食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 除草剤に含まれる化合物、グリホサートへの暴露が23年で増えた

Exposure to glyphosate, chemical found in weed killers, increased over 23 years
24-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/uoc--etg102017.php
遺伝子組換え作物が米国に導入される直前の1993年から23年後までの間に、尿中グリホサートとその代謝物アミノメチルホスホン酸が増えた、とUC San Diego 医学部のPaul J. Mills博士は言う。JAMAに発表された論文によると南カリフォルニアに住む100人の1993-1996年のサンプルと2014-2016のサンプルで、グリホサートの平均濃度は0.203 μg/L から 0.449 μg/L に、AMPAは0.168 μg/L から 0.401μg/Lになった。
7月にグリホサートはカリフォルニアで発がん物質リストに掲載された。現在UC San Diegoでは除草剤啓発&研究プロジェクトを行っていて個人のグリホサート濃度を調べられる。今後グリホサート暴露と臨床症状の関連を調べる予定。
Excretion of the Herbicide Glyphosate in Older Adults Between 1993 and 2016
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2658306
(Paul J. Millsという人は統合医療センター長でヨガや瞑想が専門らしい。有名なスピリチュアリストDeepak Chopraと一緒に事業をやっている
http://www.chopra.com/bios/paul-j-mills

  • 「賢く選ぼう」ムーブメント:良いスタートを切ったがさらに成功し続けるためには変化が必要

'Choosing Wisely' movement: Off to a good start, but change needed for continued success
24-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/mmu-wm102017.php
5年前に始まった"Choosing Wisely"ムーブメントは雪だるま式に大きくなってきた。今や500以上がやるべきではない検査や治療としてリストアップされている。しかし世界が不必要な医療を排除したいなら、この運動は進化しなければならない、とHealth Affairsに発表された新しい解析で三人の研究者が言う。以下のような提言をしている。
・助言の優先順位付け:新しい助言は実際の臨床データに基づいて最も過剰に行われているものに集中すべき
・助言はまとめる
・努力の結果を評価する
・患者の好みを考慮する
・最良の実践を共有する
(日本は設立一周年らしい。https://choosingwisely.jp/ このblogでの初出は2012-4-9)

  • 研究はヒ素が暴露が終わって何十年も経ってからがんを誘発できることを示す

Study indicates arsenic can cause cancer decades after exposure ends
24-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/oupu-sia102417.php
JNCI。チリのヒ素汚染飲料水でヒ素に暴露された人たちの死亡率を追跡し、ヒ素暴露が無くなって40年経った後でも肺、膀胱、腎臓がんが増えているという根拠を提供する。
チリ北部のAntofagastaの水源は1958年に突然ヒ素濃度が増加し1970年にヒ素除去施設が稼働して大きく低下した。この間住人はヒ素濃度が高い水を飲まざるを得なかった。約10年後からがん死亡率が増加し40年経ってもまだ高い。
"Lung, Bladder, and Kidney Cancer Mortality 40 Years After Arsenic Exposure Reduction,"
https://academic.oup.com/jnci/article-abstract/doi/10.1093/jnci/djx201/4562674/Lung-Bladder-and-Kidney-Cancer-Mortality-40-Years?redirectedFrom=fulltext

  • 十代の薬物濫用、非行は大きく減った

Large declines seen in teen substance abuse, delinquency
25-Oct-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-10/wuso-lds102417.php
10年以上のデータから、十代はアルコール、タバコ、違法薬物の濫用は少なくなり喧嘩や盗みのような非行も減った。Psychological Medicineに発表された2003-2014年のデータを用いた研究。12-17才の薬物濫用は12年間で49%減少、非行も34%減少。
アメリカ)