食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

現状のGM食品は利益をもたらしているが、安全性評価は続けられるべき

Current GM foods can bring benefits but safety assessments must continue
23 June 2005
http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2005/pr29/en/index.html
より良い社会的・文化的評価により「遺伝子的格差genetic divide」を回避すべきである23日に発表されたWHOのGM食品に関する新しい報告書では、GM食品はヒト健康と発展の増進に貢献できると結論している。同時にヒト健康や環境へのリスクを予防するため、GM食品の市販前安全性評価は続けられるべきであるとしている。
この報告書「modern food biotechnology, human health and development」ではGM食品に関する利益とリスクを提示し、GM食品は作物の収穫量や質を増加させ、特定の地域で栽培可能な食品の多様性を増す。この結果ヒトの健康や栄養状態の改善が見込める。
しかしながらこれまで食品にはなかった新しい遺伝子の導入により、既存作物の遺伝的構成が変化するため、ヒト健康や環境への影響評価と長期モニタリングが必要である。
現在市販されているGM食品は全て市販前にリスクアセスメントが行われており、通常の食品より徹底して調査されている。今日までGM食品を食べた事による健康への悪影響は何ら報告されていない。
この報告書ではさらに、GM作物の栽培や市販を許可している国々とそうでない国々との間に「遺伝子的格差genetic divide」が生じないように、GM食品の社会的・文化的・倫理的評価を行うことを薦めている。南アフリカで2002年におこったGM食品援助危機(多くの国が社会経済的危惧からGM食品の援助を拒否した)が象徴的出来事である。
1990年代半ばに最初の主要GM食品が市場に導入されてから、トウモロコシや大豆・菜種・綿などのGM系統が流通している。2004年末にはGM作物は全世界の耕作地の約4%で栽培されていると推測される。

報告書全文は以下からダウンロードできる 英語・フランス語・スペイン語
WHO study on modern food biotechnology, human health and development
http://www.who.int/foodsafety/biotech/who_study/en/index.html


フィリピン保健省ニュースクリッピングより
6月23日 
http://www.doh.gov.ph/news/06232005.pdf
3ページ目