食品安全情報blog過去記事

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意見等

  • 植物由来のGM飼料のリスク評価にあたり茎葉部材料に関し適切な部分を選択する必要性があることについての解説文

Explanatory note on the selection of forage material suitable for the risk assessment of GM feed of plant origin
29 January 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1366e
欧州食品安全機関(EFSA)は、遺伝子組換え植物に由来する食品や飼料のリスク評価のためのガイダンス(EFSA GMO Panel, 2011)の内容を、特に植物に由来するGM飼料のリスク評価の面において、さらに明確にする必要があることを認識していた。EU規則No 503/2013(GM食品及び飼料の認可申請に関する欧州委員会実施規則503/2013)では、飼料の生産や加工のチェーンに導入される未加工農産物に関するデータが、特に求められいる。植物の様々な部位、すなわち全粒、豆や種子、茎葉部が、未加工の原料として飼料チェーンに入る可能性がある。穀粒、豆、種子がそれぞれの植物について明確に定義されているのに対し、茎葉部の定義は、飼料チェーンに入りやすい部分が作物によって異なっているため、作物ごとにばらつきがある。この解説文は、作物固有の茎葉部の定義を、トウモロコシ、ダイズ、テンサイ、アブラナおよび綿花について提供し、規制面で茎葉部の定義が欠如しているのを補完し、EU規則No 503/2013の要件に沿って、茎葉材料を適切に選択することを支援するものである。

  • 有効成分インドキサカルブの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance indoxacarb
EFSA Journal 2018;16(1):5140 [29 pp.]. 25 January 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5140
殺虫剤としての有効性は確認された。
主要な代謝産物に関してのデータ不足が確認された。
有効成分の同定、物理化学的性質、分析方法などの分野でデータ不足が確認された。
哺乳類への毒性に関してもデータ不足が確認された。
残留についても、消費者の食事リスク評価が完結しておらず、様々なデータ不足が確認された。
これらのデータ不足のため、安全性への懸念が依然として解消されていない。

  • 農薬有効成分キノキシフェンの対象ハザード評価のピアレビュー

Peer review of the targeted hazard assessment of the pesticide active substance quinoxyfen
EFSA Journal 2018;16(1):5085 [11 pp.]. 25 January 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5085
EC規則No 1107/2009第11条第2項に基づいて、難分解性や生物学的蓄積性や毒性(PBT)の検討に焦点を当てた情報を評価した結果、キノキシフェンは、、難分解性や生物蓄積性が高く(vPvB)、難分解性有機汚染物質(POP)であるという結論に達した。キノキシフェンは、PBTとvPvBの両方のハザード特性を示すことが考えられ、EC規則No 1107/2009の附則IIの規定に関連して問題が生じる懸念がある。

  • 綿実におけるメピコートのMRL改訂

Modification of a maximum residue level for mepiquat in cotton seeds
EFSA Journal 2018;16(2):5162 [25 pp.]. 5 February 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5162
残留試験が独立して3件しか行われておらず、主要農産物である綿花についてはさらに5件が必要であり、綿実におけるMRL案は導出できない。
しかし、綿花における緊急的な許可として、期間を限って(120日)8 mg/kgが提案される。
もしくは、独立して実施されていない(地域が限局されている)ものの、8件の残留試験が実施されていることを考慮して、期限を限って(120日)5 mg/kgが提案される。
動物由来製品については、EFSAは、評価担当加盟国であるギリシャが提示した既存のMRLsを改訂する必要性を確認できなかった。

  • 微生物Pasteuria nishizawae Pn1株の農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance Pasteuria nishizawae Pn1
EFSA Journal 2018;16(2):5159 [14 pp.]. 1 February 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5159
テンサイに寄生する線虫の殺虫剤としての使用がデータにより支持されている。規制を目的とするリスク評価での使用に耐える信頼性の高いエンドポイントが示されている。

  • 皮ごと食べられるウリ科の植物におけるピリメタニルの既存MRL改訂

Modification of the existing maximum residue level for pyrimethanil in cucurbits with edible peel
EFSA Journal 2018;16(2):5145 [20 pp.]. 1 February 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5145
実用的で適切な分析法があり、有効定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgで対象作物中のピリメタニル残留物を管理できる。残留試験は、MRL改定案の0.8 mg/kg(現行0.7 mg/kg)を導出するのに十分であると判断された。リスク評価結果に基づき、報告された農法でピリメタニルを使用する場合、生じる残留物を短期摂取および長期摂取しても消費者の健康にリスクを生じる可能性は低いとEFSAは結論した。

  • フェンピコキサミド(XDE-777)の農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance fenpicoxamid (XDE-777)
EFSA Journal 2018;16(1):5146 [27 pp.]. 31 January 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5146
穀物(冬小麦、春小麦、デュラム小麦、ライ麦、ライ小麦)に対して典型的な用法で殺菌剤として使用する場合に基づいて結論が導かれた。ライ麦と小麦(ライ小麦とスペルト小麦を含む)についてのMRLが評価された。有効性に関するデータは十分であると判断された。代謝産物の哺乳類への毒性に関するデータなどに不足が認められた。バナナの輸入トレランスのMRL申請も評価され、データは十分であるとみなされた。データ不足の分野が認められ、そのため懸念が払拭さないことが確認された。

  • フェンメジファムの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance phenmedipham
EFSA Journal 2018;16(1):5151 [25 pp.]. 31 January 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5151
テンサイや飼料ビートに除草剤として典型的な用法で使用する場合に基づいて結論が導出された。物質の分析や特徴付け、哺乳動物における毒性などの分野でデータ不足が認められ、そのため懸念が払拭されないことが確認された。

  • デスメジファムの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance desmedipham
EFSA Journal 2018;16(1):5150 [25 pp.]. 31 January 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5150
テンサイや飼料ビートに除草剤として典型的な用法で使用する場合に基づいて結論が導出された。物質の分析や特徴付け、哺乳動物における毒性などの分野でデータ不足が認められ、そのため懸念が払拭されないことが確認された。

  • クロロタロニルの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance chlorothalonil
EFSA Journal 2018;16(1):5126 30 January 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5126
小麦、大麦、トマト、ジャガイモに対し殺菌剤として典型的な用法で使用する場合に基づいて結論が導出された。物質の分析や特徴付け、哺乳動物における毒性などの分野でデータ不足が認められ、そのため懸念が払拭されないことが確認された。

  • 葉タマネギ/長ネギ/ネギおよびリーキにおけるクロピラリドの既存MRLs改訂

Modification of the existing maximum residue levels for clopyralid in spring/green/Welsh onions and leeks
EFSA Journal 2018;16(1):5149 [19 pp.]. 29 January 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5149
実用的で適切な分析法があり、有効定量限界(LOQ) 0.01 mg/kgで対象作物中のクロピラリド残留物を管理できる。残留試験は、MRL改定案の0.7 mg/kg(現行0.5 mg/kg)を導出するのに十分であると判断された。報告された農法でクロピラリドを使用する限りにおいては、生じる残留物を長期摂取しても消費者の健康にリスクを生じる可能性は低いとEFSAは結論した。

  • トルクロホスメチルの農薬リスク評価ピアレビュー

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance tolclofos-methyl
EFSA Journal 2018;16(1):5130 [25 pp.]. 29 January 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5130
ジャガイモ、レタス、観賞植物にたいする殺菌剤として典型的な用法で使用する場合に基づいて結論が導出された。物質の分析や特徴付け、残留などの分野でデータ不足が認められ、そのため懸念が払拭されないことが確認された。

  • 欧州連合(EU)における農薬の科学的リスク評価:ECが進めている検討課題に対するEFSAの寄与

Scientific risk assessment of pesticides in the European Union (EU): EFSA contribution to on-going reflections by the EC
29 January 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1367e
この文書には、EUの農薬規制における規制適性化プログラム(REFIT)のプロセスに則ってEFSAが欧州委員会に提出した情報と、農薬の科学的評価に関する疑問に対応するECの科学的助言機構にEFSAが提出した情報とがまとめられている。この文書は、現在のシステムの長所や改善可能な分野についての考察など、EUにおける農薬の科学的評価過程に関連した多くの検討課題を提示している。この文書では、EFSAが統括している加盟国リスク評価機関のネットワークが機能する過程で直接的な関与がありながらも、科学的リスク評価とリスク管理の方針決定が独立していることを、このシステムの長所として捉えている。この文書では、農薬とそれに関連する補助剤を含む有効成分についてのEUレベルの評価の適用域を広げていく選択肢を模索している。これは、国レベルの要件をまとめ上げ、EUや加盟国における農業や環境の多様性を考慮することができるシステムによって遂行されると考えられる。これらの検討課題は、EUにおける農薬の科学的評価でEFSAが実施した―技術レベルの―経験だけに基づいて示されており、政策決定者が進めている議論に関連する他の施策や方針の決定要因、すなわちEUの農薬規制に変化を及ぼす要因については対象としていない。