食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 欧州肥満学会で発表されたミルクと乳製品摂取と子どもの肥満についての学会要旨(未発表)への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to conference abstract (unpublished work) on milk and dairy consumption and childhood obesity, presented at the European Congress on Obesity
May 25, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-conference-abstract-unpublished-work-on-milk-and-dairy-consumption-and-childhood-obesity-presented-at-the-european-congress-on-obesity/
King’s College London栄養科学講師Nicola Guess博士
詳細がないので方法について判断できない。RCTと観察データを検討したように見える。
このデータは乳製品が子どもの体重増加や肥満に関連しないというますます増える文献を支持する。かつてはチーズなどの乳製品の脂肪が体重や心血管系疾患に寄与すると考えられていたがより新しい、よりしっかりした研究では中立であることが示唆されている。さらに乳製品は重要な栄養源である。特に子どものカルシウム摂取にとっては。
King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授
学会ポスターなのでデータが限られ、ピアレビューもされていない。これがどれだけしっかりした研究なのか判断できない。しかし他の根拠からミルクやヨーグルトが子どもの肥満に関連しないことを知っている。フルファットチーズについてはそれほど確実ではないが、それでも適度(1日28gまで)なら肥満とは関連しないだろう。しかしクリームとバターにはあてはまらない。一般的に低脂肪乳やヨーグルトやチーズは子どもに薦められる食品である。砂糖の多いフレーバーミルクについては議論がある。米国では学校でフレーバーミルクを禁止したらミルクの摂取量に悪影響があった。この学会発表は既にわかっていることと一致しているようだ。

  • 欧州肥満学会で発表された「肥満パラドクス」についての学会ポスター(未発表)への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to four conference posters (unpublished work) on the ‘obesity paradox’, presented at the European Congress on Obesity
May 25, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-four-conference-posters-unpublished-work-on-the-obesity-paradox-presented-at-the-european-congress-on-obesity/
Bristol大学MRC統合疫学ユニット上級協力研究員David Carslake博士
特定の患者群ではBMIが高いことと生存率が関連することについてのしっかりした根拠を示した興味深い研究である。ただしそのような関連はBMIが高いことが生存率の高さの「原因」では必ずしもないことを忘れずに。これを根拠にBMIについての助言を変更することは賢明ではないだろう

SMC NZ
Chief scientist reports on meth-contaminated houses – In the News
May 29th, 2018.
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2018/05/29/chief-scientist-reports-on-meth-contaminated-houses-in-the-news/
首相の主任科学アドバイザーPeter Gluckman卿が新しい報告書でメス汚染住居に関する恐怖の嘘を暴き、製造業者が疑っていない家の検査レベルを上げることを勧めた
この報告書は住居と都市開発大臣Phil Twyfordの委託したもので家の表面にある残留メタンフェタミンについて健康リスクや、健康リスクに基づいた検査や修復に関する助言、メタンフェタミンが製造されたところと吸入されたところとの違いについて検討している。
重要な知見は、メスを作った場合には一連の有害化合物が関係し、そのため検査と洗浄が勧められている。メタンフェタミンが残留していることは、洗浄が不十分であることの指標であり、メタンフェタミンそのもののリスクが問題なわけではない。
メタンフェタミンを合成していたという疑いがない場合には予防的アプローチにより高頻度吸入由来の汚染を同定するための検査のレベルを上げることを推奨している。
Peter卿は記者会見で「家に関しては、メスよりカビの方がはるかに危険である」という。
「多くの人々が明確な科学的情報無しに、痕跡程度でもメタンフェタミンの存在を健康リスクになると想定している。メタンフェタミンの受動使用での有害影響の医学的根拠はない」

  • Marc Brazeauによる4部作

農業に関する意見がますます両極端に分かれて政治的なものになって行く中で不幸なことがおこる。有機農業推進団体による農薬の恐怖を煽る戦略と消費者の有機農業は全く農薬を使っていないという誤解に対抗しようとして、一部の人たちが有機農業の方がより危険な農薬をより多く使っていると主張している。それは違う。どうしてそうなったのかを追求した長い記事
特に大規模有機農業&慣行農業の現場に行って報告しているところは力作。有機農業にとって雑草が一番厄介で環境負荷が高い
○農業は慣行農業より実際には農薬を多く使う?近くすらない
Do organic farmers really use more pesticides than conventional farmers? Not even close
May 21, 2018
https://geneticliteracyproject.org/2018/05/21/do-organic-farmers-really-use-more-pesticides-than-conventional-farmers-not-even-close/

有機農業は慣行農業より農薬を多く使うという神話につながる4つのこと
4 things that led to the myth that organic farmers use more pesticides than conventional farmers
May 22, 2018
https://geneticliteracyproject.org/2018/05/22/4-things-myth-that-organic-farmers-use-more-pesticides-than-conventional-farmers/

有機果樹園、ブドウ園、生鮮農産物の畑での農薬使用シーンの背景
A behind the scenes look at pesticide use in organic orchards, vineyards and fresh produce
May 23
https://geneticliteracyproject.org/2018/05/23/a-behind-the-scenes-look-at-pesticide-use-in-organic-orchards-vineyards-and-fresh-produce/

○神話否定が間違った方向に:どこから「危険な」オーガニック農薬神話が始まったか
Mythbusting gone wrong: How the 'dangerous' organic pesticide myth began
May 24,
https://geneticliteracyproject.org/2018/05/24/mythbusting-gone-wrong-how-dangerous-organic-pesticide-myth-began/

  • あなたは食の冒険家?死ぬ可能性のある料理7つ

Are you an adventurous eater? Here are 7 dishes that can kill you
By Jelisa Castrodale |
https://eatsiptrip.10best.com/2018/05/28/are-you-an-adventurous-eater-here-are-7-dishes-that-can-kill-you/
・sannakji(韓国の生きたタコを食べる料理。毎年数人が窒息死)
・フグ(日本)
・アキー(ジャマイカ。完全に熟さないと毒)
・Casu Marzu(イタリアのウジ虫チーズ。ウジ虫は生きたまま食べるので消化中に死なないと危険)
・Koi Pla(タイの生魚のたたき。寄生虫による胆管がん)
・Fesikh(エジプトの乾燥塩漬け魚。ボツリヌス中毒)
・ホットドッグ 何故、と思った人は小さい子どもがいないのだろう、三才以下の食品による窒息原因ナンバーワン

Fentanyl Bust In Nebraska Seizes 118 Pounds Of Opioid Drug Enough To Kill 26 Million People
27 May 2018,
http://www.techtimes.com/articles/228700/20180527/fentanyl-bust-in-nebraska-seizes-118-pounds-of-opioids-enough-to-kill-26-million-people.htm
ネブラスカ州で過去最大のフェンタニル押収
定期の交通検問で疑わしいセミトラックを発見、調べたところ違法薬物が隠されていた。最初コカインだと思ったが検査の結果フェンタニルだった。危険性を考慮してすぐには調べず慎重に分析に依頼した。

  • 「ゴキブリミルク」が最新流行のスーパーフード

'Cockroach milk' is latest superfood trend
Monday, May 28, 2018
http://abc11.com/food/cockroach-milk-is-latest-superfood-trend-/3530209/
アーモンドミルクや豆乳をゴキブリミルクに代える準備はできている?
専門家によるとゴキブリが作る希なミルク結晶がヒトの健康に良く、この知見がスーパーフード熱狂者から注目されている。ただしその結晶をもつゴキブリはあなたの家にはいないだろう、Pacific Beetleゴキブリしか作らないので

  • ウェルネスワールドの新しいお気に入りドリンクはCBDコーヒー

CBD Coffee Is the Wellness World's New Favorite Drink
By Melissa Malamut May 28, 2018
https://www.bonappetit.com/story/cbd-coffee
でも全てのCBDが同じではなく合法かどうかも違う
ニューヨークのBushwickにあるコーヒーショップ、Caffeine Undergroundではラテやエスプレッソや多様なミルク(オート麦、アーモンド、マカダミア)とたくさんの「健康」オプション(カバティー、防弾スタイルコーヒー、活性炭入り)があるがユニークなのはCBDコーヒーである。

  • ホメオパシー」エボラ治療薬としてMP3ファイルを売っている医者が激しく批判される

A Doctor Is Being Slammed For Selling MP3 Files as a 'Homeopathic' Cure For Ebola
PETER DOCKRILL 28 MAY 2018
https://www.sciencealert.com/california-doctor-slammed-for-selling-mp3-files-as-cure-for-ebola-homeopathy-md-hand-sound
それからブタインフルエンザ、SARSコレラ等々。
進歩した特許申請中のホメオパシー技術を使ったeRemedy(電子レメディ)というものをMD In Your Handというウェブサイトで売っている、スタンフォードで訓練を受けたWilliam Edwin Gray III医師。カリフォルニアでホメオパシーを行っていてこれらeRemedyは5ドル。カリフォルニア医事当局が訴えたことで注目されている

Would Rachel Carson eat organic?
May 24, 2018
Robert Paarlberg Adjunct Professor of Public Policy, Harvard University
https://theconversation.com/would-rachel-carson-eat-organic-94967
レイチェル・カーソンは1907年5月27日生まれで、1962年の本「沈黙の春」で近代的環境運動を生んだが、自分のことはあまり話さない人だった。しかし一度取材者が「あなたは何を食べますか?」と聞いたとき彼女の皮肉たっぷりの答えは「みんなと同じ塩素化炭化水素類」と答えた。これはDDTのような化合物群を指している。カーソンは「沈黙の春」の出版の18か月後にがんで死亡しているが、このベストセラーの影響力は長く続いている。議会は1970年にEPAを作り、EPAは2年後にDDTの農業使用を禁止した。
多くのオーガニック団体や企業が「沈黙の春」は現代の有機農業運動も始めたと主張するが実際には違う。有機農業運動は1924年神秘主義哲学者Rudolf Steiner.に主導されてオーストリアで始まっている。有機農業では合成化合物を一才使わないがカーソンはそれは不必要に厳しいと知っていた。カーソンが好んだのは農薬の節度ある使用であって完全な排除ではない。そして合成肥料の賢明な使用に反対していない−有機農業では禁止されているが。
沈黙の春」がセンセーショナルなベストセラーになったとき、有機農業提唱者達は最初はどう反応しようか悩んだ。当時のアメリカの有機農業運動の主導者J. I. Rodaleはカーソンに嫉妬した、なぜなら20年も前に同じようなことを言っていたのに注目されなかったから。彼はまたカーソンに対して殺虫剤と同じように化学肥料もとりあげないことを叱責もしている。Rodaleの息子Robertも父親の見解を共有し、カーソンが有機農業の厳格な決まりを全て取り入れていないと思ったが、彼女を支持者にしたいという誘惑には勝てず、彼女の本を有機農業の視点からの最高傑作と呼んだ。
しかしカーソンは意図的に有機農業コミュニティーからは距離をとった。有機農業団体のためにスピーチをするのは断り、J. I. Rodaleが一緒の場で話すことを知ったときにはキャンセルさえしている。カーソンは科学的訓練を受けていないRodaleを「エキセントリック」だと考えていた。実際Rodaleはそうだった。ポリオのワクチンを疑って食事で治そうとし、人工的に軟水化した水を飲むとがんになると主張していた
(以下米国の有機農業の統計等含む長い記事。最終的には有機農業の拡大は環境に有害であろうと結論)