BOARD OF HEALTH VOTES TO PHASE OUT ARTIFICIAL TRANS FAT FROM NEW YORK CITY'S RESTAURANTS
December 5, 2006
http://www.nyc.gov/html/doh/html/pr2006/pr114-06.shtml
ニューヨーク市保健委員会は、市内の全てのレストランから、今後18ヶ月で人工由来のトランス脂肪を除去することを要求することに賛成の票決を行った。レストランからトランス脂肪を除去することを確保するのは国内でニューヨークが初めてである。
人工トランス脂肪は、悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らすことにより、心疾患や脳卒中のリスクを増加させる。
最終決定内容は以下。
NOTICE OF ADOPTION OF AN AMENDMENT (§81.08) TO ARTICLE 81 OF THE NEW YORK CITY HEALTH CODE
http://www.nyc.gov/html/doh/downloads/pdf/public/notice-adoption-hc-art81-08.pdf
背景情報として、ニューヨークにおける死因の主なものが心疾患であること、食事から摂取するトランス脂肪の多くは部分硬化植物油由来であること、総トランス脂肪摂取量の約80%が人工起源で約20%が反芻動物由来製品起源であること、米国人のカロリー摂取量の1/3はレストランで購入したものであることなどが記載されている。
米国心臓学会の2006年6月ガイドラインではトランス脂肪摂取量は総エネルギーの1%以下を推奨。
カナダの2006年6月トランス脂肪タスクフォースの報告書では、マーガリンや植物油のトランス脂肪は総脂肪の2%、その他の食品については総脂肪の5%を推奨。
デンマークは、人工的に作られたトランス脂肪については食品の脂肪由来のカロリーの2%以下に制限している。
この案について寄せられたコメントは合計2,287件で、公開ヒアリングの場での発言は53人であった。全体として賛成2266、反対74であった。
詳細は以下。
http://www.nyc.gov/html/doh/downloads/pdf/cardio/cardio-transfat-comments-response.pdf
反対意見への回答の主なものとして、トランス脂肪摂取量を削減することによる健康上の利益については科学的根拠がないことを認めているが、トランス脂肪摂取が多いとリスクがあるので削減すれば良い影響が予想できる、と回答している。
また他に重要な心血管系疾患のリスク因子があり、トランス脂肪は複数ある因子の一つに過ぎないことを認めているが、トランス脂肪は代替品があり必須ではないからと回答している。
反対意見の主なものとしてACSH
ACSHはNYCのトランス脂肪禁止に反対
Science Group Objects to NYC Trans Fat Ban (UPDATED) December 4, 2006
更新Dec. 5
http://www.acsh.org/healthissues/newsID.1426/healthissue_detail.asp
NYC保健省は心疾患に与えるトランス脂肪の影響を過大に見積もっていて他のさらに重要なリスク因子を(結果的に)隠してしまっていると批判している。メディアがトランス脂肪に集中するあまり、もっと重大な、予防できる心疾患リスク因子である喫煙・高血圧・高コレステロール血症に対する関心が低下している。