食品安全情報blog過去記事

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食品へのパラベン使用に関するAFCパネルの意見

Opinion adopted by the AFC Panel on 13 July 2004
28 September 2004
http://www.efsa.eu.int/science/afc/afc_opinions/630_en.html
食品添加物・香料・加工助剤及び食品と接触する物質に関する科学委員会(AFCパネル)は、食品へのパラベン使用に関する意見を求められた。
パラベンについては1994年にECの食品に関する科学委員会 Scientific Committee for Food (SCF)が評価を行い、メチル-、エチル-、プロピル-パラオキシ安息香酸エステル及びそのナトリウム塩の総量として一時的ADIを0-10mg/kgに設定した。この時SCFはさらにラットでの経口投与による催奇形性試験を要求していた。2000年にSCFは再度データの提出を求め、2003年4月にはまだ食品業界からデータの提出がないとして、もしこのままデータの提出がなければパラベンの一時的ADIは取り下げられると注意した。
AFCパネルはSCFが催奇形性試験を要求したときには得られていなかったラット・マウス・ハムスター・ウサギでの発生毒性試験について評価を行い、ウサギで300mg/kg/d、げっ歯類で550mg/kg/dまでの高濃度で発生毒性があるという証拠は観察されなかった。そのためAFCパネルは発生毒性についてのさらなるデータは必要ないと結論した。
さらにAFCパネルはパラベンのラット前胃における増殖促進作用を再評価した。パラベンの増殖促進作用は一定の閾値以上でのみおこるものでヒトでの食品保存料からのパラベンの摂取量はそれよりはるかに少ない。こうしたことからAFCパネルは先にSCFが要求していたパラオキシ安息香酸のプロピルエステルによるラットでの細胞増殖試験は必要ないと考える。
さらにエストロゲン活性についての考察を行い、パラベンのメチル、エチル、パラオキシ安息香酸エステル及びそのナトリウム塩の総グループADIを、個々の化合物の長期毒性試験におけるNOAEL 1000mg/kgと性ホルモン活性及び若齢ラットの雄性生殖器への影響の結果から0-10mg/kgに設定する。プロピルパラベンについては性ホルモンに影響があることからこの中には含まれず、ADIを設定することができない。