食品安全情報blog過去記事

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その他

・PLoS Medicine
(オープンアクセス)
企業スポンサーは栄養研究の健全さを損なうか?
Does Industry Sponsorship Undermine the Integrity of Nutrition Research?
Martijn B. Katan
http://medicine.plosjournals.org/perlserv/?request=get-document&doi=10.1371/journal.pmed.0040006

Lenard I. Lesser et al
栄養に関する科学論文の結論と出資者の関係
Relationship between Funding Source and Conclusion among Nutrition-Related Scientific Articles
http://medicine.plosjournals.org/perlserv/?request=get-document&doi=10.1371/journal.pmed.0040005
企業の出資した研究では、その企業の製品にとって都合の良い結論が出る可能性が4-8倍高い。企業の出資した研究でその製品に都合の悪い報告は一報もなかった。


・Science 12 January 2007:
Vol. 315. no. 5809, pp. 176 179
エージェントオレンジの苦い収穫
Agent Orange's Bitter Harvest
Richard Stone
ベトナム戦争で使用された除草剤による健康影響について。
米国の退役軍人の詳細な疫学調査では20年のフォローでエージェントオレンジと糖尿病の関連がみつかっているがガンについてはまだわからない。一方ベトナムではたくさんの子どもたちの出生時や発達の障害などが親や祖父母が米軍の散布した農薬に暴露された結果だとされている。特に出生時欠損への影響がどれだけなのかについては議論が続いていたが10月にInternational Journal of EpidemiologyにNguyenらがエージェントオレンジに暴露されると出生時欠損のこどもを持つ可能性が二倍になると報告して以来再燃している。この論文の評価は分かれている。
ベトナムにおいてはあらゆる障害が米国のせいにされがちであり、戦争当時の暴露量評価が困難で疫学調査が難しい。それでも調査は必要である)


Vol. 315. no. 5809, pp. 182 183
GM技術が途上国で発展
GM Technology Develops in the Developing World
完全にアフリカ産の最初の遺伝子組換え作物が野外試験にまで到達した。この作物の成功は一里塚となるであろう。
南アフリカケープタウン大学によるウイルス耐性のトウモロコシが2007年後半野外実験を行う予定。


・Nature
文化の違いのせいで、インターネット上での日本人研究者の認知度が低くなっている
Masao Ito and Torsten Wiesel
Nature 817-817 (2006); doi:10.1038/444817a
伊藤正夫先生
日本人研究者や日本の研究所・大学のウェブサイトが、外国からの共同研究者にとって必要な情報がないか探しにくいため、国際的共同研究の相手やジャーナルのレビュー者として選ばれにくい。PubMedで文献検索する場合にも同じイニシャルの人が多いため業績を把握できないなどを指摘。