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食品添加物としてのセルロース類E 460(i), E 460(ii), E 461, E 462, E 463, E 464, E 465, E 466, E 468 ,E 469の再評価

Re-evaluation of celluloses E 460(i), E 460(ii), E 461, E 462, E 463, E 464, E 465, E 466, E 468 and E 469 as food additives
EFSA Journal 2018;16(1):5047 [104 pp.]. 16 January 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5047
食品添加物と食品に添加される栄養源に関するEFSAのパネル(ANS)は、欧州委員会から、食品添加物としての結晶セルロース(E 460(i))、粉末セルロース(E 460(ii))、メチルセルロース(E 461)、エチルセルロース(E 462)、ヒドロキシプロピルセルロース(E 463)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(E 464)、エチルメチルセルロース(E 465)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(E 466)、酵素加水分解カルボキシメチルセルロース(E 469)、および架橋形成カルボキシメチルセルロース(E 468)の再評価に関する科学的意見を出すよう求められた。国連食糧農業機関/世界保健機関合同食品添加物専門家委員会(JECFA)と食品科学委員会(SCF)は、未加工(unmodified)および加工(modified)セルロース類には許容一日摂取量(ADI)を「特定しない」と定めている。セルロース類は吸収されず糞便にそのまま排出され、その上、結晶セルロース、粉末及び加工セルロースは動物やヒトの腸内フローラで発酵され得る。この意見で評価される全てのセルロース類について、また全てのエンドポイント関して、具体的な毒性データが必ずしも得られているわけではない。それらの構造上、物理化学的性質上、生物学的性質上の類似性を考慮して、パネルは全てのセルロース類の間でread-across(類推)法を用いることが可能だと判断した。セルロース類の急性毒性は低く、遺伝毒性の懸念はない。最大10%の濃度でE 460(i), E 461, E 462, E 463, E 464, E 466 and E 469の短期及び亜慢性混餌投与毒性試験が行われたが、投与に関連した有害影響は特に示されなかった。E 460(i), E 461, E 463, E 464, E 465およびE 466で行った慢性毒性試験では、無毒性量(NOAEL)値は最高で9,000 mg/kg体重/日と報告されている。発がん性は、結晶セルロースと加工セルロース類には認められなかった。生殖能力への有害影響や発生への影響は、セルロース類を1,000 mg/kg体重(多くの試験における最大用量)以上の用量で強制経口投与しても認められなかった。セルロース類(E 460〜466, E 468 およびE 469)への混合暴露量は、一般集団について詳細暴露評価(ブランドロイヤルによる)した場合の95パーセンタイル値が、最高506 mg/kg体重/日であった。ANSパネルは、未加工および加工セルロース類(E 460(i); E 460(ii); E 461〜466; E 468および E 469)について、報告された用途と使用量においてはADI値を定める必要はなく、安全上の懸念はないと結論づけた。またANSパネルは、結晶、粉末、加工セルロース類について、総暴露量の指標は660〜900 mg/kg体重/日程度であると考察した。