食品安全情報blog過去記事

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遺伝毒性かつ発がん性物質のリスクアセスメントはEUで一致すべき

Risk assessment of genotoxic and carcinogenic substances to be harmonized in the EU
BfR Expert Opinion No. 029/2005 of 18 May 2005
http://www.bfr.bund.de/cm/245/risk_assessment_of_genotoxic_and_carcinogenic_substances_to_be_harmonised_in_the_eu.pdf
食品中に検出されるアクリルアミド、ニトロソアミン、多環芳香族炭化水素などは遺伝子傷害性があり動物で発がん性がある。これらの物質について、現在の科学知識では安全量は不明である。理想的には消費者はこれらの物質と全く接触しないことが望ましいが、食品についてはこの要求に応えることは困難である。例として、アクリルアミドは食品の加工工程で生じるが、現在その生成を抑制する技術はない。アクリルアミドを含む食品の多さから考えると食事への助言は有効ではない。このような場合リスク評価者はリスク管理者に対して「合理的に達成しうる限りできるだけ低くto as low as reasonably achievable :ALARA」と助言してきた。このようなALARAの方針については、優先順位などについての情報がふくまれず、どれだけ低ければいいのかも不明であるという批判があった。リスク管理者にとってはリスクのランキングが優先順位付けに役に立つ。そこで遺伝毒性かつ発がん性物質リスクアセスメントについてEFSAが提案を行った。BfRはEFSAの提案を考察し、基本的には同意する。但しBfRは新しいアプローチ(MOE評価のこと)はALARAの代わりではなく、ALARAと一緒に使うことを推奨する。