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expert reaction to study investigating hot tea consumption, alcohol consumption, smoking, and oesophageal cancer in China
February 5, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-investigating-hot-tea-consumption-alcohol-consumption-smoking-and-oesophageal-cancer-in-china/
飲酒や喫煙などの既に確立されたリスク要因とともに、熱いお茶食道がんリスクに関連するかどうかを研究した報告がAnnals of Internal Medicineに発表された。
オックスフォード大学がん疫学ユニット共同主催者で疫学教授Jane Green教授
これは興味深い研究であり、中国では熱いお茶は飲酒や喫煙と組み合わせた場合のみ食道がんのリスク要因に加わることを発見した。このためプレスリリースの見出しは誇張した印象を与え注意が必要である。英国での意味は明確ではない。この結果は中国でよく見られるタイプの食道がん、扁平上皮がんにのみあてはまるが、英国や欧州、米国では最も多いのは腺がんであり、リスク要因が異なる(主に喫煙、肥満、酸の逆流)。多分細胞を傷つけるような熱い飲み物は避けた方が賢明だろうが、この研究はお茶を飲むのを止めるべきであることは意味しない
マンチェスター大学分子生物学教授Andrew Sharrocks教授
この研究には二つポイントがある。一つは中国では食道がんの多くは扁平上皮がんで、この研究では92%がそうである。西洋では腺がんが多いのでリスク要因は異なるだろう。
二つ目は西洋の方が中国よりお茶の温度は低い傾向がある。
余談だがこの論文の結論は興味深い。大量飲酒者は熱いお茶を避けるように薦めている。飲酒の有害影響を考えたら、逆だろう
Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授
これは大規模で概ね良く行われた試験だが英国の平均的お茶を飲む人にはあてはまらないだろう。
他の研究同様、これは観察研究であり他の要因による可能性はある