Solanine in potatoes: Green and strongly germinating potato tubers should be sorted out
23.04.2018
http://www.bfr.bund.de/en/press_information/2018/15/solanine_in_potatoes__green_and_strongly_germinating_potato_tubers_should_be_sorted_out-204286.html
BfRは、ジャガイモの保管と調理に関する標準的な推奨事項のリマインダーを公表した。
ジャガイモ料理が原因で中毒が発生したのを受けて、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、ジャガイモの適切な扱い方について市民に注意喚起を行っている。糖アルカロイド類は、重要な誘導体としてソラニンがあるが、ジャガイモに天然に含まれる成分である。糖アルカロイド類を多量にヒトが摂取した場合、中毒が引き起こされる場合がある。BfRの所長Andreas Hensel教授は、以下のように述べている。「ジャガイモ料理が原因の中毒は過去100年でわずかな事例しか報告されたり記録されたりしていないが、緑色で盛んに発芽しているジャガイモは、健康上のリスクを避けるために食べない方が良い。」最新の水準の入手可能な知見に基づいて、BfRは糖アルカロイド類の暫定的なNOAEL(無毒性量)を0.5 mg/kg体重/日と算出している。この値は、望ましくない健康影響が観察されない最高用量を意味する。このNOAELを超過しないために、食卓のジャガイモの糖アルカロイド含量は、生重量1 kgあたり100 mgを超えないようにすべきである。現在まで、ジャガイモ1 kgあたり200 mgの糖アルカロイドが含まれていても、だいたい安全であるとみなされてきた。
糖アルカロイド類の摂取ができるだけ少ない状態を保つため、BfRは、ジャガイモの保管と調理に関する標準的な推奨事項を以下のようなリマインダーとして発表している。
・ジャガイモは乾燥した冷暗所に保管すること
・古い、しなびている、緑色である、ないしは盛んに発芽しているジャガイモ、ならびに主として揚げてスタック類にしようとしているジャガイモの皮は、消費に適さない
・「眼」と呼ばれる緑色部分は惜しみなく大きく除去すること
・ジャガイモを皮ごと食べる場合は、基本的に無傷の生鮮なジャガイモを用いること
・ジャガイモ料理は、苦い味がした場合は食べるのを止めること
・幼い子供には特に皮を剥いていないジャガイモを食べさせないこと
・ジャガイモを煮るのに使用した水を再利用しないこと
・ジャガイモ製品を作るときに使われる揚げ油は定期的に交換すること
糖アルカロイド類は、ジャガイモなどナス科の植物中に天然に生成される成分である。糖アルカロイド類は、緑色をし、発芽が旺盛で傷のあるジャガイモやジャガイモの皮の中に特に多く含まれている。ジャガイモでは、糖アルカロイド誘導体のα-ソラニンとα-チャコニンが優勢である。これらの化合物は、植物を害虫や病原菌から守るのに役立つ。ヒトでは、症例は少ないが、中毒により吐き気、腹痛、嘔吐および下痢が引き起こされ、発熱が伴う場合もある。重症例では、意識障害、非常にまれだが意識の完全喪失が起こる場合があり、脳機能障害、呼吸困難、および心血管系の障害も引き起こされる。文献では死に至った中毒例が2、3件報告されているが、過去50年間は糖アルカロイドによる中毒死亡例は無い。また、過去100年において報告されたり記録されたりした中毒例も2、3例だけである。しかし、とくに重症ではない中毒の場合は症状が非特異的なため、実際の事例数はかなり多くなる可能性がある。
2015年11月に、ある家族が糖アルカロイド類含量の高いジャガイモ料理を食べて中毒を発症した事例が認められ、これを受けてBfRは、食卓のジャガイモを介した糖アルカロイド類の摂取が関連していると思われるリスクの評価を行った。BfRは、0.5 mg/kg体重/日というNOAELを導出した。このNOAELを可能な限り超過しないため、食卓のジャガイモの糖アルカロイド含量は、生重量1 kgあたり100 mgを超えないようにすべきであると結論付けた。目下のところデータが不完全であることを考慮して、これらの推奨値は暫定的なものに位置づけられる。市販の食卓用ジャガイモに含まれる糖アルカロイドの既存の数値に関するデータを増強するため、BfRは、ジャガイモにおける糖アルカロイド含量の調査(食品監視)を実施することを提案している。
◇ジャガイモ中の糖アルカロイド類含量に関するBfRの科学的意見(ドイツ語)へのリンク
http://www.bfr.bund.de/cm/343/speisekartoffeln-sollten-niedrige-gehalte-an-glykoalkaloiden-solanin-enthalten.pdf
