食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 英国は野心的大気汚染計画を発表

Scienceニュース
United Kingdom unveils ambitious air pollution plan
By Matt Warren May. 29, 2018
http://www.sciencemag.org/news/2018/05/united-kingdom-unveils-ambitious-air-pollution-plan
英国は汚染された空気を綺麗にすることで世界のリーダーになりたい−しかしこの島国はその野心的な目標のいくつかは自分でも達成できないだろう。先週発表された戦略で特に困難なのは農場と堆肥の山からのアンモニアの排出である。
(まず家庭のストーブと暖炉、次いで農業が大気汚染の原因であると明確にしたことは重要)

  • ミシガンナチュロパス法案は危険なインチキ医療を合法化するだろう、と科学提唱団体が言う

Center for Inquiry (CFI)
Michigan Naturopath Bill Would Legitimize Dangerous Quack Medicine, Say Science Advocates
May 24, 2018
http://www.centerforinquiry.net/newsroom/naturopath_bill_mich/
ミシガン州の上院を通過したSenate Bill 826はナチュロパスに州の免許を与え、医学的訓練を受けていないにもかかわらず患者の病気や傷害を治療できるようにする

  • 慢性ライム病の議論は臆病者にはむかない

The chronic Lyme disease debate is not for the faint-hearted
May 29, 2018
http://montrealgazette.com/news/local-news/west-island-gazette/the-chronic-lyme-disease-debate-is-not-for-the-faint-hearted
5月はライム病啓発月間。医師がこの病気の治療の課題について語る
ライム病治療専門医のインタビューに基づく記事
二週間前に慢性ライム病と診断された若者の話がニュースになった。慢性ライム病は主流医学では認められていないが、慢性ライム病に反対するような話をする医師らは嫌がらせや脅迫を受ける。このため医師は匿名である。国際ガイドラインに従わない医師達が「グーグル大学」で何を言っているのかわからない話を聞く。ライム病には感染が治療された後に生じる症状が出る場合がある。これは認められている病態で治療や回復が可能である。しかしこの時期には感染はない。
慢性ライム病を支持する医師達は、ダニに刺されたこともない、疲労などの曖昧な症状の患者を慢性ライム病と診断し2年にもわたって抗生物質の静脈注射をする。患者は実際にはもっていない病気を患っていると信じ込まされる

  • 英国人男性が、ダークウェブビジネスが暴露されて世界中に恐ろしいフェンタニルを送ったことを認める

British men admit posting deadly fentanyl around the world after dark web business exposed
Tuesday 29 May 2018
https://www.independent.co.uk/news/uk/crime/fentanyl-uk-deaths-dark-web-business-men-jailed-leeds-alphabay-a8374781.html
3人のうち1人は薬物暴露で昏睡状態になったが回復してまた続けた
“UKBargins”ページを運営してフェンタニルやカルフェンタニルすら売った。2016年12月からの5か月で165000ポンド稼いだ。送り先は英国、米国、ドイツ、ノルウェー、カナダ、オーストラリア、アルゼンチン、フランス、シンガポール、オランダ、スペイン。443人に2853アイテム販売しそのうち172人が英国人。客のうち6人はフェンタニル関連で死亡していることがわかっている。

  • 食べ過ぎると害のほうが大きい5つの健康食品

5 health foods that can do more harm than good if you eat too much of them
May 31 2018
https://www.afr.com/lifestyle/food-and-wine/5-health-foods-that-can-do-more-harm-than-good-if-you-eat-too-much-of-them-20180530-h10ru4
1.玄米 ヒ素
2.ブラジルナッツ セレン
3.ビンナガマグロ メチル水銀
4.シナモン クマリン
5.コーヒー カフェイン
ワシントンポスト。玄米のヒ素が真っ先に出てくる)

  • コークは「減糖」を約束−少ないと言ってもまだ多すぎる

Coke has promised ‘less sugar’ — but less is still too much
May 30, 2018  Rosemary Stanton
https://theconversation.com/coke-has-promised-less-sugar-but-less-is-still-too-much-97080
これまで米国では28の郡と7つの大都市が砂糖入り飲料税を導入する方向に動いた。英国が砂糖入り飲料への課税を法制化したとき、一部の製造業者は法の発効前に砂糖を減らした。英国企業の動きにあわせてオーストラリアのコカコーラは「2015年から22の飲料の砂糖を減らした」。そして全ての新製品は減糖あるいは無糖にし、2020年までには全体で10%削減を目指すという。しかしそれでもWHOの推奨する一日最大量の37-78%になる。サイズを小さくするのも役にたつだろう
人工甘味料については利益があるのかないのかについての議論が続いている。真の問題は甘い飲み物を好み続けることだろう。また虫歯は砂糖が無くなっても酸性なら無くならない。解決法は水又はミルク以外は飲まないことである。
砂糖入り製品の販売者は人々の砂糖批判を無視できない。低糖への動きは批判を弱める試みだろう
コカコーラの宣伝「ほどほどの砂糖は問題ない、摂りすぎは誰にとっても良くない」
ほどほどとはどのくらいだろうか?
1979年にオーストラリアが「精製糖の摂取量を減らす」ことを食事ガイドラインの一つの目標に掲げた。2年後には「砂糖の食べ過ぎは避けるように」という助言がガイドラインに含まれた。砂糖の販売は低下し、砂糖業界は砂糖は「人生の自然な一部」という7年にわたるキャンペーンを行った。砂糖業界は砂糖ガイドラインを取り下げるようキャンペーンをしたが「添加された糖を含む食品はほどほどに」と文言が変わり砂糖の販売は安定した。
2013年のガイドラインのためのレビューでは全ての添加された糖は制限すべきと根拠は強化された。特に砂糖入り飲料、フルーツドリンク、ビタミンウォーター、エネルギードリンク、スポーツドリンクは。お菓子やケーキも多くのオーストラリア人にとって食生活には入る余地がない。「ほどほどに」は企業にとっては心地よいかもしれないがあまりにも曖昧だ。「少ない」もまたあまりにも曖昧である。過体重でなくても歯に悪い。解決法は飲まないことのみである。
(厳しすぎると思うんだけど、そう言うと「企業の手先」と非難される雰囲気。あんこやずんだは許されないだろうし、角煮もすき焼きもダメって言われそう)

  • 欧州肥満学会で発表された肥満の低エネルギー総食事置換治療法についての学会要旨(未発表)への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to conference abstract (unpublished work) on the low energy total diet replacement treatment for obesity, presented at the European Congress on Obesity
May 29, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-conference-abstract-unpublished-work-on-the-low-energy-total-diet-replacement-treatment-for-obesity-presented-at-the-european-congress-on-obesity/
この研究の著者からのコメント
Oxford大学食事と集団の健康教授Susan Jebb教授
この要約は我々の最近の試験の主要データを報告したものでフルペーパーではない。「総食事置換プログラム(TDR)」は単なる食事法ではなく、食事と行動サポートを組み合わせたものである。この結果をサポートなしのカロリー制限食だけの場合に当てはめるべきではない。この種のプログラムを提供できるところは少ない
(実験内容の説明略)
三者からのコメント
King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授
この参加者はBMI 37と非常に太っていて、そのような人たちにとってはOKかもしれないが平均的な過体重(BMI 25-29.9)の人には一般化できない。私の意見では超低カロリー食事置換はBMI35以上の人に有用だろうと思う。
Imperial College London糖尿病内分泌学代謝学部研究フェローSimon Cork博士
この試験ではTDRが減量に優れているが、これまでの研究では長期減量につながらないことが示されている。ほとんどの人でそのような制限食の後に体重が増えている。長期的にどのくらいの人がこの食事法に従えるかどうかは興味深い。全国的に使用を薦める前に、より長期の試験が必要であろう。