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帝王切開は喘息リスクを増やすかもしれない

Natureニュース
Caesarian sections may increase asthma risk
29 October 2007
Matt Kaplan
http://www.nature.com/news/2007/071029/full/news.2007.201.html
Thavagnanam, S . et al. Clin. Exp. Allergy doi:
10.1111/j.1365-2222.2007.02780.x (2007).
これまでの研究についての新しいレビューで、帝王切開で生まれた子どもは20%喘息を発症しやすいと結論している。これは最近の喘息患者の増加を説明する一助になるかもしれない。
自然分娩で生まれた子どもは母親の膣や腸の細菌に暴露されるが、帝王切開では暴露されない。これが乳児が病原菌を認識し闘うための免疫系の初期訓練になっている可能性がある。「衛生仮説」では、そのような病原体への暴露経験の無さが免疫系にとって良くないと主張する。そうした暴露がないと免疫系が花粉や埃のような無害な物質に感作されてアレルギーや喘息になる。フィンランドヘルシンキ皮膚アレルギー病院のアレルギー学者Maria Pesonenは、「母親からの微生物の感染がないあまりにも清潔な誕生は、遺伝的に感受性の高い子どもにとって将来過敏症をもたらす可能性がある」と説明している。こうした考えにより、多くの研究者が帝王切開と喘息の関係を調査してきたが、これまでの研究は一般的に規模が小さく、喘息発症リスクを検出するのは困難で、 いろいろな結論になっていた。そこで北アイルランドのRoyal Belfast子ども病院のSuren Thavagnanamは22の研究のメタ解析を行った。その結果、帝王切開で生まれた子どもの喘息リスクが20%高いことが明らかになったのである。