食品安全情報blog過去記事

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オランダにおける食品からの残留植物保護製品への累積暴露

Cumulative exposure to residues of plant protection products via food in the Netherlands
06-07-2018
https://www.rivm.nl/en/Documents_and_publications/Scientific/Reports/2018/juli/Cumulative_exposure_to_residues_of_plant_protection_products_via_food_in_the_Netherlands
甲状腺に影響する可能性のあるものと神経系に影響する可能性のあるものを含む。甲状腺については影響する可能性はありそうになく、神経系についてはリスクが排除できない。理由は計算された暴露量と安全とみなされる量の差が比較的小さいからである。実際の暴露量はほとんどの場合計算された量よりもっと低い。

累積評価グループに分類してNOAEL や BMDLをもとにした相対強度係数をわりあてる
食品の摂取量は国民摂取量調査のデータを用いる
残留データはオランダ人がよく食べる30の農作物、そのうち28はEU協調計画に含まれている。EU協調計画とオランダモニタリング計画で分析したデータを用い、RASFF通知や監視強化対象は除外。最小検査数は10に設定しそれ以下では調整。農作物から食品への換算はオランダ食品換算モデルを使う。そのまま食べるもの(リンゴや梨やキュウリなど)はそのまま。ピザの場合、まず小麦粉、タマネギ、トマトといった成分に分割。しれから換算係数を用いて生の原材料に変換。
左側打ち切りデータ(検出限界以下)については、農薬の使用頻度データがあれば使う。
例えばその農薬をリンゴの10%に使っているのであれば10%に対して1/2LOQをわりあて残り90%はゼロとみなす。使用データがない場合には検出頻度で代用する
暴露評価は確率論的アプローチ(モンテカルロリスク評価ソフト8.2)
リスクを評価するためにはNOAELとの暴露マージンを使用
99、99.9、99.99パーセンタイルでMOEを評価したところ99.99パーセンタイルの一部がMOE 100以下、99.9パーセンタイルで100より少し大きいだけになった。これを「神経系についてはリスクが排除できない」と評価
神経影響で寄与が大きいのはほうれん草のピリミカルブ、現在MRLは引き下げられている
(MOE 100以上なら問題なし、でいいと思うのだが。RIVMはいつも農薬にだけ一桁くらい厳しいパーセンタイル使う)