食品安全情報blog過去記事

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Fiddleheads(ゼンマイ様の山菜)の安全性に関して

Food Safety Measures For Fiddleheads (May 20, 2004)
CFIAは消費者に対して、Fiddleheadsを食べる際には適切に調理するよう勧告した。

カナダ食品検査庁が、この山菜には毒があるので十分洗ったりゆでたりして毒を減らしてから食べるように、という注意を出したというニュース。
注目すべきは「毒があるから食べるな」という話ではない、ということ。日本でも同じような話はあって、ワラビには動物実験で癌を誘発することが知られている物質(プタキロサイド)が含まれているけれど、特に大量に毎日食べるようなことでもない限り心配はない、ということになっている(とはいえ灰汁抜きはちゃんとしたほうがいいですが)。
もしもこうした毒素が食品添加物や新規に認可が必要な食品(遺伝子組換え作物とか)に入っていれば間違いなく認可されない。だから専門家は癌の原因の多くはタバコを除けば食品そのものにあると考えているわけです。
もともと植物には多かれ少なかれ有害物質は含まれ、そのうち比較的毒素の少ないものを選んでさらに品種改良を重ねてきたのが栽培品種の野菜なわけです。でも人間の消化器系はとても優秀で、多少の毒は解毒できるので心配しなくても大丈夫。
問題が大きいのは特定のもの(例えそれが「健康にいい」という野菜であっても)を大量に摂りつづけること。特に錠剤やエキスなどの形で、普通に調理して食べる場合には考えられない量を連続して摂取するのは危険だということを強調したいです。