食品安全情報blog過去記事

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異性化糖とショ糖(家庭用砂糖)は、健康を損なう可能性に関し、同等に評価することができる

Isoglucose and sucrose (household sugar) can be assessed similarly in terms of the potential to damage health
BfR Communication No 019/2018 of 8 June 2018
http://www.bfr.bund.de/cm/349/isoglucose-and-sucrose-household-sugar-can-be-assessed-similarly-in-terms-of-the-potential-to-damage-health.pdf
イソグルコース類(異性化糖類)は、高果糖液糖類(HFCS)としても知られ、食品業界では清涼飲料、クリーム、ケーキ、菓子、ヨーグルトなどの加工食品に甘味をつける物質として使われている。BfRは、様々な団体から、遊離単糖である果糖の含有率が高いこれらの甘味料が、ショ糖(家庭用砂糖、テンサイ糖、カンショ糖)などの他の甘味料と比べ、特定の健康リスクを生じるかどうかについて質問を受けてきた。
イソグルコース類は、単糖のブドウ糖や果糖を結合していない形で様々な量で含んでいる。これら2種類の糖は単糖として存在しているのである。一方、ショ糖もブドウ糖と果糖を含んでいるが、こちらの場合は正確に1対1で結合した二糖として存在している。現在良く使用されているイソグルコース中には、ブドウ糖と果糖が大体等量存在している。イソグルコース中の果糖の量は、ショ糖と比べて差はそれほど無い。それを考えると、栄養の観点からはイソグルコース類とショ糖の間には全く差は無いか、あるいは有意な差は無く、健康への影響評価は同等のものになると予測することができる。ただし、この予測の前提として、添加糖の摂取量が全体的に有意に増加しないことが条件となる。もし加工食品に添加されているイソグルコースが高い割合で果糖を含んでいる場合には、多量の果糖を摂取することにより代謝への有害影響が生じ得ることに留意しなくてはならない。具体的に言うと、脂質代謝障害、脂肪肝、肥満、2型糖尿病のようなメタボリック症候群の要因になり得るのである。また、果糖不耐症があることも知られている。
食品に添加される糖(果糖を含む)は、常に過剰に摂取していると健康に害があることは科学的に証明されているとみなされており、低減した方が良い。添加糖の一日摂取量は、食品や飲料から摂取する総一日摂取量の10%を超えないようにするべきである。添加糖の摂取はできるだけ少なくした方が良い。一日当たり約2,000キロカロリーのエネルギーを必要とする成人では、食品や飲料から摂取する添加糖を、一日当たりティースプーン6〜12杯を超えないようにすべきである。