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Zinsserカビ防止下塗り剤、メーカーが法廷闘争に敗れ強制リコールに

Compulsory recall of Zinsser Mould Stop Primer after manufacturer loses legal battle
19 December 2017
http://mailchi.mp/apvma/apvma-media-release-1040377?e=1eeff5ea17
化成品メーカーRust-Oleum Australia Pty Ltdは、APVMAが発令した強制リコールの通告がAATによって支持されたのを受けて、市場にあるZinsserカビ防止下塗り剤(ZMSP)の在庫を全て引き上げている。
2016年10月、APVMAはZMSPに対し、未登録製品だとしてリコールを発令し、その後Rust-Oleum社は決定を不服としてAATに控訴した。
審理の間、裁判所はリコールの停止を命じ、製品の販売は続けられた。
2017年11月、AATはAPVMAの強制リコールを支持する判決を下した。
APVMA長官は次のように述べている。
「ZMSPは農薬の定義に適合するものであり、メーカーはAPVMAから製品の正当な登録を承認されなくてはならなかったRust-Oleum社の不服申し立てにより1年以上も未登録製品が市場に残っていたのは残念なことである。」
自発的リコールおよび強制リコールについて知りたい方は、以下のウェブサイト*3へ。
◇事実関係の簡約
・ 2016年10月10日に、APVMAは、農薬及び動物用医薬品規則第101項に則り、Rust-Oleum社に対し、ZMSP (4,5-ジクロロ-2-N-オクチル-3(2H)-イソチアゾロンを1.23 g/L含む)の全製品について、強制リコールの通告を発行した。
・ 通告は、Rust-Oleum社に対し、ZMSPの市場への供給を直ちに停止することを要求するものであった。さらに、オーストラリアの卸売業者および小売業者に対し、当該製品を保有している場合にはRust-Oleum社に返品することを求める文書を発行した。
・ 2016年10月17日、Rust-Oleum社は、APVMAの決定を不服としてAATに控訴した。ATTは審理が行われている間はリコールを停止するよう命じていた。
*1 APVMA: Australian Pesticides and Veterinary Medicines Authority: オーストラリア農薬・動物用医薬品局
*2 AAT: Administrative Appeals Tribunal: 行政控訴裁判所
*3 https://apvma.gov.au/node/1081