食品安全情報blog過去記事

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ヨーロッパのアスパルテーム研究についてのFDAの声明

FDA Statement on European Aspartame Study
April 20, 2007
http://www.cfsan.fda.gov/~lrd/fpaspar2.html
FDAはイタリアのボローニャにあるヨーロッパRamazzini財団(ERF)の行ったアスパルテームの長期発ガン性研究の評価を完了した。FDAはERFの提出したデータを評価し、このデータからはアスパルテームに発ガン性があるというERFの結論は支持できないことを見いだした。さらにこのデータはFDAアスパルテームの使用は安全であるという結論を変更する根拠にもならない。
アスパルテームは1981年に米国で初めて認可され、最も良く使用される人工甘味料の一つである。アスパルテームが体内で代謝されて二つの良くあるアミノ酸アスパラギン酸フェニルアラニン、それからメタノールになる。これら3つの物質は普通の食品をたべることで同様に、又はより大量に摂取される。
ERFの研究について知ったFDAは最初にERFにデータの提供を求めた。2006年2月28日にERFはごく一部のデータのみを提出した。2006年6月にFDAはさらにERFに最初に要求した残りのデータの提出とその研究の病理スライドのレビューを要請した。ERFは追加のデータを提出せず、FDAによる病理スライドの評価も拒否した。
ERFがデータを提出しないためFDAは完全な評価ができなかった。しかしながら入手できたデータからは実験デザインや実験の方法、報告、結果の解釈において重大な欠陥が多々認められた。FDAは試験動物での感染症の存在など、この研究の信頼性や解釈はこれらの欠陥により問題があることを発見した。
さらにFDAに提出されたデータからは、ERFの報告したアスパルテームによるものとの知見は支持されない。我々の評価では、病理学的変化は偶然によるもので実験動物に自然発生するものであり、アスパルテームの投与とは関係ない。
FDAはこの研究の知見に関するさらなる評価は病理標本を検査している国際的病理ワーキンググループにより提供されると信じている。
過去の慢性発ガン性試験5つで陰性、最近の大規模疫学研究での腫瘍発生との関連なしという報告などアスパルテームの安全性に関する膨大な試験の結果を考慮すると、アスパルテームの甘味料としての使用は安全であるという結論を変更する理由はない。