食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

評価等

  • イチゴ、生食用ブドウ、ワイン用ブドウにおけるマンデストロビン輸入トレランスの設定

Setting of import tolerances for mandestrobin in strawberries and table and wine grapes
First published in the EFSA Journal: 16 August 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5395
輸入トレランスの設定要請において申請者のSumitomo Chemical Agro Europe SAS社が提出した裏付けデータは、対象とする農作物に関して最大残留基準値(MRL)を導出するのに十分なものであった。対象植物の基質中のマンデストロビン残留を管理・規制するための適切な分析方法が利用可能であり、その検証された検出下限(LOQ)は0.01 mg/kgである。EFSAはリスク評価の結果に基づき、マンデストロビンを周知の農業慣行に従って使用する限りにおいては、それで生じる残留物を長期的に摂取しても、消費者の健康にリスクを生じる可能性は低いと結論付けた。

  • 食品および飼料に存在する4,15-ジアセトキシスシルペノールに関連付けられるヒトや動物における健康リスク

Risk to human and animal health related to the presence of 4,15-diacetoxyscirpenol in food and feed
First published in the EFSA Journal: 16 August 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5367
4,15-ジアセトキシスシルペノール(DAS)はマイコトキシンの1種で、主にフザリウム属のカビによって、多くの場合穀物で生成される。実験動物や家畜における毒性やトキシコキネティクスに関する情報はほとんど得られていない。ヒトにおいてもデータセットが限られていたため、急性および慢性影響に関し、健康影響に基づく指標値(HBGV)が、DASを抗ガン剤(アングイジン)としてがん患者に静脈投与した臨床試験で得られたデータに基づいて設定されている。CONTAMパネルは、これらのデータを、DASに経口暴露された場合のハザードの特徴付けにおいて有用だとみなした。急性あるいは反復暴露による主な有害影響は、嘔吐および血液毒性で、無毒性量(NOAEL)はDASとしてそれぞれ32 µg/kg体重および65 µg/kg体重であった。急性参照用量(ARfD)として3.2 µg/kg体重が、耐容一日摂取量(TDI)として0.65 µg/kg体重が確立された。15,000件を超える汚染実態データに基づき、急性および慢性の最大食事暴露量は、それぞれ0.8 µg/kg体重および0.49 µg/kg体重と推算され、これらはヒトにおいて健康上の懸念を生じない値である。データは少ないが、肥育鶏を除き、家禽、ブタ、イヌでも、現行の飼養方法ではDASへの推定暴露量は少ないことが示されている。他の家畜やコンパニオン動物についても、毒性データは得られていないが、DASへの感受性が家禽と同等か低いと考えられるため、全般的にリスクは低いとみなされる。トリコテセン類のいくつかとの類似性と食品や飼料を介した共暴露の可能性を考慮すると、この群の化学物質に関し、累積リスク評価を行った方が良いと言える。