食品安全情報blog過去記事

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消費者がテイクアウト用コーヒーのために自分専用のリフィルできるカップを使用することに関するよくある質問

Frequently asked questions about the use of customers' own refillable cups for Coffee to go
BfR FAQ26 June 2018
https://www.bfr.bund.de/en/frequently_asked_questions_about_the_use_of_customers_own_refillable_cups_for__coffee_to_go_-204853.html
「テイクアウト用コーヒー」のために自分専用のリフィル(再補充)できるカップを使用する消費者の行為は、かなり広くいきわたったものとなった。例えばガソリンスタンド、パン屋、カフェおよび遅くまで営業している店のように、ますます多くの販売者が、顧客が持ち込んだ再利用できるカップに温かい飲み物を注ぐ。外出先で1杯の温かいコーヒー、ティーまたはチョコレートドリンクを楽しみたいが、使い捨てのカップにより生じる無駄を避けたい人は、サーモマグなど、様々な再利用できるカップを選ぶことが可能である。ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)がここに示したFAQsのテーマは、飲み物のリフィル時に健康上のリスクが生じるのを避けるために、利用者個人が留意すべきことである。
衛生的観点から温かい飲み物を楽しむことを邪魔されないようにするには、リフィル用のカップは空の状態で清潔でなければならない。これが意味するのは、消費者が、温水および食器洗い洗剤で、または好都合ならば食洗機で、リフィル用カップを定期的に洗い、すすいだ後、完全に乾かさなければならないということである。飲料を注いでもらう場合でもセルフサービスで注ぐ場合でも、どのような細菌も拡散させないために、リフィル用カップは温かい飲み物の注ぎ口に接触させてはいけない。
リフィル用カップはステンレス製、磁器製、ガラス製またはプラスチック製があるだろう。竹のようないわゆる天然素材から作られた再利用できるカップは、メラミン樹脂のような合成素材が主体となっている。「天然の」素材は後から充填材としてこうしたプラスチックに加えられる。メラミン樹脂でできている製品は、温かい飲み物を注ぐときの一般的な温度である70°Cまでで使用されるならば、健康の観点からは何の支障もない。製品の使用上の注意は守らなければならない。
◇FAQS
消費者が店舗で温かい飲み物を自分のカップに注ぐとき、守らなければならないことはなにか?
持ち込まれるリフィル用カップは、滑らかな洗いやすい材質で作られたものが良く、また空の状態で清潔でなければならない。これは、消費者がリフィル用カップを温水および食器洗い洗剤で、またはもしカップが適合しているならば食洗機で、定期的に洗わなければならないことを意味している。その後カップは乾かすか完全に乾くまで使わずに置いておかなければならない。
販売員がカップに触れないよう、販売員がカップに注ぐ前に、すべての蓋やカバーは消費者が外さなければならない。細菌の拡散を防ぐために、例えば、ガソリンスタンドにあるドリンクディスペンサー、食堂やカフェテリアのようなセルフサービスの販売所でリフィル用カップを使用する場合は、自分のリフィル用カップが温かい飲み物が出てくる注ぎ口に接触しないようにしなければならない。自動の飲料注入システムが汚れていたり、衛生的でなさそうであったりする場合、カップに注がない方が賢明だろう。
再利用できるカップに温かい飲み物の補充をすることで、使用者に健康被害を引き起こされるか?
高温下で生存する細菌はほとんどいないため、感染のリスクは一般的に温かい飲み物では低いとされている。衛生勧告や適切な取扱方法が守られているならば、消費者が持ち込んだ再利用できるカップに温かい飲み物を補充するという行為で健康リスクが高まることは、実質的に予測されない。
リフィル用カップが清潔でない場合、どのような健康被害があるか?
原則として、リフィル用カップを使用することのリスクは、その中にいるかもしれない細菌が、カップに温かい飲み物が注がれるとその中に入る可能性があるということである。さらに体内に侵入できれば、有害な細菌の場合、ヒトに感染症を引き起こす可能性がある。それゆえ、見える汚れのあるカップには一般的に飲み物を注ぐべきではなく、まず常にあらかじめ洗浄しておくべきである。
リフィル用カップに適した素材は何か?
例えば磁器、ステンレス、形状・温度安定化プラスチックないしはガラスのような、滑らかで洗いやすい表面の素材から作られるカップが好適である。カップは、適用される法規定に従い、企図されたとおりまたは予見できるやり方で使用された際に、その成分がヒトの健康を害し得る量で食品や飲料に移行しないように製造されなければならない。素材は耐熱性で食洗機で安全に洗えるものであるべきで、理想的には殺菌効果やさびに対する耐性があると良い。リフィル用カップは、表面の滑らかさが維持され、細いひびや目に見える使用感が無い場合に限り使用すべきである。
いわゆる天然素材で作られているリフィル用カップは好適か?
竹のような「天然の」素材で作られていると表示されているリフィル用カップは、主にメラミン樹脂のようなプラスチックから成る。「天然の」素材は充填材としてこれらのプラスチックに加えられる。メラミン樹脂は基本構成要素であるメラミンとホルムアルデヒドから成るポリマーである。これらの素材は硬く壊れにくいので「テイクアウト用コーヒー」のリフィル用カップだけでなく他の皿やキッチン用品の製造にも使用される。メラミン樹脂で作られるリフィル用カップは、70°Cまでの温度で使用されるならば、健康リスクを生じない。こうしたカップに注ぐ温かい飲み物は、通常この条件に該当する。BfRは、皿やキッチン用品からのメラミンとホルムアルデヒドの遊離に関し、以下のサイトに科学的意見を発表している。
https://www.bfr.bund.de/cm/349/release_of_melamine_and_formaldehyde_from_dishes_and_kitchen_utensils.pdf
加えて消費者は何を守るべきか?
BfRは製造者の使用上の注意を守ることを勧める。これは、例えば製品によって、食洗機で洗浄できないかったり、電子レンジの使用できなかったりすることなどである。
衛生基準に適合するために守らなければならない規則は何か?
地方自治体それぞれが自身の食品監視に関し責任を負っている。根底にあるのは食品衛生法(LMHV)である。これはドイツ全体にわたり統一されたもので、食品の商業的な製造、処理および販売に関する衛生要件を規定している。これに基づき、消費者に販売される食品は、どのような種類であれ一切の否定的な影響にさらされてはならないとされる。これについての主な責任は、食品企業と温かい飲み物を提供する販売員の義務である。ただし、顧客が持ち込むリフィル用カップが飲み物を注ぐ対象として受け入れ可能かどうかは、販売員の確認と判断に委ねられている。
(この文書資料はドイツ語文書からの翻訳であり、法的拘束力を持つのは原本のドイツ語文書だけである。)