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ペルフルオロオクタン酸(PFOA)およびペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)の評価が改めて問われる

Perfluorooctanoic acid (PFOA) and perfluorooctane sulphonate (PFOS) put to the test
BfR Communication No. 027/2018 of 14 August 2018
https://www.bfr.bund.de/cm/349/perfluorooctanoic-acid-pfoa-and-perfluorooctane-sulphonate-pfos-put-to-the-test-communication.pdf
ペルおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)は、天然には存在せず、工業的に生成される化学物質である。これらの化学物質は、産業技術上特殊な性質を有しているため、多くの工業的工程や消費者製品の製造に使用されている。それぞれのPFASは、分子内に存在する炭素鎖長や官能基が他と異なっている。PFASは分解しにくいため、最近では、環境、食品チェーン、ヒトの体内など、あらゆるところで検出されている。長鎖化合物であるペルフルオロオクタン酸(PFOA)とペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)は、ペルフルオロアルキル酸(PFAAs)のサブグループの中で最も良く調べられている物質である。
ペルフルオロオクタン酸(PFOA)やペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)を食事から摂取した場合の消費者の健康リスクについては、現在欧州食品安全機関(EFSA)が再評価を行っている。評価対象とされた科学的試験の産業技術との関連性に関していくつか疑問が生じたため、BfRとその姉妹機関は、そうした特定の試験の解釈に関してEFSAと科学的情報交換を行うことを要請している。この作業が完了した時点で、BfRはPFOSとPFOAの再評価に関する意見を出す予定である。この再評価では、幼児を含む様々な年齢層が十分考慮されるであろう。
それまでBfRは、ドイツの国立母乳哺育委員会が策定した母乳哺育法の長所を提唱する(https://www.bfr.bund.de/de/grundsaetzliches_zum_stillen-10199.html)。
目下のところ、ペルフルオロ化合物に関して得られている知見に基づき、世界の科学委員会の中で、母乳哺育の制限を推奨しているところは皆無である(https://www.atsdr.cdc.gov/pfc/docs/pfas_clinician_fact_sheet_508.pdf)。