食品安全情報blog過去記事

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査察報告

2017-6266 - Fishery products derived from tuna species - Papua New Guinea
28/05/2018
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=3967
この査察は、2017年11月13日から23日まで、EU向けマグロ類由来の水産物製品の製造状態に対する公的管理の評価を目的として実施された。マグロ業界の全体像を把握するための一連の査察の6回目であり、特にヒスタミンや重金属の上限がEUの公衆衛生要件を満たしているかどうかが判断された。捕獲したマグロ類の陸揚げや加工の拠点として地理的に確認された場所も査察の対象とされた。
公的管理体制は、EUの輸出衛生証明を得ることを目的に設けられた法規制に沿った適切な手順に基づいており、全体として、生産チェーンに沿って適切に実施されている。しかし、この法規制は、適用されるEU規則の全てをカバーしているわけではない。
冷凍船におけるHACCP原則の適用、および非EU国からの特定の原料のEUへの輸入適合性に関し、欠点が見受けられた。また、丸ごとの魚の輸出証明は信頼性に問題があった。
この報告書には、確認された欠点の是正と管理体制強化のための助言が付されている。

2018-6499 - Genetically modified organisms (GMOSs) - Slovakia
22/05/2018
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=3966
この査察は、2018年1月15日から19日まで、遺伝子組換え生物(GMOs)を含む、GMOsから成る、ないしはGMOsから生産される食品、飼料、および種子の公的管理体制を評価する目的で実施された。
スロバキアは、GMOsに関し、秩序のある有効な公的管理体制を有していると結論付けられる。リソースは、GMOsの慎重な放出や栽培などのGMOsの管理のために必要なあらゆる分野に割り振られている。管理の優先順位もリスクに基づいて適切に設定されている。検査や検体採取は、熟練し技術的に優れた担当者により適切な方法で実施されている。
検査施設は国際的基準に沿ってGMO分析ができる適切な能力を有し、そうした分析法を行う適格性の公認を受けている。

  • スペイン―マグロ類由来の水産物製品

2017-6301 - Fishery products derived from tuna species - Spain
29/05/2018
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=3971
この査察は、2017年10月16日から23日まで、スペインのマグロ部門における公的管理の評価、および最近発せられたRASFF通知に対するスペイン当局の対応の評価、および最近の欧州議会/スペイン当局合同ミッションで得られた知見の検証を目的として実施された。
スペインは、合同ミッションで確認された原料の適格性、変色およびそれに関連した添加物の使用に関する問題点に対し、特定の対応策を取っていると結論付けられる。
しかしこれらの対策は全ての関係自治体で実施されていたわけではなく、特に認可添加物の適量使用に関する対策が実施されていなかった。
マイナス18°C以下に凍結されたマグロ製品だけが原料として使われていることを保証する対策は、大部分が生産者の自己認証に基づいている。そのため、当局の強制力が損なわれている。しかも、輸入原料に関しては、現行のEU衛生証明の仕組みでは、そのような当局が輸入原料の適格性に関する基準を確定したり強制したりすることは許されていない。
対策が採択されたのは2017年の7月の終わりから9月の終わりまでの間であることを考慮すると、生産物がEUの要件を満たしていること示すのに必要な証明は徐々に提示されるようになるため、査察団がそれらの対策の全体的な有効性を判定するのは時期尚早である。
この報告書には、確認された欠点の是正と管理体制強化のための助言が付されている。

2018-6479 - Import controls for plant health - Estonia
30/05/2018
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=3968
この査察は、2018年1月22日から26日まで、植物検疫のための輸入管理体制、特に輸入管理を担当する公的組織の能力、および輸入検査の適切性と有効性を評価するために実施された。
エストニアでは、全体としてEUの要件に沿った形で植物検疫のための輸入管理体制が確立されている。リスクの高い木製梱包材を含め、規制対象の全ての植物および植物製品が検査されている。
管理担当者への教育や指示は好適に実施されており、農業委員会と税関の協働も良好である。郵送や乗客の持ち込み等により到着した、申告が必要な規制対象の植物及び植物製品の輸入物は、体系的に検査されている。
いくつか認められた欠点の中で特に不安な点は、輸入検査の際に検出された規制対象外の有害生物に対処するための、あるいは規制対象外の物品の検査を遂行するための法的基盤を欠いていることである。また、EUの要件に適合しない場所で検査が行われる例も見受けられた。
この報告書には、確認された欠点の是正と管理方法の実施強化のための助言が付されている。

2017-6140 - Import controls for plant health - Austria
30/05/2018
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=3969
この査察は、2017年11月20日から24日まで、植物検疫のための輸入管理体制、特に輸入管理を担当する公的組織の能力、および輸入検査の適切性と有効性を評価するために実施された。
エストニアでは、全体としてEUの要件に沿った形で植物検疫のための輸入管理体制が確立されている。リスクの高い木製梱包材および規制対象外の植物製品を含め、規制対象の全ての植物および植物製品が検査されている。
管理担当者への教育や指示は好適に実施されており、リスクに基づいた検査対象の選定と、高リスク木製梱包材に対する集中した検査が行われ、特に乗客の荷物についての管理において税関との協働が図られ、高いレベルの科学的支援も受けている。 このように多くの良い面が認められたが、農産物の検疫に供されるサンプルの大きさに関する基準に欠点がみられ、検疫検査の有効性を低減させている可能性がある。
この報告書には、確認された欠点の是正と管理施策の実施強化のための助言が付されている。

2017-6082 - Organic production standards and control measures applied by a recognised Control Body operating in Sri Lanka
30/05/2018
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=3970
この査察は、2017年5月11日から24日まで、スリランカの公認管理機関(CB)が採用している有機生産基準と管理方法の運用状況を評価するために、CB本部で机上調査により実施された。欧州委員会農業・農村開発総局からCBの監督官庁への情報提供も行われた。
管理体制の構成要素はこのCBによって整えられているが、数多くの大きな問題が浮き彫りになっており、CBが拠り所とした手法の全体的な完成度に疑いを生じさせている。
多くの著しい欠陥があり、管理体制の信頼性を損ねている。リスク評価の手法が不十分で、過半数の事業者がリスクの比較評価を経ずに、デフォルトで高リスクに分類されている。有機有機並行生産によるリスクや以前に基準が順守されていなかったことによるリスクについては、検討が行われていない。行われていた検査も表面的であった。試験所の分析能力は低く、検体採取手順にも不具合があった。CBは、有機農法情報システム(OFIS)に認められた数多くの著しい不具合に対し、有効な追跡調査を開始できずにいおり、強制手段はほどんど存在しない状態となっている。したがって、CBが採用している管理方法は、EUで採用される方法と同等の有効性を有しているとはみなされない。
この報告書には、確認された欠点の是正と管理施策の実施強化のための助言が付されている。

  • イタリア―飼料分野

2017-6048 - Feed sector - Italy
23/10/2017
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=3886
2017年5月29日から6月6日までイタリアで実施された事実確認調査。
動物の栄養に関するイタリアの国家的管理計画は、包括的でリスクに基づいており、その実行は飼料事業者の登録・認可を行く確実なシステム、飼料検査やサンプリングを行う担当者の教育システム、実践ガイダンスと検査プロトコルの整備、および飼料事業者のリスク分類を行う非常に有用なメカニズムにより支えられている。
ただし、訪問した飼料事業者のいくつかではHACCP計画に欠陥が認められ、この面における検査官のスキルと意識の向上が求められる。また、中央組織で開発されたリスク分類メカニズムは地方の管轄機関等では活用されておらず、問題のある飼料事業者の真のリスクプロファイルを捉えることができていない。さらに、サンプリングを受ける義務に関する規則の適用において問題点が確認され、得られた結果の信頼性を損ねる可能性がある。
このように改善の余地は認められたものの、全体的にはイタリアのシステムは、リスクに基づく原則を公的な飼料管理に適用した好例であると結論付けられる。

  • 管理団体―ボリビアの公認管理団体が採用している有機生産基準と管理方法

2017-6083 - Organic production standards and control measures applied by a recognised Control Body operating in Bolivia - Control Body XC
27/10/2017
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=3890
2017年5月9〜18日に実施。全体として、当該公認管理団体には、認定された全ての事業者をカバーする管理システムが文書化により整備されている。管理団体が認定する全ての経営者は、年一回の審査に加え、追加訪問や抜き打ち訪問を受けることが義務付けられている。最低必要とされる数よりも多くのサンプルが採取されている。
だが、検査を受ける事業者の選択は適切なリスク評価に基づいておらず、管理システムの有効性を低減している。また、有機生産の基準違反を適切に検出することが保証されていない。検査官の離職率が高く、教育不十分の検査官に頼らざるを得ず、有効な管理には能力不足であることが認められた。生産者グループが内部的に有機生産基準の非順守を確認できているかどうかも評価できていない。措置の強制も、特に生産者グループに対しては弱い。
現在の市場状況および生産者の地理的立地により、未承認の農場の作物が使用されたり主生産物であるキノアの非有機品と有機品とが取り替えられたりするリスクは低くなっている。
この報告書には、確認された欠点の是正と管理方法の実施強化のための助言が付されている。