食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 薬局でのホメオパシーの販売を禁止しないという政府の決定は間違いである

Government decision not to ban homeopathy sales from pharmacies is a mistake
Bruce Baer Arnold  May 8, 2018 
https://theconversation.com/government-decision-not-to-ban-homeopathy-sales-from-pharmacies-is-a-mistake-96114
昨年、オーストラリアの薬局についてのレビューがホメオパシー製品の販売禁止を助言した。薬剤師が信頼できる科学者であることを考えるとこれは賢明な助言である。最近の政府の反応は、レビューの懸念は承知しつつも助言を採用しないという。それは間違いである。
(以下理由。最後に薬剤師が地位を保ちたいなら学会や職能集団が販売を却下すべきと提言。日本で健康食品を売る薬局と同じように、儲かるのだろう)

  • 視点:北米科学者、IARC職員がグリホサートの健康リスクを誤提示するよう謀った

Viewpoint: North American scientists, IARC officials conspired to misrepresent glyphosate health risks
André Heitz | Genetic Literacy Project | May 8, 2018
https://geneticliteracyproject.org/2018/05/08/viewpoint-north-american-scientists-iarc-officials-conspired-to-misrepresent-glyphosate-health-risks/
IARCがグリホサートをおそらく発がん性と評価することは搾取的法律事務所にとっては何百万ドルもの報奨金を意味する。IARCの発表後数日で複数の法律事務所が非ホジキンリンパ腫患者をリクルートし始め、Christopher Portierを雇った。US Right to Knowは公衆の意見を反グリホサートにしようと裁判関連情報を拡散するのに協力した。しかしReutersの彼らにとって不都合な事実の報道が空気を変えた。
(以下多数の文献を引用した長い説明。法律事務所の暗躍に焦点をあてている
グリホサートの訴訟からわかったことはオルタナティブサイエンスの地下世界。これは氷山の一角に過ぎない)

  • Farm Babe:ノー、あなたの食品にグリホサートは入っていない

Farm Babe: No, there isn’t glyphosate in your food
By Michelle Miller, Farm Babe∙http://www.thefarmbabe.com∙ Published: May 08, 2018
https://www.agdaily.com/insights/farm-babe-no-there-isnt-glyphosate-in-your-food/
何かを売るためには、今やセックスの代わりに恐怖が使われる。
食品中に除草剤のグリホサートが見つかったという話を聞いたことがあるだろう。これは何年も前に嘘が暴かれているがまた最近出回っている。Snopes (https://www.snopes.com/fact-check/monsanto-suppressing-evidence-of-cancerous-herbicide-in-food/)が嘘を暴いているが、もっと背景の科学を知りたいと思うならこのポッドキャストhttp://www.talkingbiotechpodcast.com/058-glyphosate-in-groceries-hops-the-flavor-of-beer/)を勧める。簡単に言うと方法が欠陥だらけで根拠がない。実際のところその「報告書」の表紙はこんな感じである:(写真。赤ちゃんの食卓に除草剤のスプレーなど)
これが信頼できる科学的根拠に見える?
この「報告」の背後にいるのはFood Democracy Now, the Detox Project, the Food Babe, Carey Gillam from US Right to Knowなどである。彼らは特定の意図をもってオーガニック食品企業から資金提供されている。オーガニック食品企業は製品を売るために何十億ドルも使って恐怖を宣伝している。映画を作り反GMO活動をしてきた。
さらに今回は「グリホサートフリー」ラベルと125ドルの「グリホサート検出キット」を売りこもうとしている。
実際にはしっかりした結果を得るためのグリホサートの分析には何十万ドルもかかって非常に難しい。125ドルの小さな「検査キット」では何もわからない。(だからこんながらくたに騙されないで)
彼ら自身のメールがこれらの結果が胡散臭いものであることを証明している(画像)
私は一人の農家で、大企業からお金をもらっていないし特定の意図はない。私はトウモロコシを育てていてグリホサートやその他の農薬を使っている。農薬無しでは世界の食糧生産の最大80%が失われるだろう。活動家は人々に食品について恐怖を抱いて欲しく、農家として私はそれを問題だと思う。私達家族経営の農家は農場で子どもを育てている。農場が私達の生きる糧で農家の子ども達はトウモロコシ畑で遊ぶ。何故そこに有害なものを使って自分たちや他の人たちを傷つけようとするだろう?
(以下使用量など略)

  • EPAの「秘密の科学」規則は「鉛との戦い」を毀損する可能性がある

Scienceニュース
EPA’s ‘secret science’ rule could undermine agency’s ‘war on lead’
By Ariel Wittenberg, E&E NewsMay. 8, 2018 ,
http://www.sciencemag.org/news/2018/05/epa-s-secret-science-rule-could-undermine-agency-s-war-lead
E&E Newsから
EPA長官Scott Pruittが「鉛との戦い」を宣言し、同時にいわゆる「秘密の科学」を無くすことも宣言した。彼への批判者はこの二つはお互いに相容れないという。
鉛の健康影響に関する研究の多くは何十年も前の、血中鉛濃度が極めて高い子どもでのものである。これらの研究を第三者が再現するのは倫理的ではなく不可能である。「透明性」規則が古い研究にまで遡って適用されるなら根拠として使えなくなる。

  • 新しい米国の化学物質安全性法のもとで動物実験が急増

Animal tests surge under new U.S. chemical safety law
By Vanessa ZainzingerMay. 8, 2018 ,
http://www.sciencemag.org/news/2018/05/animal-tests-surge-under-new-us-chemical-safety-law
2年前に米国議会が化学物質安全性法改定を承認し、動物実験を減らす対策をとるよう命令した。しかし動物福祉団体による新しい解析によると、EPAが要求あるいは必要とした動物実験の数は昨年劇的に増加した。2016年は7000頭以下の数十の試験だったのが300以上75000動物程度に。
原因は明確ではないが、新しい法律はより広範な化合物により厳しい要求をするためEPAがデータを集めようとしたのではないかという。企業も動物福祉団体もこの傾向には警戒していて、EPAに何故動物実験を要求するのか明確にするよう、そしてどうやって将来動物の数を減らすのか答えを求めている

Ditch cranberry juice for urine infections
8 May 2018
http://www.bbc.com/news/health-44047013
NICEの新しいガイドラインが、たくさんクランベリージュースを飲んでも尿路感染は治らないという。いくつかの研究で役にたつと主張するものの、勧めるのに十分な良い根拠はないとNICEが言う

NICE
New guidance will help combat drug resistant urinary tract infections, says NICE
08 May 2018
https://www.nice.org.uk/news/article/new-guidance-will-help-combat-drug-resistant-urinary-tract-infections-says-nice