食品安全情報blog過去記事

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練り歯磨きで2型糖尿病になることはないだろう

Your toothpaste probably won't give you type 2 diabetes
Friday June 22 2018
https://www.nhs.uk/news/diabetes/your-toothpaste-probably-wont-give-you-type-2-diabetes/
「練り歯磨きで2型糖尿病になることはないのか?」と、Mail Onlineは一風変わった質問を投げかけている。
この問いは、8名の2型糖尿病患者と3名の糖尿病でない人から膵臓試料を取り、その中の二酸化チタン結晶の存在を調べた小規模な実験室的試験を受けて出されたものである。
二酸化チタンは、練り歯磨き、塗料およびプラスチック製品といった多くの家庭用製品に使用されている、際立った白色の化合物である。食品の着色料として使われることもある(EUではE171とラベル表示されている)。
この試験では、非糖尿病患者の試料からは二酸化チタン結晶は検出されなかったが、糖尿病患者の試料からは、ばらつきはあったが、決勝が検出された。
これらの所見はさらなる試験で検証することが必要である上、二酸化チタンが糖尿病を引き起こしているとうことは証明されていない。試料の数もわずかで、非糖尿病患者の試料と糖尿病患者の試料との差はいずれも偶然によるものと考えることができる。
もし、二酸化チタンが糖尿病患者で多いことが確かめられたとしても、それは必ずしも二酸化チタンによって引き起こされたことを意味するわけではない。
さらに、もし二酸化チタンが糖尿病のリスク要因であることを示す根拠が将来的に表れたとしても、練り歯磨きに原因があるという証拠は無い。
2型糖尿病の生物学的知見からすれば、この病気が世界的に増加している原因は、不健康な食事をする、肥満度を増高させている、および十分な運動をしないことである可能性がはるかに高い。