食品安全情報blog過去記事

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医薬品の偽造と犯罪の関わり: EUでは最長懲役期間が1〜15年と幅がある

Criminal involvement in falsification of medicines: maximum prison sentence ranges from one to 15 years across EU, says report
January 26, 2018
http://ec.europa.eu/newsroom/sante/newsletter-specific-archive-issue.cfm?newsletter_service_id=327&newsletter_issue_id=6965
偽造医薬品に関する指令(Falsified Medicines Directive: FMD) (2011/62/EU)*1に基づき、全EU加盟国は、偽造医薬品の製造と流通に関与した者に対し、それ相応の効果的で抑止力のある罰則を科すことを求められている。この要件がどのくらい満たされているかに関する報告書が公表され、EU全体でみると、科される刑罰に大きなばらつきがあることが判明した。例えば、医薬品の偽造による実刑の最長期間は、1年(スウェーデンフィンランドおよびギリシア)から15年(オーストリアスロベニアおよびスロバキア)にわたり、罰金の最高額は4,300ユーロ(リトアニア)から100万ユーロ(スペイン)および無制限(英国)にわたっている。
欧州委員会 保健・食品安全総局長官のVytenis Andriukaitis氏は次のように述べている。「公表された報告書では、加盟国が取っている方策が満足なものであることが示されているが、刑罰はそれが適切に執行されている場合にだけ効果的である。私は全EU加盟国に対し、医薬品偽造犯罪が確実に罰せられるようにすることを求める。そうしないと、偽造医薬品は人を殺してしまうからである。EUの指令には、市民が偽造医薬品を遠ざけるのに役立つ他の方策もいくつか含まれており、消費者が本物の安全な製品を合法的に販売しているオンライン薬局を確認するのに役立つEU共通のロゴ*2もその1つである。オンラインで医薬品を購入する全ての人に、このロゴに注意し、購入前にそのオンライン薬局が合法であることを確認して、安全を保つことを奨める。」
さらに、FMDが想定しているように、欧州委員会、加盟国および利害関係者は医薬品の汎EU認可システムの導入に動いており、これは2019年2月に実効化される予定である。これにより、処方箋薬の真正性は、それが患者に供給される前にチェックされることになる。
◇背景
偽造医薬品は、有効性が無かったり、有害であったり、致死的であったりする場合があり、公衆の健康にとって深刻な脅威である。がん、性機能障害およびC型肝炎の治療薬など、広範な医薬品がこのような犯罪行為の対象とされている。偽造医薬品は、EUサプライチェーンの中に入り込むことができ、実際入り込んでいる。2013〜2017年の間に400件を超す事例がEUの迅速警告網で報告されているが、これらの事例はほぼEU加盟国全体を巻き込んでいる。
*1: https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/files/eudralex/vol-1/dir_2011_62/dir_2011_62_en.pdf
*2: https://ec.europa.eu/health/human-use/eu-logo_en