食品安全情報blog過去記事

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飼料添加物

  • キジにおけるCoxiril® (ジクラズリル)の安全性と有効性

Safety and efficacy of Coxiril® (diclazuril) for pheasants
EFSA Journal 2018;16(3):5196 [9 pp.]. 21 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5196
欧州委員会の要請に基づき、EFSAは、動物用飼料に使用される添加物および製剤あるいは物質に関するパネル(FEEDAPパネル)に対し、キジにおけるCoxiril®の安全性と有効性に関する科学的意見を導出するよう依頼した。Coxiril®は、ジクラズリルを0.5%含み、完全飼料1 kg当たり1.0〜1.2 mgの用量で、キジのコクシジウム症の予防に使用することが企図されている。Coxiril®に由来するジクラズリルは、完全飼料1 kg当たり1.2 mgの濃度でキジにおいて安全であると考えられる。この結論は、肥育期の七面鳥を用いた耐容試験の結果を外挿することで導出された。FEEDAPパネルは、キジの組織や卵における残留は、生理学的に同等のメジャーな鳥種である鶏や七面鳥の肥育期での使用において測定された残留と同程度であるとみなした。キジに完全飼料1 kg当たり1.2 mg/kgという最大濃度でジクラズリルを使用しても、鶏肉に設定された最大残留基準(MRLs)を超えない限り、消費者は安全である。対象鳥種と消費者にぽてこの添加物が安全であるという結論は、Coxiril®を産卵期の鳥には与えないという条件が満たされる場合に限られる。Coxiril®は、眼や皮膚に対し刺激性を示さないと考えられる。皮膚感作物質であることも考えられない。通常の取扱いの場合、使用者がCoxiril®へ吸入暴露されることにより、呼吸毒性や全身毒性が引き起されることは考えにくい。キジにCoxiril®由来のジクラズリルを使用しても、中性ないしはアルカリ性の土壌(pH ≥ 7)を持つ環境へのリスクを生じない。酸性土壌でこの添加物を使用することによるリスクについての最終的な結論は、徐々にジクラズリルが蓄積する可能性に関する不確実性が高いため、導出することができない。FEEDAPパネルは、完全飼料1 kg当たり1 mg/kgという最小用量で、Coxiril®由来のジクラズリルがキジのコクシジウム症を予防する効力を有すると結論付けた。

  • 子豚、肥育豚、育成子牛および肥育子牛に対して飼料用香料として使用されるサッカリンナトリウムの安全性と有効性

Safety and efficacy of sodium saccharin when used as a feed flavour for piglets, pigs for fattening, calves for rearing and calves for fattening
EFSA Journal 2018;16(3):5208 [2 pp.]. 21 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5208
サッカリンナトリウムについて、子豚、肥育豚および食肉用子牛の飼料や飲料水の甘味料として使用することが企図されている。動物用飼料に使用される添加物および製剤あるいは物質に関するパネル(FEEDAPパネル)は、肥育子牛と肥育豚に安全な量として提案された、飼料1 kg当たりサッカリンナトリウム150 mgという最大使用濃度を検討した。子豚(哺乳子豚および離乳子豚)については、完全飼料1 kg当たりサッカリンナトリウム100 mgというより低い濃度が安全だと判断された。飲料水については、対応する最大安全濃度は、それぞれ子豚で30 mg/L、肥育豚で50 mg/Lである。飼料および飲料水におけるこれらのサッカリンナトリウムの最大安全濃度は、飼料または飲料水のいずれかが唯一の供給源としてこの添加物を含んでいることを前提として導出されている。FEEDAPパネルは、対象動物種に安全だと考えられる用量で飼料や飲料水にサッカリンナトリウムを使用する場合、消費者に懸念を生じることはないと結論付けた。申請者が提案した製品取扱上の注意は、使用者の安全を担保するのに十分だと考えられる。FEEDAPパネルは、対象動物種に安全だと考えられる用量でサッカリンナトリウムを使用する場合、陸生区域や淡水区域に有害影響が引き起こされる可能性は低いと結論付けた。サッカリンは移動性が高く、また残存性が比較的高いこと、さらにその分解産物である4-ヒドロキシサッカリンの残存性が高いことから、0.1 µg/Lを超える汚染が地下水で生じる可能性が示唆される。対象動物種の飼料におけるサッカリンナトリウムの機能は本質的に食品における機能と同じであるため、FEEDAPパネルは、有効性の例証は必要ないと結論付けた。

  • 肥育ウサギにおけるSacox®マイクロ顆粒(サリノマイシンナトリウム)の安全性と有効性

Safety and efficacy of Sacox® microGranulate (salinomycin sodium) for rabbits for fattening
EFSA Journal 2018;16(3):5209 [19 pp.]. 21 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5209
Sacox®マイクロ顆粒は、サリノマイシンナトリウム(SAL-Na)を含み、肥育期の鶏および育成期の産卵鶏に用いられるが、動物用飼料に使用される添加物および製剤あるいは物質に関するパネル(FEEDAPパネル)による再評価が最近実施されたところである。欧州委員会の緊急の要請を受けて、この製品を肥育期のウサギに混餌投与した場合の安全性および有効性について、この評価の開始時に申請者が提出した入手可能なデータに基づいて評価を行った。SAL-Naは摂取されると大部分が吸収され代謝される。代謝物質ではイオノフォア活性が低くなる。SALはマーカー残留物質である。SAL-Naは遺伝毒性も発がん性も示さない。無毒性量(NOAEL)として、0.5 mg/kg体重/日という値がイヌを用いた試験から導出されている。ウサギにおけるSALの安全性についての結論を導くために入手できたデータは、飼料摂取量と体重に関するものだけである。飼料1 kgあたり35 mg以上のSALの濃度では、育成期のウサギは耐容しない。パネルは、この添加物に、肥育期のウサギが25 mg/kgまで耐容したことを示す入手データを考慮した。肥育期のウサギにおけるSALの安全性は、現行の基準に準拠した耐容試験に基づいて確立される必要がある。繁殖における有害影響は除外できなかった。特定の医薬品(例えばチアムリンやバルネムリン)やベントナイトとSAL-Naの同時使用は禁忌である。毒性学的に懸念される残留物質に対する消費者の暴露は、1日休薬した後であれば、許容一日摂取量(ADI)の0.005 mg/kg体重に収まる。肝臓について定められた0.01 mg/kgという暫定最大残留基準値(MRL)は、消費者の安全性を保証する。申請者が提案した5日間という休薬期間は支持される。ウサギの飼料に混ぜられたSAL-Naは、水性環境においてリスクを生じることはないと考えられる。陸上の生態系におけるリスクを生じる可能性は低いと考えられる。現行の農業条件の下でのSAL-Naの有効性と有効用量は例証されなかった。

  • あらゆる動物種おけるメチオニンのヒドロシキ類似体およびそのカルシウム塩(ADRY+®)の安全性と有効性

Safety and efficacy of hydroxy analogue of methionine and its calcium salt (ADRY+®) for all animal species
EFSA Journal 2018;16(3):5198 [17 pp.]. 20 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5198
欧州委員会は、EFSAの動物用飼料に使用される添加物および製剤あるいは物質に関するパネル(FEEDAPパネル)に対し、ADRY+®の安全性と有効性に関する科学的意見を導出するよう要請した。ADRY+®は、メチオニンのヒドロシキ類似体(HMTBa)とそのカルシウム塩(HMTBa-Ca)から成り、これらは共にL-メチオニンの前駆体である。HMTBaとHMTBa-Caは現在、栄養添加物として使用認可されており、機能グループ「アミノ酸、その塩および類似体」に分類されている。ADRY+®は、化学合成により生産され、あらゆる産業分野のあらゆる動物種向けに飼料に添加して使用することが企図されている。FEEDAPパネルは、ADRY+®は対象動物において安全であると結論付けた。動物の栄養飼料にこの添加物を使用しても、可食組織や動物由来製品にHMTBaやその代謝物が蓄積することは予想されない。したがって、消費者に安全上の懸念を生じることもない。ADRY+®は、眼に刺激性を示すが、皮膚への刺激性はない。FEEDAPパネルは、この添加物の皮膚感作性に関する結論は導出できていない。この添加物への使用者の吸入暴露量は、少ないと予想される。飼料添加物としてこの製品を使用しても、環境へのリスクを示さない。ADRY+®は、非反芻動物や魚のタンパク質合成において実効的なメチオニン源となる。ただしHMTBaは、DL-メチオニンよりも生物学的効率が低い可能性がある。反芻動物の第一胃での分解は、HMTBaの方がDL-メチオニンより遅い。

  • 肥育豚用飼料添加物としてのCylactin® (Enterococcus faecium NCIMB 10415株)の有効性

Efficacy of Cylactin® (Enterococcus faecium NCIMB 10415) as a feed additive for pigs for fattening
EFSA Journal 2018;16(3):5201 [6 pp.]. 20 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5201
Cylactin®は、Enterococcus faeciumの乾燥細胞をベースとした飼料添加物の商品名である。Cylactin® LBC ME10、Cylactin® LBC ME20 PlusおよびCylactin® LBC G35の3つの形態で市販されている。前者の2つは、それぞれ1 × 1010 CFU/gと2 × 1010 CFU/gの濃度で細菌が含まれているマイクロカプセル型の製品である。残りの1つは、保証含有量が3.5 × 1010 CFU/gの顆粒型製品である。2012年にEFSAは、離乳子豚、雌豚および肥育豚の飼料の畜産用添加物としてこの製品を再評価するよう欧州委員会から依頼を受けた。2015年に提出した科学的意見において、この添加物が消費者、使用者、環境、対象動物において安全であることと、子豚と雌豚における有効性が明確にされた。だが、肥育豚を用いた有効性試験は、検討に値ししかも肯定的な結果が示されたのは2件だけであり、動物用飼料に使用される添加物および製剤あるいは物質に関するEFSAのパネル(FEEDAPパネル)は、データ不足のためこの対象動物種における有効性に関して結論を導出できなかった。申請者は、濃度案として提出し、この評価の検討対象となっている、飼料材料1 kg当たり3.5 × 108 CFUという含有濃度を用いて、肥育豚にこの添加物を混餌投与する3件の追加試験を実施した。これらの試験のいずれにおいても、肥育豚の肥育成績に対する有意な効果は示されなかった。この新たに実施された3件の試験と以前の科学的意見で検討した2件の試験で得られた平均一日体重増加量および飼料要求率のデータを統合した。これらの5件の試験の統合分析の結果に基づき、個別分析では5件のうち4件の試験で支持されていないものの、FEEDAPパネルは、Cylactin®が、飼料 1 kg当たり3.5 × 108 CFUの濃度で、肥育豚の肥育成績を改善するある程度の有効性を持つと結論付けた。

  • あらゆる動物種に用いられるサイレージ添加物としてのPediococcus pentosaceus DSM 32291株の安全性と有効性

Safety and efficacy of Pediococcus pentosaceus DSM 32291 as a silage additive for all animal species
EFSA Journal 2018;16(3):5202 [9 pp.]. 20 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5202
欧州委員会の要請を受けて、動物用飼料に使用する添加物および製剤あるいは物質に関するパネル(FEEDAPパネル)は、Pediococcus pentosaceusの特定の菌株を提案された割合、すなわち新鮮サイレージ原料1 kg当たり5 × 107 CFUで適用し、サイロ貯蔵性を改善する産業用添加物として使用する場合の、安全性と有効性に関する科学的意見を出すよう求められた。EFSAは、P. pentosaceusのこの菌株の安全性評価には、安全適格性推定アプローチが適しており、ヒトや獣医領域で重要な抗菌剤に対する耐性がないことを示す以外に特別な安全性の証明は求められないと判断している。この菌株の系統は明確に確立されており、抗菌剤耐性は検出されていないため、サイレージ生産においてこの菌株を使用しても、家畜用動物種、処理済みサイレージを与えられた動物に由来する製品の消費者、環境にとって、安全であると推定される。データ不足により、この添加物の皮膚や眼に対する刺激性に関する結論は導出できなかった。この添加物については、呼吸器感作性の可能性を考慮すべきである。Pediococcus pentosaceus DSM 32291株は、5 × 107 CFU/kgという最小用量で、サイロ貯蔵中の乾燥原料の損失やタンパク質の分解を低減することによって、サイロ貯蔵が容易なあるいはやや困難な原料からのサイレージ生産を改良する可能性を有している。

  • マイナー家禽種肥育用および産卵鶏育成用の飼料添加物としてのAlterion NE® (Bacillus subtilis DSM 29784株)の安全性と有効性

Safety and efficacy of Alterion NE® (Bacillus subtilis DSM 29784) as a feed additive for minor poultry species for fattening and reared for laying
EFSA Journal 2018;16(3):5204 [6 pp.]. 20 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5204
欧州委員会の要請を受けて、EFSAの動物用飼料に使用する添加物および製剤あるいは物質に関するパネル(FEEDAPパネル)は、鶏肥育用および産卵鶏育成用の飼料に添加するるAlterion NE®の安全性と有効性に関する科学的意見を出すよう求められた。Alterion NE®は、Bacillus subtilis (枯草菌)DSM 29784株の生きた胞子を含む組成物であり、完全飼料原料1 kg当たり1 × 108 CFUという推奨量で対象種の飼料に適用することが企図されている。EFSAは、枯草菌の安全性評価については、安全適格性推定(QPS)アプローチが適していると判断した。そのためには、菌株の系統が完全に確立されていること、その菌株には毒素産生性が無く、ヒトや獣医領域で重要なの抗生物質に対する耐性を示さないという証拠が必要とされる。過去の科学的意見に照らして、この菌株はQPSアプローチを適用する基準に見合うことが明確であり、この添加物の他の成分から懸念が生じることは予想されないため、この添加物は、全ての対象動物種、消費者、および環境に安全であると推定される。それと同じ科学的意見において、FEEDAPパネルは、Alterion NE®には皮膚刺激性は無いが、眼に対する刺激性があり、呼吸感作性を考慮すべきだと結論付けている。データ不足のため、この添加物の皮膚感作性に関する結論は導けなかった。Alterion NE®は、飼料1 kgあたりに1 × 108 CFUという推奨量で用いた場合、マイナー家禽種の肥育および産卵鶏の育成において有効性を示す可能性がある。枯草菌DSM 29784株は、抗コクシジウム剤であるモネンシンナトリウム、ナラシン/ナイカルバジン、サリノマイシンナトリウム、ラサロシドナトリウム、ジクラズリル、ナラシン、マデュラマイシンアンモニウム、ロベニジン塩酸塩と、それぞれの認可された濃度で混合可能である。

  • あらゆる動物種用に飼料添加物として用いられるタルク(ステアタイト)および亜塩素酸塩(E 560)の天然混合物の安全性と有効性

Safety and efficacy of natural mixtures of talc (steatite) and chlorite (E 560) as a feed additive for all animal species
EFSA Journal 2018;16(3):5205 [15 pp.]. 20 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5205
この添加物は、主成分としてタルクと亜塩素酸塩を少なくとも75%含む、タルクと亜塩素酸塩の天然混合物(NTMC)である。この添加物は、あらゆる動物の飼料の予備混合物や原料に、産業用添加物(機能による分類:(i)凝固剤)として、1,000〜50,000 mg/kgの用量で使用するものである。子豚、肥育鶏および乳牛については、NMTCの安全な飼料中濃度は特定できていない。動物の飼料にNMTCを使用しても、この添加物を与えられた動物に由来する組織や製品を消費する側にリスクを生じることはないと考えられる。タルクを長期間大量に繰り返し吸入すると、深刻な肺疾患が引き起こされる可能性がある。タルクは皮膚や眼に刺激性を示さない。データ不足のため、この製品の皮膚感作性に関する結論は導き出せなかった。この添加物の成分(タルク、亜塩素酸塩、ドロマイト、マグネサイト)は、土壌の天然成分で、環境中至る所に存在する。そのため、飼料添加物として使用することによって、環境に有害影響が及ぶことは予想されない。この添加物NMTCは、凝固剤としての有効性を示す。

  • 豚と家禽における安息香酸の安全性と有効性

Safety and efficacy of benzoic acid for pigs and poultry
EFSA Journal 2018;16(3):5210 [16 pp.]. 8 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5210
動物用飼料に使用する添加物および製剤または物質に関するパネル(FEEDAPパネル)は、欧州委員会から、豚(哺乳、離乳)、肥育豚、雌豚(繁殖用、子豚扶助用)、マイナー豚種、鶏(肥育用、産卵鶏育成用)、雌鶏(産卵用、育種用)、七面鳥(肥育用、育種用、育種用鳥の育成用)、およびマイナー家禽種に対し、飼料香料として安息香酸を使用することの安全性と有効性について、科学的意見を出すよう求められた。安息香酸は、離乳子豚において飼料1 kg当たり2,500 mgの用量で、産卵鶏と肥育用鶏と七面鳥には飼料1 kg当たり500 mgの用量で安全であるが、哺乳子豚と雌豚については結論を導けなかった。離乳子豚についての結論は肥育豚に拡大適用でき、育成期のマイナー豚種に外挿できる。肥育期の鶏および七面鳥についての結論は、育成期の産卵鶏や育成期の交配用七面鳥に拡大でき、産卵期までのマイナー家禽種に外挿できる。産卵期の鶏については、安全性マージンのデータがないため、産卵期や育成期のマイナー家禽種についても結論を導けない。この添加物は、豚や家禽の可食組織においてほとんど蓄積することなく速やかに代謝される。また、安息香酸の食品からの摂取全体に対する動物由来食品の寄与はかなり少ない。これらのことを考慮すると、この添加物の使用により消費者にリスクが生じることは想定されない。経口以外の暴露の可能性が低いことから、この添加物を吸入することによる使用者へのリスクは想定されない。ただし、この添加物は皮膚感作性ではないが、皮膚や眼に対し刺激性を示す。この添加物に提案されている使用により環境リスクが引き起こされることはない。安息香酸は食品の香料として認可されていて、飼料における機能も本質的に同じであるため、有効性の論証はこれ以上必要とされない。

  • あらゆる動物種向けの飼料添加物としての亜鉛L-セレノメチオニンの安全性と有効性

Safety and efficacy of Zinc-l-Selenomethionine as feed additive for all animal species
EFSA Journal 2018;16(3):5197 [18 pp.]. 8 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5197
添加物「亜鉛L-セレノメチオニン」(Zn-l-SeMet)は、あらゆる動物種向けのセレン源として使用されることが企図されている。申請者は、不活性担体と混合した活性化合物(Availa®Se)を市販することを予定している。Zn-l-SeMetは、肥育期の鶏において安全なセレン源となる。この結論は全ての動物種に対して拡大される。Zn-l-SeMet由来のセレンは、セレン化合物に想定されていないような有害影響は引き起こさない。動物の栄養源としてZn-l-SeMetを使用すると、他のSeMet供給源の場合と同等に、動物組織や動物由来製品においてセレンの蓄積を増加させると考えられる。他の有機セレン供給源に設定された最大セレン補給量(完全飼料1 kg当たり0.2 mg)で、認可された最大総セレン含量に従ってこの添加物を使用しても、消費者に安全である。この添加物は吸入すると有害である。多量の粉じんが出る可能性があるため、Availa®Seを取り扱う人には吸入によるリスクが生じる。. Availa®Seは皮膚刺激性を持たない。眼の刺激性および皮膚感作性については、データが無く、結論を導出できない。飼料にZn-l-SeMetを使用しても、完全飼料における含有量が認可された最大量を超えないならば、代替となる他のセレン源と比較して、環境に対してより過分のリスクがもたらされることはない。Zn-l-SeMetは肥育期の鶏と産卵鶏において有効なセレン源である。この結論は全ての動物種について拡大される。飼料全体の亜鉛におけるこの添加物の使用(飼料1 kg当たり0.2 mg未満)に由来する亜鉛の寄与は、最大で見積もっても低いと考えられ、使用者を除けば安全性評価の必要はない。

  • 産卵開始までの育成期の採卵用鶏及びマイナー家禽種に飼料添加物として使用する3-フィターゼFLF1000の安全性と有効性

Safety and efficacy of 3-phytase FLF1000 as a feed additive for chickens reared for laying and minor poultry species
EFSA Journal 2018;16(3):5203 [6 pp.]. 7 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5203
欧州委員会の要請を受けて、動物用飼料に使用する添加物及び製剤又は物質に関するパネル(FEEDAPパネル)は、産卵開始までの育成期の採卵用鶏およびマイナー家禽種用の飼料添加物としての3-フィターゼFLF1000の安全性と有効性に関する科学的意見を示すよう求められた。飼料中にこの添加物を使用することに関連する、消費者、使用者、環境への安全性などの安全性の側面については、以前EFSAが評価を行って結論を導出している。FEEDAPパネルは、申請者が提案する新しい適用はこれらの結論を変えるものではないと判断した。以前の評価では、FEEDAPパネルは、肥育鶏と産卵鶏に関して安全性と有効性を評価した。今回の評価では、新しい動物種や適用時期における安全性と有効性を裏付けるような新しい試験データは提出されていない。そのため、以前に評価された主要動物種における耐容性と有効性に関するデータが、今回の評価でも考慮された。以前に評価された肥育鶏の耐容性試験の結果から、鶏は最大推奨量の10倍の用量を十分耐容することが示されている。パネルは、肥育鶏に対して導出された結論を、育成期の採卵用鶏に拡大し、また、肥育期のマイナー家禽種、育成期の採卵用マイナー家禽種、および交配用マイナー家禽種に外挿した。以前の評価において、FEEDAPパネルは、この添加物は鶏肥育用に飼料1 kg当たり500 FTUで有効性を示す可能性があると結論付けている。パネルは、肥育鶏における有効性に関する結論を、育成期の採卵用鶏に拡大し、肥育期のマイナー家禽種、育成期の採卵用マイナー家禽種、および交配用マイナー家禽種に外挿した。