食品安全情報blog過去記事

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意見等

  • 鶏肥育用飼料添加物としてのTaminizer D (ジメチルグリシンナトリウム塩)の安全性と有効性

Safety and efficacy of Taminizer D (dimethylglycine sodium salt) as a feed additive for chickens for fattening
17 May 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5268
この製品は肥育鶏に完全飼料1 kg当たり最大1,000 mg用いることがEUに認可されている。申請者は、追加の製造工程を導入することを提案した。それにより、この添加物には、最大0.09%の濃度で不純物(ジメチルアミノエタノール(DMAE))がもたらされる。EFSAの動物用飼料に使用される添加物および製剤あるいは物質に関するパネル(FEEDAPパネル)は、提案された改訂が、この製品の環境に対する安全性と有効性に関する以前の評価に、実質的に影響を与ることはえないと判断した。DMAEの毒性プロフィール、および対象動物と消費者における推定摂取量を考慮し、さらに毒性学的懸念の閾値(TTC)による手法を用いて、FEEDAPパネルは、DMAEが残留する経路で製造されたTaminizer Dは、飼料1 kg当たり最大1,000 mgまで、肥育鶏と消費者双方において安全だと結論した。FEEDAPパネルは、元の手法で製造されたTaminizer Dについての結論をDMAEが関わる新しい方法で製造したTaminizer Dにも及ぶよう拡大する。FEEDAPパネルは、この添加物におけるDMAE含量についての規格を設定するよう助言した。

  • 全ての動物種用官能的添加物として使用する際のクミンチンキ(Cuminum cyminum L.)の安全性と有効性

Safety and efficacy of cumin tincture (Cuminum cyminum L.) when used as a sensory additive for all animal species
EFSA Journal 2018;16(5):5273 [9 pp.]. 17 May 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5273
欧州委員会の要請を受けて、EFSAの動物用飼料に使用される添加物および製剤あるいは物質に関するパネル(FEEDAPパネル)は、全動物種向け官能的飼料添加物として使用される際のクミンチンキ(Cuminum cyminum L.)の安全性と有効性に関する科学的意見を出すよう求められた。この製剤は、4‐イソプロピルベンズアルデヒド(クミンアルデヒド)の■■■(黒塗り:特許事項?)■■を含む水エタノール(3:1, v/v)溶液である。FEEDAPパネルは、このクミンチンキ添加物は全ての動物種において最大提案使用量(完全飼料あるいは飲料水1 kg当たり30 μL)で安全であると結論付けた。飼料に最大安全量までクミンチンキを使用しても、消費者に安全上の懸念は生じない。使用者における添加物の安全性に関する具体的なデータは、申請者から提出されていない。データ不足のため、この添加物の皮膚や眼への刺激性あるいは皮膚感作性については結論を導出できなかった。最大提案量でのクミンチンキの使用は、環境にリスクを生じるとは考えられない。この添加物の主成分は食品で香料の役割を果たすことが認識されており、飼料においても機能は本質的に同じなので、有効性の論証は必要ないと考えられる。

  • 規則(EU) 2015/2283に基づく新規食品としてのエビのペプチド濃縮物の安全性

Safety of shrimp peptide concentrate as a novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283
EFSA Journal 2018;16(5):5267 [17 pp.]. 16 May 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5267
欧州委員会の要請を受けて、EFSAの食品・栄養・アレルギーに関するパネル(NDAパネル)は、新規食品(NF)としてエビのペプチド濃縮物に関する意見を出すよう求められた。このNFは、アマエビ(ホッコクアカエビ)の殻と頭から、酵素タンパク質分解によって得られるペプチド混合物である。このNFの組成、規格、ロットごとのばらつき、安定性、生産工程について提出された情報は十分で、安全上の懸念を生じない。申請者の目的は、このNFをフードサプリメントの成分として使用することと、最大摂取提案量1,200 mg/日 (70 kgの人で17 mg/kg体重/日に相当)で成人消費者向けに販売することである。遺伝毒性に関する懸念はない。入手可能なヒトのデータからは安全上の懸念を生じない。90日間反復経口投与毒性試験からは、2,000 mg/kg体重/日という無毒性量(NOAEL)が得られていること、最大摂取提案量およびこのNFの性質wp考慮して、パネルは、暴露マージン(117)は十分であると結論付けた。パネルは、このNF、エビペプチド濃縮物は、提案された最大量1,200 mg/日でフードサプリメントとして使用しても安全であると結論付けた。対象集団は成人である。未発表の90日間反復経口投与毒性試験と未発表のヒトの2試験の報告書からのデータがなければ、このNFの安全性についての結論を導出できなかったとパネルは考えている。

  • 子豚および育成マイナー豚種用飼料添加物としてのAmylofeed® (エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼとエンド-1,4-β-キシラナーゼとα-アミラーゼ)の安全性と有効性

Safety and efficacy of Amylofeed® (endo‐1,3(4)-β-glucanase and endo-1,4-β-xylanase and α-amylase) as a feed additive for piglets and minor growing porcine species
EFSA Journal 2018;16(5):5271 [7 pp.]. 16 May 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5271
Amylofeed®は以前に評価されており、対象動物種、消費者、環境への安全性は確立されているが、推奨量酵素活性での有効性が確立できていなかった。申請者は飼料1 kg当たり500 mgという推奨添加量を維持しつつ、この添加物の規格を改訂することを提案した。パネルは、申請者が提案した規格改訂によって、消費者、使用者、環境の安全面に影響は生じないと判断し、以前に導出された結論をここにも適用した。さらに、以前に評価された耐容試験は、ここでも対象動物種の安全性を支持するものとなっている判断された。新しい規格に基づく添加物をによると、この製品の有効性の裏付けとなった有効性試験で認められた値よりも高い酵素活性が得られると考えられる。そのため、この添加物は、新たに提案された酵素活性量では有効性を示す可能性がある。

  • アセタミプリドに関し懸念が持たれている特定の既存MRLsを対象とした評価、および生食用オリーブ、オイル生産用オリーブ、大麦、オーツ麦における既存MRLs改訂

Focussed assessment of certain existing MRLs of concern for acetamiprid and modification of the existing MRLs for table olives, olives for oil production, barley and oats
EFSA Journal 2018;16(5):5262 [39 pp.]. 16 May 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5262
2017年10月に加盟国が承認した新しい毒性参照値に基づくと、アセタミプリドの既存の最大残留基準(MRLs)では消費者の摂取に懸念が生じるため、EFSAは合理的な意見を求められたた。懸念となりうるMRLsを特定するには、より詳細な評価が求められる。そのためEFSAは、予備リスク評価を実施した結果、12種類の農産物について消費者にリスクを生じることが確認された。消費者暴露の低減策がEFSAによって評価されており、それらはリスク管理者よって検討される必要がある。一方、ADAMA Makhteshim Ltd社は、生食用オリーブ、オイル製造用オリーブ、大麦、オーツ麦の既存MRLを改訂するための申請を2件提出した。申請の根拠として提出されたデータは、評価対象のそれぞれの作物におけるMRL案を導出するのに十分であった。リスク評価結果に基づき、EFSAは、所定の農法に基づいて生食用オリーブ、オイル製造用オリーブ、大麦、オーツ麦にアセタミプリドを使用することによって生じる残留物の短期および長期摂取が、消費者の健康へのリスクを示す可能性は、低いと結論付けた。