食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

低炭水化物か低脂肪か?どちらのダイエットも効果がある

Low-carb or low-fat diet? Both work well
Wednesday February 21 2018
https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/low-carb-or-low-fat-diet-both-work-well/
Daily Telegraphが「ますます流行している低炭水化物ダイエットはこれまでの低脂肪ダイエットより効果があるということはない」と報道した。カリフォルニアの研究者らが低脂肪あるいは低炭水化物に割りあてられたどちらでも12か月で平均5-6kg減量したことを発見した。一部の人たちがどちらかのタイプのダイエット法により適応するという根拠はみつからなかった。これまでの研究ではある種の遺伝子をもつ人たちとダイエット法への反応が関連する、つまり一部の人は低脂肪ダイエットの法が低炭水化物ダイエットより体重減少が大きい、ことが示唆されていた。この研究ではこれまでダイエットに関連するとされてきた一連の遺伝子を調べたが、遺伝子型にとって「正しい」減量法に割り付けても減量しやすいことはなかった。またインスリン応答も調べたがどちらかのダイエット法が良いということはなかった。
同じダイエット法でも一部の人は他の人より多く減量した。しかしこれは遺伝子の多様性やダイエット法によるものではなさそうだった。研究者らは減った体重の差は他の要因によると結論している。
減量には脂肪を減らすのがいいのか炭水化物を減らすのが良いのかについての議論がここ数年盛んである。この質の高い研究はどちらでも、全体として食べる量が減って健康的な食生活をする限り、効果があることを示唆する。一部の人に一部のダイエット法がより効果的だという理論はまだ事実である可能性はあるが、それはこれまで示唆されてきたような理由ではない。多分人によって好みの点で実践しやすいダイエット法があるのだろう。遺伝的変異も関係するかもしれないがこれまで同定されたものではない。
この研究は規模が大きく、良く行われているがいくつかの限界はある。
・この研究で示されたように質の高い食品を買うことができる比較的教育レベルの高い集団にあてはまる可能性がある
・この研究で考慮されたインスリン試験法や遺伝子多様性は正しいものではない可能性がある−この研究が行われた時点ではベストであると考えられるものの。
・参加者全員が全ての項目を調べたわけではない
インスリンと遺伝子の多様性については無作為化していないので結果の信頼性は劣る
(それでも遺伝子検査でダイエット法を教える、という類の製品はインチキであるとは言える)