食品安全情報blog過去記事

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意見等、飼料

  • 飼料添加物として、あるいは生産用生物体として使用される微生物の特徴付けに関するガイダンス案に対するパブリックコメント募集結果

Outcome of the public consultation on the draft guidance on characterisation of microorganisms used as feed additives or as production organisms
28 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1389e
EFSAは15団体からコメントを受け取った。FEEDAPパネルは、受け取った質問やコメントを検討し、改訂版のガイダンスを作成した。このガイダンスは、2018年2月21日の本会議で議論、採択され、EFSA Journalで発表される。

  • 飼料添加物として、あるいは生産用生物体として使用される微生物の特徴付けに関するガイダンス

Guidance on the characterisation of microorganisms used as feed additives or as production organisms
EFSA Journal 2018;16(3):5206 [24 pp.]. 28 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5206
このガイダンス文書は、EC規則No 1831/2003第7条6項に基づいて作成されたものであり、動物への栄養成分として使用される添加物の認可申請に関し、申請者による申請文書の作成と提出を支援することを目的とする。具体的には、飼料添加物として、あるいは生産用生物体として使用される微生物の特徴付けに関する事柄を取り扱っている。

  • 全動物種用飼料添加物としてのブチルヒドロキシアニソール(BHA)の安全性と有効性

Safety and efficacy of butylated hydroxyanisole (BHA) as a feed additive for all animal species
EFSA Journal 2018;16(3):5215 [18 pp.]. 28 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5215
ブチルヒドロキシアニソール(BHA)は、3-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソールおよび2-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソールの混合物を有効成分とし、その有効成分含量が98.5%を超えるワックス状固形物である。この組成物は、抗酸化物質として飼料原料に添加し、全ての産業分野の全動物種で使用することが企図されている。動物用飼料に使用される添加物および製剤あるいは物質に関するパネル(FEEDAPパネル)は、BHAはネコを除くすべての動物種において、完全飼料1 kg当たり150 mgまでは安全であると判断した。ネコについては、耐容性のデータから安全な用量を設定することができなかった。BHAは、胃腸管で速やかに吸収され、迅速な代謝を受けるが、尿と糞便にそのままの形であるいは代謝産物として排泄される。様々な代謝産物が生成されるが、それらの割合は、動物種や投与用量に左右される。BHA代謝産物の蓄積は、諸組織において認められなかった。FEEDAPパネルは、飼料1 kg当たり最大150 mgの濃度で飼料添加物としてBHAを使用しても、消費者に安全性の懸念は生じないと結論付けた。この添加物は、皮膚や眼に対する刺激物質であり、皮膚感作性を示す可能性があるとみなされるべきである。使用者が吸入暴露されることは無さそうであると考えられ、リスクが生じる可能性は無い。提案された最大濃度でBHAを使用しても、環境へのリスクが引き起こされることは考えにくい。BHAは、同等の濃度で食品の抗酸化物質として使用することが認可されており、そのため、飼料原料に添加する全動物種向けの抗酸化物質としてのBHAの有効性については、それを検証する試験は必要とされない。

  • 子豚用飼料添加物としてのBacillus subtilis DSM 28343株の安全性と有効性

Safety and efficacy of Bacillus subtilis DSM 28343 as a feed additive for piglets
EFSA Journal 2018;16(3):5221 [7 pp.]. 28 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5221
欧州委員会の要請を受けて、動物用飼料に使用される添加物および製剤あるいは物質に関するEFSAのパネル(FEEDAPパネル)は、離乳子豚の飼料に使用される場合のBacillus subtilis DSM 28343株の安全性と有効性について、科学的意見を導出するよう求められた。この添加物はB. subtilisの1菌株の生芽胞を含む製剤である。この菌種についてEFSAは、安全性評価を行うに当たり、QPSアプローチが好適であると判断している。そのためには、菌株の同定法が最終的に確立されていることが求められ、また、その菌株が毒素産生ではなく、ヒトや獣医領域で重要とされる抗菌剤耐性を示さないという証拠が求められる。この菌株は、以前の科学的意見に照らしてみても、QPSアプローチの基準に適合すると認められた。また、この添加物の他の成分から懸念が生ずることはないと考えられるため、この添加物は全ての対象動物種、消費者、および環境において安全であるとみなされる。同じ科学的意見においてFEEDAPパネルは、Bacillus subtilis DSM 28343株は、眼や皮膚に対する刺激性物質ではないが、呼吸器感作物質とみなすべきであり、また皮膚感作性についての結論は導出できない、と結論付けている。これらの結論は、現在行われている申請にも適用される。Bacillus subtilis DSM 28343株は、飼料原料1 kgあたり1 × 109 CFUの濃度で離乳子豚に有効性を示す可能性がある。

Safety of vitamin B2 (80%) as riboflavin produced by Bacillus subtilis KCCM‐10445 for all animal species
EFSA Journal 2018;16(3):5223 [8 pp.]. 26 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5223
リボフラビン(80%)は、Bacillus subtilis遺伝子組換え株の発酵により生成される飼料添加物である。2014年、動物用飼料に使用される添加物および製剤あるいは物質に関するパネル(FEEDAPパネル)は、申請者が提出した文書に基づき、リボフラビン(80%)の安全性と有効性に関する意見を発表した。パネルは、リボフラビン生成菌株も組換えDNAも最終製品に検出されなかったため、この添加物は、リボフラビン生成菌株の遺伝子修飾に関して安全性の懸念を生ずることはないと結論付けた。飼料添加物に関する欧州共同体標準研究所(Community Reference Laboratory on Feed additives)は、公的管理の観点から、この添加物のサンプルを取って分析し、組換えDNAの存在について報告している。欧州委員会はEFSAに、以前の科学的意見に補足を加え、ビタミンB2 (80%)の安全性に関し、この新データに基づいて新しい科学的意見を導出するよう要請した。分析されたサンプルは、遺伝子修飾部分を含む、リボフラビン生成菌株の持っているDNAを含んでいた。さらに、サンプルの一つはリボフラビン生成菌株の生細胞を含んでいた。このリボフラビン生成菌株は、遺伝子修飾によって導入された抗菌剤耐性遺伝子を持っているため、FEEDAPパネルは、リボフラビン(80%)は、生細胞を拡散したり、遺伝子組換え菌株が内部に持っている抗菌剤耐性をコードする遺伝子のDNAを拡散したりするリスクを生じると判断した。