食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

カンナビジオール(大麻化合物): オンラインQ&A

Cannabidiol (compound of cannabis): Online Q&A
December 2017
http://www.who.int/features/qa/cannabidiol/en/
WHOが大麻化合物のCBD(Cannabidiol: カンナビジオール)について、規制薬物に追加する国際的なスケジュールに組み込む必要はないと2017年12月14日に公式に提言したことは、大きく報じられたところである。
Q: カンナビジオールとは何か、及びそれは安全なものか?
A: カンナビジオールは大麻植物から作られる化合物(おそらく200種類ほど)のひとつである。
WHOのECDD(Expert Committee on Drug Dependence: 依存性薬物専門委員会)は、2017年11月の会議において、カンナビジオールには純粋な状態において乱用性や有害性はないと思われると結論づけた。したがって、CBDそれ自体(大麻から抽出された組成物としての場合に限って)は目下のところ規制薬物に追加される予定は無く、現在得られている情報では、規制予定の順位を変更することは正当化できず、また当該化学物質の規制予定を組むことも正当化されない。
ただし、製剤目的で製造される場合、大麻の抽出物およびチンキ剤は、1961年の国連麻薬単一条約の対象に含まれる。ほぼCBDしか含まない抽出物や調製物についての詳細な検討は、2018年6月に予定されており、同時にECDDは大麻大麻関連物質の包括的なレビューを始める予定である。
ある化学物質を規制予定に組み入れないということは、その化学物質が生産や供給などに関し、厳しい国際的な規制を受けないという意味である。それぞれの国におけるその化学物質の法的地位は、その国の法律制定者が決定するべきものである。国によっては、CBDを含む製品を医療用品とみなし、CBDに関する規則を緩和した国もある。これらの国には、オーストラリア、カナダ、スイス、英国および米国が含まれる。
Q: CBDが医学的用途において価値があるとするエビデンスにはどんなものがあるか?
A: WHOはCBDを医学的に用いることを薦めない。動物やヒトの試験に基づく古いエビデンス(例えば医学雑誌New England Journal of Medicineの症例対照研究やその他の症例報告)においては、CBDの使用が、てんかんやそれに関連する疾患による発作に対し、治療的価値を持つ可能性があることが示されている。
てんかん発作中の痙攣を落ち着かせるためにCBDを使用してきた人もいる。New England Journal of Medicineはまた、最近公表した研究の中で、CBDがてんかん発作に有効である可能性を示すエビデンスがいくつか存在すると述べている。これは、CBDに幾ばくかの医学的用途がある可能性を示唆しているが、さらなるエビデンスが求められる。