食品安全情報blog過去記事

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連邦裁判所判事、無認可の新規医薬品および不正商標表示の医薬品を販売していたフロリダ州の企業に同意判決を下すことを承認

未公表の医薬品成分を含む製品をダイエタリーサプリメントとして販売
Federal judge approves consent decree with Florida company that sold unapproved new drugs and misbranded drugs
Products marketed as dietary supplements contained undisclosed active pharmaceutical ingredients
March 28, 2018
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm602929.htm
フロリダ州に所在するMyNicNaxs, LLC of Deltona社に同意判決が下され、終局的差止命令が発せられることとなった。
命令はフロリダ中部地区連邦地方裁判所より、MyNicNaxs社、同社所有者のChevonne Torres氏および役員のMichael Banner氏に対して発せられる。
同意判決によると、FDAの検査の結果、MyNicNaxs社の製品の中には、以下のような医薬品有効成分を未申告で含有するものが見つかっている。
シルデナフィル: 性機能増強剤のバイアグラに含まれる医薬品有効成分
シブトラミン: いわゆる「痩せ薬」であるメリディアに含まれる医薬品有効成分。メリディアは市販認可の後、臨床データーにより心臓発作や脳卒中のリスクを増高することが示されたため、認可取り消しとなっている医薬品である。
フェノールフタレイン: 諸試験により発がん性が示唆され、FDAが「全体として安全性や有効性が認められない」と判断した成分である。
また、同社の製品には、疾患の治療、軽減、緩和および予防を意図しており、FD&C Actに基づくと医薬品に該当するものがあると指摘されている。
さらに、それらの医薬品は、特定の医薬品有効成分を申告しておらず、適切な使用法が表示されておらず、またラベル表記に従って使用すると健康危害の可能性があるなど、不正商標表示が指摘されている。
MyNicNaxs社は、これらの製品を、ダイエタリーサプリメントとして、ウェブサイトを通じて消費者に直接販売していた。
終局的差止命令は、すべての未承認新規薬物および不正商標表示薬物について、被告人が直接的あるいは間接的に流通するのを止めるよう要求している。
MyNicNaxs社は、同意判決の内容やFD&C Actおよびその規則をが遵守するようになっていること、および操業を再開しても良い状態になっていることをFDAから認められ、その告知文書をFDAから受け取るまで、どのような薬物およびダイエタリーサプリメントについても、受領したり製造したり所持したり流通させたりすることを禁じられる。
FDAは2015年に、MyNicNaxs社が未承認新規薬物および不正商標表示薬物の販売を続けたとして、警告文書*を発行している。
告訴はFDAに代わって米国司法省が実施していた。
*: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2015/ucm436724.htm

Federal judge approves consent decree with New York dietary supplement manufacturer Riddhi USA
March 29, 2018
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm603111.htm
ニューヨーク州に所在するRiddhi USA, Inc社に対し、不良化され不正商標表示されたダイエタリーサプリメントを販売していたことについて、同意判決が下され、終局的差止命令が発せられることとなった。
命令は、ニューヨーク州東部地区連邦地方裁判所より、Riddhi USA社、および同社社長で所有者のMohd M. Alam氏に対して発せられる。
同意判決によると、Riddhi USA社は、適正製造基準(cGMP)に違反して製品を調製、包装、ないしは保管していたことが指摘されている。違反内容は、最終製品であるダイエタリーサプリメントについて、特性、純度、効力ならびに組成に係る規格が確立されていないこと、不適切な製造記録原簿およびバッチ生産記録、品質管理手続きの欠落、および製品への苦情を調査する手続きの欠落などである。
また、製品ラベルには、食品成分やアレルゲンの申告、および製造者の事業所所在地に関する記載が正しく行われていなかった。
Riddhi USA社は、卸会社に栄養補助食品を販売する製造業者で、自社商標で市販や広告は行っていない。
FDAは2016年に、Riddhi USAに対し、施設検査でCGMP違反を確認したことにより、また製品ラベルにすべての成分を申告していなかったことにより、警告文書*を発行している。 Riddhi USA社は現在、いずれの栄養補助食品も製造していない。
製造再開のためには、同社が専門家を雇用してすべての医薬品適正製造基準を満たすようにし、検査を受けたのち、FDAから操業再開の許可を受ける必要がある。
*: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2016/ucm498992.htm