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食品添加物としてのモノ-及びジグリセリン脂肪酸エステルと相互作用する酸化大豆油(E 479b)の再評価

Re‐evaluation of oxidised soya bean oil interacted with mono‐ and diglycerides of fatty acids (E 479b) as a food additive
EFSA Journal 2018;16(10):5420 10 October 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5420
EFSAの食品添加物と香料に関するパネル(FAF)は、食品添加物として使用する際のモノ-及びジグリセリン脂肪酸エステルと相互作用する熱的酸化大豆油(TOSOM) (E 479b)の安全性を再評価する科学的意見を提出した。食品科学委員会(SCF)と国連食糧農業機関世界保健機関合同食品添加物専門家委員会(JECFA)はそれぞれ25 と 30 mg/kg 体重 (bw)/ 日の許容一日摂取量を導出した。TOSOMに吸収、分布、代謝、排泄(ADME)に関する信頼できる情報はなかった。豚の限られた亜慢性毒性試験で有害影響は検出されなかった。FAFパネルは、ラットの慢性及び発がん性試験の最高投与量としての無毒性量(NOAEL) 5,400を特定した。遺伝毒性データは得られなかった。生殖及び発達毒性の信頼できる試験は得られなかった。慢性及び発がん性試験から生殖器官の病変はなく最初の接触場所での発がん影響がないことから遺伝毒性の懸念は軽減されている。FAFパネルは、入手できる毒性データは現在のADIを支持するには不十分だと結論した。特にADMEデータがなく、発達毒性試験が行われていない。TOSOM (E 479b)は一つの食品分類でしか認められておらず、最大許容量に等しい使用量が一つしか提出されていない。推定される高暴露量(P95)は幼児の上限値10.1 mg/kg bw/日に達した。幼児に推定される暴露量10.1 mg/kg bw/日とNOAEL 5,400 mg/kg bw/日(検証された最高量)を比べると、安全性のマージン(MoS)は540になる。そのため、FAFパネルは、この食品添加物の現在の限定的使用を考慮すると、TOSOM (E 479b)の使用には安全上の懸念がないと考えた。パネルはE 479bのEU仕様書を一部改訂することも助言した。