食品安全情報blog過去記事

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その他

  • ポーク:もうひとつの赤肉

Pork: The Other Red Meat
by Wellness Letter July 03, 2018
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/pork-other-red-meat
豚肉は米国の歴史に興味深い役割をもつ。「サムおじさん(アメリカ政府)」という言葉は多分ニューヨークの肉包装業者Sam Wilsonに由来する、彼は1812年戦争(米英戦争)の時に何百バーレルもの豚肉を米軍に送った。それからずっとアメリカ人は贅沢な(豚の多い)暮らしをしている。
通常飽和脂肪と塩とその他好ましくないものが多いベーコン、ソーセージ、スペアリブ、ホットドッグその他の原料に使われるため、豚肉はここ数十年評判が悪い。業界はそれに反論しようと豚肉を「もうひとつのホワイトミート」として宣伝するキャンペーンを行った、牛肉より明るい色なので。肉のタンパク質をはかる赤肉と白肉の定義によると、豚肉は牛肉(赤肉)と鶏肉の間にある。しかしUSDAやほとんどの食品科学者や栄養学者は豚肉は赤肉だと考えている。
豚肉はここ数年脂肪が減ってきた。豚の交配や餌により数十年前より少なくとも30%脂肪が少ない。実際一部の部位は最も脂肪の少ない肉のひとつである。例えば脂肪の部分を切り落としたテンダーロインは皮をとったトリ胸肉と同じくらいの脂肪しかない。そして飽和脂肪の割合は牛肉やラムより少し少ない。他の肉同様、豚肉はビタミンB類(特にチアミン)、亜鉛、鉄の素晴らしい摂取源である。しかし脂肪の多い部位や製品(ソーセージやベーコンやリブ)はまだ健康的に毎日食べるものとは言い難い。
より健康的、ほんとう?
豚肉と牛肉や羊肉の健康リスクの可能性について比較した研究の結果は一致しない
安い豚肉の真のコスト
健康はわきにおいて、豚肉の主要問題は環境と動物福祉である。豚は狭いところで多数飼育されて大量の廃棄物に囲まれている
豚肉を食べるなら
焼きすぎないこと
(料理の紹介もあるが、アメリカ人は肉を薄切りにしないから料理の幅が狭いような。脂の全くない豚肉は魅力半減だと思うけど。豚は放牧されないから可哀想というのはどうなんだろう。牛と豚は食べられるものが全然違って飼料効率がいいので安いという側面は無視?)

  • 欧州最大の研究出資団体が「倫理ダンピング」を取り締まる

Natureニュース
Europe’s biggest research fund cracks down on ‘ethics dumping’
03 July 2018 Linda Nordling
https://www.nature.com/articles/d41586-018-05616-w
「倫理ダンピング」とは自国では倫理的に問題があるとみなされる研究を、倫理規定の緩い他国で行うことで、EUが資金を出した研究では根絶すると先週発表した。Horizon 2020による研究費から新しい規則が適用される

  • 中国の赤ちゃんの巨大研究が膨大な健康データを生んでいる

Gigantic study of Chinese babies yields slew of health data
02 July 2018 David Cyranoski
https://www.nature.com/articles/d41586-018-05522-1
何万人もの赤ちゃんとその母親を追跡した野心的中国の研究が成果を出しつつある。最初の母子をリクルートしてから6年経った。
この広州生まれコホート研究Born in Guangzhou Cohort Studyでは2012年から約33000人の赤ちゃんと母親が参加している。目標は2020年までに5万組の母子。さらに今年は母方の祖母5000人も参加要請し始めた。多世代研究を可能にするためである。
マイクロバイオーム研究も含まれ、便、血液、胎盤、臍帯検体を収集し食事や精神衛生その他家のカビなどのライフスタイル要因についての詳細な調査も含む。
既に発表された成果もあり、家の中で香を焚くことは妊娠中の女性の高血圧リスクをあげることを発見している。別の研究では妊娠中のプロゲステロンの処方が早すぎることを報告している。中国最大のゲノム配列決定機関であるBGIは英国の大学と協力して赤ちゃんのマイクロバイオームが経膣分娩と帝王切開でどう違うのかを調査している
(純粋にすごいな。BGIがあるからできることも含めて、中国がこれからの時代を引っ張るのだろう)

  • フィプロニル卵危機の背後の会社破産

Company behind Fipronil-eggs crisis goes bankrupt
Wednesday, 27 June 2018
http://www.brusselstimes.com/belgium/health/11750/company-behind-fipronil-eggs-crisis-goes-bankrupt
Poultry-VisionのオーナーであるPatrick Remijsenの所属している企業Agro Remijsenが破産したとベルギーの地元新聞が報道している
Remijsenがオランダの二人の容疑者にフィプロニルを売ったと報道されている

  • コンシューマーレポート:バナナは健康的?

Consumer Reports: Are bananas healthy?
http://wlos.com/news/consumer-reports/consumer-reports-are-bananas-healthy-07-02-2018
バナナは世界でも最もポピュラーな果物のひとつである。しかし一部の消費者が炭水化物が多いとして食べない。バナナは健康的?
コンシューマーレポートによるとバナナは確かに糖が多い−でも砂糖入り炭酸飲料より少ない。栄養士でもバナナのせいで太ることはないというだろう。バナナの炭水化物のうちいくらかは食物線維の形であることに注意。さらに緑のバナナだと難消化性デンプンで血糖を上げないだろう

  • 英国はタバコとの戦いに勝ちつつある、保健担当官が主張

Britain is winning the war on tobacco, health chief insists
Tue 3 Jul 2018
https://www.theguardian.com/society/2018/jul/03/britain-is-winning-the-war-on-tobacco-health-chief-insists
統計事務所によると、成人の喫煙率が減っている
(図あり。1974年の45.6%から2017年は16.8%に)

  • カナダの新しい健康的食生活戦略は大きな見返りがあるだろう

Canada’s new Healthy Eating Strategy will pay huge dividends
Posted 3 July 2018
http://www.netnewsledger.com/2018/07/03/canadas-new-healthy-eating-strategy-will-pay-huge-dividends/
長くかかっているカナダの食事ガイドと栄養表示の見直しがもうすぐ現実のものになるだろう。そしてそれは良いニュースだ。
まとめてカナダの健康的食生活戦略Healthy Eating Strategyと呼ばれているが、意見募集中である。