食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 食品中のリン酸三ナトリウムは本当に塗料用のシンナー?

Is Trisodium Phosphate in Food Really a Paint Thinner?
by Jeanine Barone Published February 19, 2018
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/trisodium-phosphate-food-really-paint-thinner
食品に多く含まれるリン酸添加物を大量に摂取することには幾分かの健康リスクがあるかもしれないが、一部のウェブサイトがあなたを信じ込ませようとしているような、リン酸三ナトリウムは特別なものではない。ピロリン酸やリン酸二カリウム、ヘキサメタリン酸、リン酸二アンモニウム、リン酸などの他のリン酸を含む食品添加物と同様で、食品中のリン酸三ナトリウムは塗料用のシンナーではない。
リン酸三ナトリウムはFDAEU食品添加物として認めている。それは食用グレードのもので、塗料用シンナーや他の製品に含まれる工業用より濃度が低く精製されている。人々はあまり認識していないかもしれないが、工業用化学物質が食用グレードとしてしばしば食品に使われている。例えば酢は希釈した酢酸で、高度に濃縮された酢酸(氷酢酸)は実験室で使われ皮膚に重症の火傷を引き起こす。恐怖を煽るウェブサイトは食用と工業用を一緒にしている。
食品中のリン酸
リン酸−必須ミネラルであるリンの一形態−は最も良くある食品添加物の一種で、包装された肉やチキンナゲット、プロセスチーズ、焼いた製品、シリアル、シリアルバーなど何千もの製品に存在する。有名なのはコーラであるが他の炭酸飲料やフレーバーウォーター、粉末ドリンクミックスなどにも含まれる。ファストフードはリン酸が多い。これらの添加物はあらゆる目的で使われる−膨張剤、凝固阻止剤、安定剤、風味強化剤、乳化剤、保湿剤。例えばリン酸三ナトリウムはシリアルの酸の調整に使われる。ツナ缶ではリン酸は結晶(スツルバイト)を減らすのに役立つ。
一般的なリン酸添加物の一つの懸念はそれが非常に良く吸収されることで、−時に100%−その結果血中濃度が上がる。一方肉や家禽、シーフード、ナッツ、種子、豆類、全粒穀物などに含まれる天然のリン酸は10-60%しか吸収されない。そして血中リン酸濃度が高いことが一部の研究で(全てではない)一連の健康問題と関連するとされてきた。特に心血管系イベントと、リンの摂取を制限するよう長く言われてきた腎疾患のある人だけではなく、健康な人でも。リン酸が血管を傷害し、内皮の機能を損ない、血管の石灰化を促進するのではないかと考えられている。
ミネラルのリンは健康な骨に必要であるものの、摂りすぎは骨密度の低さや骨粗鬆症に寄与する可能性があるという根拠が蓄積しつつある。
基本:リン酸添加物の有害影響の可能性を確認するにはさらなる研究が必要である。現在EFSAが評価虫で2018年末には発表される予定である。それまで、加工食品や炭酸飲料、「ファストフード」を制限するのが確実にリン酸摂取量を減らすだろう。慢性腎疾患の場合には医療従事者か登録栄養士に相談するように。
(嘘を言っているサイト、としてリンクされているのが「シアトルオーガニックレストラン協会」でハーブでがんを治すとか言っている)

  • 米国の農家はグリホサートをリストに入れることに関してカリフォルニアを法廷に

US farmers take California to court over glyphosate listing
By Grain Central, 20 February 2018
https://www.graincentral.com/cropping/us-farmers-take-california-to-court-over-glyphosate-listing/
カリフォルニアがProp65に発がん物質としてグリホサートを加えることに対して米国の農家や農業団体が訴訟を開始した。米国EPAや世界中の規制機関がグリホサートは安全に使用できると判断しているのにカリフォルニアは事実や科学を無視している。

  • 視点:欧州活動家は安全性に関する知見にも関わらず、どうやってグリホサート禁止のロビー活動をしたか

Viewpoint: How European activists lobby for a glyphosate ban despite findings of its safety
Bill Wirtz | Genetic Literacy Project | February 20, 2018
https://geneticliteracyproject.org/2018/02/20/viewpoint-european-activists-lobby-glyphosate-ban-despite-findings-safety/
1月に欧州議会EUの農薬認可方法に関する特別委員会を作ると発表した。座長はグリホサート反対活動を熱心に行ってきたフランスの議員Eric Andrieuである。欧州議会は明確にグリホサートに敵意があり、利益相反を評価する予定だという。
こうした動きは科学に基づくものではなく政治的なものである。2015年にEFSAはグリホサートがヒトに発がん性となることはありそうにないと結論し他の多数の規制機関も同じ結論に達している。
欧州議会は科学を否定しNGOの圧力に屈した。何故?そして誰が?
全てのNGOが根拠にしたのがIARCのレポートである。グリホサート反対同盟は膨大な数で、Corporate Europe Observatory, Greenpeace, Pesticide Action Network, Health and Environment Alliance, WeMove.eu, Foodwatch, Ligue contre le cancer (French for “League against cancer”), Nature&Progrès Belgique (French for “Nature & Progress Belgium”), Global 2000, Safe Food Advocacy Group, campact!, Avaaz, GM Watch, Friends of the Earth, Umweltinstitut München等々である。各国の個別団体を入れるとリストはさらに長くなるだろう。一見いろいろな団体のように見えるが、それぞれ財政面も含めて密接に関連している。同じ出資者、事務所が同じ、等。わかっているだけでも多数あり、透明性が低いので隠されている関係はもっと深いだろう。こうしたやり方で「たくさんの人が怒っている」という集団幻想を作り上げているが実際にはイデオロギーで固まった一部集団である。
2016年に欧州と米国の自由貿易協定に反対する運動が高まったが、ECIPEの報告によるとパブリックコメントの97%はごく少数の活動団体から出されたものだった。グリホサートの禁止要請についても同様である。意見のほとんどの言葉遣いは驚くほど同じで、それを支援するのがオーガニックロビー団体である。農家や消費者の声はかき消されている。

  • Aimmune Therapeuticsの極めて重要なAR101の第三相PALISADE試験が、ピーナッツアレルギーの患者で一次エンドポイントを達成した

Aimmune Therapeutics’ Pivotal Phase 3 PALISADE Trial of AR101 Meets Primary Endpoint in Patients With Peanut Allergy
February 20, 2018
https://www.businesswire.com/news/home/20180220005722/en/Aimmune-Therapeutics%E2%80%99-Pivotal-Phase-3-PALISADE-Trial
AR101はピーナッツアレルゲンを一定量含む、GMPに従って作られたカプセルで、経口免疫療法のためにアレルゲン含量のばらつきが最小限に管理されている。