食品安全情報blog過去記事

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2017年の残留検査の結果から基準の遵守が依然として高い水準であることが示された

DAFM (Department of Agriculture, Food and the Marine: アイルランド農業・食料・海洋省)
Results of Residue Testing in 2017 Shows Continued High Levels of Compliance Date Released: 15 July 2018
https://www.agriculture.gov.ie/press/pressreleases/2018/july/title,118919,en.html
アイルランド農業・食料・海洋省(DAFM)は、国家残留物管理計画(NRCP)に基づいて実施した2017年の残留物検査の結果を公表した。
8部類の食品生産動物(牛、緬山羊、豚、馬、家禽、飼育猟獣類、野生猟獣類、および養殖水産物)、ミルク、卵、およびハチミツから18,513検体がサンプリングされ、基準値を超えたのは51検体だけであり、基準遵守率は99.7%と非常に高い水準であった。遵守率は2013年以降高水準で維持されている。
検体の多くは、違反残留物が含まれている可能性の高い動物や製品に的を絞るように策定した基準に従ってサンプリングされた(‘targeted sampling’*)。
基準値を超えた51件の内、22件が牛、1件が馬、2件がハチミツ、6件がミルク、14件が緬山羊、6件が野生猟獣類(鹿、野鳥)であった。多くは抗生物質や駆虫剤の残留であったが、牛の15件と緬山羊の2件で、EUのホルモン禁止規則の対象となる成長促進物質の使用を示すチオウラシルが検出された。DAFMの調査の結果、これは違法な投薬によるものではなく、飼料にアブラナ科植物が多く含まれていたことに由来する可能性が高いと判断した。野生猟獣類の6件は、化学元素(主に鉛)が検出されたものであった。
注 ‘targeted sampling’: 動物薬の違法な使用やMRL遵守状況を監視することを目的とした、EU加盟国の国家監視計画”National monitoring plan”で用いられるサンプリング手法。残留物質が検出される蓋然性が最も高い「動物/性/年齢」のグループを標的としてサンプリングする。
ちなみに、’suspect sampling’は、不適合が検出された、食品や飼料で生産から販売の段階で禁止物質の存在が確認された、あるいは違法使用や休薬期間の不正の疑いや根拠が確認されたことに起因して行われるサンプリング。