食品安全情報blog過去記事

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口の衛生用製品に使われる水溶性亜鉛塩についての最終意見

EU SCCS
Final Opinion on Water-soluble zinc salts used in oral hygiene products
21-22 June 2018
https://ec.europa.eu/health/sites/health/files/scientific_committees/consumer_safety/docs/sccs_o_207.pdf
酢酸亜鉛や塩化亜鉛などの水溶性亜鉛塩は現在化粧品に最大1%まで使用が認められている。亜鉛の耐容上限摂取量ULは2003年に食品に関する科学委員会が最大25mgに設定しており、化粧品は10%が割りあてられる。2014年7月にBfRが練り歯磨きやマウスウォッシュなどの製品に使われているとULの10%を超えるので安全上の懸念となるという意見を提出した。2016年2月に欧州化粧品協会が暴露評価を提出しマウスウォッシュについては亜鉛濃度を最大0.1%にする案を支持した。
SCCSは歯磨きやマウスウォッシュなどに使われた亜鉛の暴露量はULより少ないのでそのものでは安全であるが、食事などの他の暴露源とあわせると子どもの上限を超える可能性はある。SCCSはULのうちどのくらいを化粧品に割りあてるべきかについて助言できない。割りあては合理的な暴露濃度を反映してかつ保護的である必要がある。おもちゃは10%、飲料水は20%がデフォルトの割りあて係数である。亜鉛については歯磨きで1%、マウスウォッシュで0.1%の場合、年齢により上限の10-35%になる。