食品安全情報blog過去記事

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米国のペットフード騒動がニュージーランドの警戒を誘発

Pet food scare in US triggers New Zealand alert
2 August 2007
http://www.nzfsa.govt.nz/publications/hot-topics/hot-topic-petfood-scare.htm
2007年3月、カナダのオタワに住む女性が、彼女のテリアにお手本を見せるためにドッグフードを食べたと伝えられている。その後間もなくイヌと女性は入院した−一人は時間外救急処置室に、もう一匹は動物病院に。
この事故はイヌやネコの死亡や重大な疾患が報告されて北米全体ででペットフードの回収を引き起こした多くの事例のうちの一つである。病気はある種のペットフードを食べることによるとされ、ペットフード製造業者の一つは6000万個の製品を回収した。
犯人は中国から輸入されたメラミン含有小麦グルテンであることがわかった。ニワトリの飼料や小麦グルテンにメラミンを添加することは中国では広く行われているようだ。これは食品のみかけの蛋白質量を安価に増やすために行われた。
汚染米蛋白質
メラミンはシアヌル酸と一緒に動物の腎臓で有害な結晶を作ると考えられる。
最初のリコールから1ヶ月後、中国の別の会社からのメラミン汚染米蛋白質が米国のペットの腎障害と関連することがわかり、さらに南アフリカでは汚染トウモロコシグルテンがペットの腎障害を引き起こしたとされた。
しかしながら問題はペットフードにとどまらなかった。一部の汚染ペットフードは家畜や魚の飼料製造に使われた。米国当局は米国で250-300万人が汚染植物蛋白質を与えられたニワトリを食べただろうと推定している。汚染飼料を与えられた動物由来食品を食べることによるヒト健康リスクは極めて低いが、汚染ペットフードや動物飼料、魚飼料、植物蛋白質のリコールは続いている。
責任は製造業者に
この問題は、リコールがあったときには、汚染製品が保管されていないことを確認するためには製造業者が使用原料について知ることの重要性を示す。
5月にNZFSAは中国産の植物蛋白質についてメラミンやシアヌル酸の調査を始めた。その他の未承認の窒素の多い補充物質を製品に添加したときの影響を調べる調査も行っている。
NZFSAは中国産の植物蛋白質やペットフードの輸入業者に対し、安全性と適格性を確認するのは輸入業者の責任であることを再確認する。また問題となっている製品はニュージーランドには輸入されていない。
輸入食品のチェック
多くの輸入食品は制限無くニュージーランドに入る。なぜならばほとんどの食品は通常消費者にとってリスクとはならないからである。しかしながら公衆衛生上危害となりうる製品もあり、それらは「ハイリスク」と分類されてモニタリング対象となる。
ニュージーランドに輸入される小麦グルテンは飼料や食品に使用できるがいずれも安全で目的にかなったニュージーランド規制に従わなければならない。適切かどうかを確認する義務は輸入業者にある。これまで完了している調査や検査の結果はニュージーランドに輸入されている植物蛋白質に問題はないことを示している。
NZFSAは何をしているのか?
NZFSAはFSANZやFDAと協力して対応している。NZFSAは海外の状況を監視し続け、必要であればFSANZと協力してさらなる対応を行う。
ニュージーランドにおけるペットフード規制はどのようなものか?
ペットフードは動物用の食品でヒトの食品チェーンにははいらないものと定義される。ニュージーランド国内で販売されているペットフードはAgricultural Compounds and Veterinary Medicines Act (ACVM) 1997に従わなければならない。さらにAnimal Products Act 1999 (APA)の規定もある。
メラミンは動物飼料用に使用できるGRASリストには認められていない。