる調査に基づいている。研究者は10,000人近くのティーンエイジャーにアルコール、大麻およびタバコの使用歴について質問し、約半数から回答を得た。その後、それらのティーンエイジャーの母親が記入した妊娠中の食事の記録を調べ、薬物使用歴と食事との間に関連が見つけられるかどうかを検討した。
研究によると、妊娠中に多く肉を食べた女性の子供は、ほとんど食べないあるいは全く食べなかった女性の子供と比較すると、15歳の段階でアルコール、大麻またはタバコの摂取者になる可能性が低いことがわかった。研究者は、このことは、肉を食べない女性では脳の発達に影響を与えるビタミンB12の摂取が少なくなるために生じたと推測している。
しかし、妊娠中の食事が間違いなくその原因であるかどうかはわからない。ティーンエイジャーが薬物やアルコールを使用するかどうかのような複雑な事象には、多くの要因が関係している可能性が高い。この研究は、認められた関連性が食事以外の要因によるものである可能性を否定できていない。
とは言うものの、妊娠中には、鉄、ビタミンB12およびカルシウムを含め、必要とされる全ての栄養素を取ることが重要である。補助的にサプリメントを必要とする女性もいるかもしれないが、肉や乳製品を食べなくてもそれらの栄養素は摂取できる。妊娠中のベジタリアンベジタリアン食に関する助言の詳細は以下のウェブサイトで閲覧できる。
https://www.nhs.uk/Livewell/Vegetarianhealth/Pages/Pregnancyandchildren.aspx