食品安全情報blog過去記事

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英国のアルコールガイドラインを超える量を飲む人は「1年か2年寿命が縮まる」

People who drink above UK alcohol guidelines 'lose one to two years of life'
April 13 2018
https://www.nhs.uk/news/lifestyle-and-exercise/people-who-drink-above-uk-alcohol-guidelines-lose-one-two-years-life/
「1日にたった1杯の飲酒で寿命が縮まる」とBBCニュースは伝えている。
飲酒習慣のある人約60万人を対象とした大規模な調査で、1週間に12.5 units (100 g)を超えるアルコールを摂取する人は、それより少ない量のアルコールを摂取する人に比べ、死亡が早まる可能性が高いことが明らかにされた。この結果は、女性でも男性でも同様であった。
現行の英国のガイドラインでは、女性にも男性にも、飲酒は1週間に14 unitsまでに抑えることを推奨している。この量は、平均的なアルコール度のビール(アルコール含有量4%)だと約3 L未満、Mサイズのグラスワイン(175 mL, アルコール含有量12%)だと7杯未満に相当する
この上限値は、他の多くの国で定められている上限よりも低いが、この最新の調査ではそれが妥当な値であることが示唆されている。
この調査の研究者たちの計算によると、40歳の人が英国の週当たりの上限量を超えてアルコールを摂取した場合、その上限量を守ってアルコールを摂取していた人と比べ、女性では平均1.3年、男性では平均1.6年寿命が縮まるということである。
この調査では、命を落とすには至らなくても寿命に影響を与える可能性のある、心臓発作、心不全脳卒中といった一連の心血管系疾患についても、罹患しやすくなるかどうかが調べられている。
アルコールを多く摂取することは、心臓発作以外の心血管系疾患に罹患する確率が高まることと相関していた。心臓発作については確率が低くなったが、アルコールを多く摂取した場合、こうした利点よりも、他の死亡原因のリスクが高まるという不利益の方が勝っていた。
この質の高い調査により、飲酒は1週間に14 unitsまでに抑えるという現行の英国のガイドラインを支持するさらなる根拠が示された。アルコールのunitの計算法についてはhttps://www.nhs.uk/livewell/alcohol/pages/alcohol-units.aspxを参照のこと。