食品安全情報blog過去記事

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評価

  • 産卵育成用鶏のCoxiril® (ジクラズリル)の安全性と有効性

Safety and efficacy of Coxiril® (diclazuril) for chickens reared for laying
EFSA Journal 2018;16(3):5195 [10 pp.]. 29 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5195
Coxiril®は、ジクラズリル0.5%を含有する。申請者は、コクシジウム症の予防を目的として、育成期の産卵鶏に対し、最長で生後12週間まで、完全飼料1 kgあたり0.8〜1.2 mg のジクラズリルを投与することを提案している。肥育期の鶏と七面鳥についてはすでに評価が行われており、そこで導出されたデータに基づくと、Coxiril®は、生後12週間までの適用において、ジクラズリルとして完全飼料1 kgあたり最大1.2 mgの用量まで安全である。消費者の安全性については、肥育鶏における評価の結果が育成期の産卵鶏に拡大された。残留物は、生後12週間までジクラズリルとして完全飼料1 kg当たり1.2 mgの用量でCoxiril®を与えられた産卵鶏が最初に産卵した卵において検出されていない。Coxiril®は眼や皮膚への刺激性を示さないと考えられる。皮膚感作性もない。通常の使用で使用者がCoxiril®に吸入暴露されても、呼吸器毒性や全身毒性が引き起こされる可能性は低い。提案された最大の飼料濃度で産卵育成用の鶏にCoxiril®を使用することにより、中性やアルカリ性(pH ≥ 7)の土壌環境にリスクを生じることはない。酸性土壌については、徐々にジクラズリルが蓄積する可能性に高い不確実性があり、最終的な結論を導出できなかった。肥育鶏での評価に用いられたデータから、Coxiril®は、ジクラズリルとして完全飼料1 kg当たり0.8 mgの最小濃度で用いた場合でも、育成期の産卵鶏におけるコクシジウム症を抑制する能力がある。

  • 子牛飼育用飼料添加物としてのBacillus subtilis DSM 28343株の安全性と有効性

Safety and efficacy of Bacillus subtilis DSM 28343 as a feed additive for calves for rearing
EFSA Journal 2018;16(3):5220 [7 pp.]. 29 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5220
この添加物はB. subtilisの1菌株の生芽胞を含む組成物で、育成成績の向上を目的に子牛の飼育に用いることが検討されている。EFSAは、この菌株は、過去の科学的意見に照らしてQPS(qualified presumption of safety)アプローチの基準に適合すると認められ、この添加物の他の成分から懸念は生ないと考えられるため、この添加物は、対象動物種、この添加物を投与された動物に由来する製品の消費者、および環境に安全だと考えられる。同じ科学的意見で、Bacillus subtilis DSM 28343株は、皮膚や眼に刺激性を示さず、皮膚感作性も無いが、呼吸器感作性物質とみなすべきであると結論付けられている。これらの結論は今回の申請でも適用される。子牛飼育用添加物としての有効性に関しては、根拠が不十分で結論を導出できなかった。

  • イヌ、ネコ、および観賞魚におけるポンソー4Rの安全性と有効性

Safety and efficacy of ponceau 4R for cats, dogs and ornamental fish
EFSA Journal 2018;16(3):5222 [13 pp.]. 29 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5222
この申請では、イヌ、ネコ、および観賞魚の飼料を着色するためにポンソー4Rを使用することが検討されている。完全飼料1 kg当たり以下の濃度でのポンソー4Rの使用は安全であると判断された。ネコおいて31 mg、イヌにおいて37 mg/kg、観賞魚において137 mg/kg。ポンソー4Rへの吸入暴露は有害とみなされている。データ不足により、皮膚や眼目に対するポンソー4Rの刺激性については結論が導出できない。ポンソー4Rの皮膚感作性についての結論も導出できなかった。ポンソー4Rは飼料原料を着色することには有効である。

  • 全動物種向け飼料添加物としてのLactococcus lactis NCIMB 30160株の安全性と有効性

Safety and efficacy of Lactococcus lactis NCIMB 30160 as a feed additive for all animal species
EFSA Journal 2018;16(3):5218 [8 pp.]. 28 March 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5218
申請者は、全動物種向け飼料添加物Lactococcus lactis NCIMB 30160株の製造工程変更を提案している。この提案では、凍結乾燥工程で用いられる1成分が、EU食品添加物として認可されているポリエチレングリコール(PEG 4000)と置き換えられている。PEG 4000をLactococcus lactis NCIMB 30160の調製物の賦形剤として使用た場合でも、対象動物、消費者および使用者の安全性に関する以前の結論は変わらない。この添加物は、対象動物種や、この添加物で処理されたサイレージを与えられた動物に由来する製品の消費者において安全だと結論付けられる。この添加物は、皮膚刺激性を示さないが、皮膚および呼吸器感作性物質である可能性がある。PEG 4000を提案された処方でこの飼料添加物に賦形剤として使用した場合の環境における安全性については、データ不足により結論を導出できなかった。FEEDAPパネルは、乳酸含有量や乾物の保存を増やすことで、またアンモニア‐Nにより決定されるpHや適度なたんぱく質の消失を減らすことで、L. lactis NCIMB 30160を含む添加物は、全ての飼い葉から作られる貯蔵生牧草の生産を改善する可能性があるという以前に出された有効性に関する結論を再考する理由はないと考えている。有効性に関する以前の結論を再考する理由はないと判断された。すなわち、L. lactis NCIMB 30160株を含む添加物は、乳酸含有量や乾燥飼料材料の保存性を増強し、pHの低下やアンモニア性窒素を指標としたタンパク質損失の中等度の低減により、あらゆる飼料からのサイレージ生産性を向上させると認められる。