食品安全情報blog過去記事

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ペットフードリコールと輸入製品のメラミン

Pet Food Recall and Melamine in Imported Products
2007-05-09
http://www.inspection.gc.ca/english/fssa/concen/specif/vegproe.shtml
2007年3月にMenu Foodsがペットの脂肪や病気の通報を受けてペットフードリコールを開始した。その後間もなく米国FDAは中国産の小麦グルテンと米蛋白質濃縮物にメラミン汚染がありそれが多数のペットフードに使われたことを発表した。その後他のペットフードブランドがリコールを発表し米国とカナダ規制当局は国境監視を強化した。最近では汚染家畜飼料の問題が注意を集めている。米国で汚染飼料を与えられた動物がカナダに入ったという証拠はない。
ヒト健康及び食品安全機関はメラミンを食べた可能性のある動物由来食品によるヒト健康リスクは低いと説明している。

CFIAがペットフードの責任を検討している
カナダではペットフードは三機関で規制されている:CFIAは動物の病気予防のためにペットフードの輸入を規制している。カナダ産業省はペットフードの基本表示規制をもっている。ヘルスカナダの動物用医薬品局はペットフードの治療目的表示を認可している。
最近のペットフードリコールに関してはCFIAが事態を監視している。

カナダにおける輸入規制
メラミン汚染のある小麦グルテンや米蛋白質濃縮物に関する米国FDAの発表、及び南アフリカでの中国産トウモロコシグルテンによるペットの死亡にから、CFIAは以下の対応を執る。
調査の結果、ペットフードリコールに関係した中国の一社から植物蛋白質が一回輸出されたことを確認した。この製品は魚の飼料製造に使われた。この製品の出荷経路は同定中である。ヘルスカナダのリスク評価によればメラミンは魚の組織に蓄積しないのでメラミン汚染飼料を与えられた可能性のある魚を食べることによる健康リスクは極めて低い。
さらにCFIAは中国産の全ての小麦・米・大豆・トウモロコシグルテン及び蛋白質濃縮物の積荷を一時差し止めて検査を要求している。また検疫強化以前に入荷した中国産の植物蛋白質を追跡している。

汚染された飼料を家畜が食べるリスクの削減
最近米国機関は、汚染ペットフードを混入した飼料を与えられたブタやニワトリが食品供給網に入るのを防ぐ予防的措置を執った。CFIAは家畜飼料にペットフードを使用するのを禁止している。
USDAは汚染飼料を与えられた動物は食用にしないとしている。このことによりそれらがカナダに入ることはない。
CFIAはヘルスカナダや米国機関と協力して対応していく。

CFIAの国毎の対応
CFIAは国際的に認められた基準や基本原則に基づいてリスクに基づく輸入監視計画を行っている。CFIAは中国政府を含む他国政府と協力してカナダに輸入される食品がカナダの食品安全基準を満たすことを検証する。
産地にかかわらず、CFIAは規制にあわない製品には対応する。カナダの食品基準は輸入だろうと国産だろうと全ての食品に適用される。輸入業者はカナダに輸入する食品の安全性に責任がある。