食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • グローバルグリホサート研究予備的段階は「安全」量での有害健康影響を示す

Global Glyphosate Study Pilot Phase Shows Adverse Health Effects at ‘Safe’ Doses
The Ramazzini Institute / May 16, 2018
https://glyphosatestudy.org/press-release/global-glyphosate-study-pilot-phase-shows-adverse-health-effects-at-safe-doses/

(またRamazzini
グリホサートを含む除草剤(ラウンドアップ)をラットに1.75 mg/kg/day単回投与し各種パラメータに変化が見られた。Environmental Healthに5月後半に発表予定。
これはグリホサートの影響を調べるため、Ramazzini財団の協力者3万人からクラウドファンディングで30万ユーロ集めたもの。
飲料水で投与、便を集めてDNAを抽出して細菌DNA配列を調べた
いろいろ比較したらところどころ有意差がついたから有害!といういつものやりかた
ばらついてるだけに見える。)

  • 視点:グリホサートが我々のお腹の健康を傷害するという研究のどこが間違っているのか

Viewpoint: Here's what's wrong with study suggesting glyphosate damages our gut health
Marc Brazeau | Genetic Literacy Project May 17, 2018
https://geneticliteracyproject.org/2018/05/17/viewpoint-heres-whats-wrong-with-study-suggesting-glyphosate-hurts-our-gut-health/
Guardianがグリホサートが腸の健康に悪いことを示したと主張する科学者チームについて報道している。
「報告書の著者の一人である、イタリアRamazzini研究所のDaniele Mandrioliは、母親には一見影響がなさそうだがその子どもの腸内細菌に対してグリホサートが重大な壊滅的な可能性のある影響を示した、という。これは極めて驚くべきことでおこってはならなおい、とMandrioliは言う。微生物叢の撹乱は肥満や糖尿病、免疫の問題を含むたくさんの有害健康影響と関連することが知られている」
このほかにはその研究の中身についての報道は希薄あるいは存在しない。この記事はその代わりに文脈を外した誤解を招く、グリホサートに関連するとされる未知の健康への悪影響に関する事実ではないのに事実ととされている不正確な文章で構成されている。これはGuardianがグリホサートについて報道するときの標準で、実際にその論文が言っていないことまで何でも関連させる。その報告はすぐに見つかる。
実際のペーパーを読むと結果は劇的とはほど遠く、たくさんの問題がある。それについて解説しよう。その前にGardianが記述している注目すべき文章を引用する
:in vivo実験では実験動物に予期せぬ臨床症状や兆候はみられなかった。特に、母親の授乳期の行動に変化はなく子どもの活動や行動にも変化はなかった。
Ramazzini研究所は他のどの研究でも得られない、自分たちの予見に従った結果を出せることで評判が高い。さらに発表前に論文を宣伝する。これらは良い科学者の指標から外れている
(以下多数の指摘、略)

  • 議会はプレーンタバコ包装法を通し喫煙を規制する

Parliament passes plain tobacco packaging law, regulates vaping
May 16, 2018
http://www.cbc.ca/news/politics/ottawa-plain-packaging-vaping-law-1.4662112
タバコ法の大幅改訂。プレーン包装義務化や若い人への販売禁止、広告制限などを含む
カナダ

  • 医薬品規制機関はUWR(アッパーウエスト州、ガーナ)でのトラマドール濫用との戦いを宣告

Drug agencies declare war on Tramadol abuse in UWR
16th May, 2018
http://www.ghananewsagency.org/health/drug-agencies-declare-war-on-tramadol-abuse-in-uwr-132732
若者がこのオピオイド系鎮痛剤を認可されていない使用目的で広く濫用している

  • 何故AI研究者らは新しいNature雑誌をボイコットし他のものを避けているのか

Why are AI researchers boycotting a new Nature journal—and shunning others?
By Matthew HutsonMay. 17, 2018 ,
http://www.sciencemag.org/news/2018/05/why-are-ai-researchers-boycotting-new-nature-journal-and-shunning-others
Springer Natureが2019年1月から発行予定の新しい雑誌Nature Machine Intelligence (NMI)に論文を投稿したりレビューしたり編集したりしないということを、5月15日時点で大学のコンピューター科学者たち約3000人が宣言している。彼らはクローズアクセスだけではなく研究者がお金を支払うオープンアクセスモデルも否定し「ゼロコスト」オープンアクセスを呼びかけている。AIの分野は伝統的出版モデルでは追いつかないほど動きが速い
(natureは商業出版なので、学会誌のScienceとは性格が違う)

  • スイスが「3年以内」に農薬禁止を票決する予定

Switzerland to vote on pesticide ban 'in 3 years'
16 May 2018
http://www.bbc.com/news/science-environment-44130493
活動家が国民投票に必要な署名を集め、スイス市民は合成農薬の使用を完全禁止することに投票する機会を得る
禁止要求に10万人以上が署名した。もし投票で決まれば、スイスはブータンに次いで二番目の完全禁止国になる。公式申請は5月25日に首相に提示される
禁止を要求しているfuture3 という市民団体のAntoinette Gilsonは「どんな農薬も使わないことは農業を完全に変える引き金になるだろう」という。輸入品にも適用されるので近隣諸国にも影響するだろう。
農家や企業は、この提案は極端すぎるので一般的支持が得られないだろうという
(社会実験としておもしろそうだから例外なく徹底してやれば? )

European court backs neonicotinoid restrictions
05/17/18
https://www.agri-pulse.com/articles/10994-european-court-backs-neonicotinoid-restrictions
欧州一般裁判所が5月17日に、2013年のチアメトキサム・クロチアニジン・イミダクロプリドの使用を制限する予防的対策に法的支持を与える意見を発表した。この判断は先月欧州委員会が決めたより包括的な使用禁止決定に対する今後の裁判所の決定の予告だとみなされている
http://curia.europa.eu/juris/documents.jsf?num=T-429/13
この決定をバイエルとシンジェンタは批判し環境保護団体は称賛。
別の決定ではフィプロニルの制限は正当化できないと判断しているが、BASFは登録を更新しないと決めているので農家にはこの判断は影響しないだろう

  • 欧州は生態系回復のためにダムを解体している

Natureニュース
Europe is demolishing its dams to restore ecosystems
16 May 2018
https://www.nature.com/articles/d41586-018-05182-1
ほとんどの科学者は歓迎しているが一部の人たちは悪影響の可能性を研究するよう呼びかけている
ダムは川の自然のシステムを変える。生態系への影響はほとんど考えられずに建築されてきた。しかし古いダムが取り除かれる一方で新たに建築されるものもある。現在計画されている水力発電ダムが脅威である