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食品の品質に関するリスクの増加が世界の食糧供給網に影響している

Increasing Food Quality Risks Are Affecting Global Food Supply Chain
March 6, 2008
http://www.blackwellpublishing.com/press/pressitem.asp?ref=1639
Journal of Supply Chain Managementに発表された論文で、世界中から運ばれる食品の汚染による本当の影響を描き出している。
著者らは米国の中国産食品の輸入とリコールに関するデータを用いて、世界食糧供給網によるリスクに内在する困難な問題について明らかにしている。
中国から輸入された食品や成分に関連した様々な品質の問題が発生している。 FDA始め現在の規制機関が製品の流通を監視する能力は不足している。問題は規制機関が利潤追求活動をチェックできない場合にしばしば生じ、法や基準の無視、あるいは汚職がおこる。これらの問題が中国製品の汚染につながる。
このような問題をどうすればよいか?監視や規制を強化しただけでは継続的でも効果的でもないだろう。米国の前方及び後方一段階までの追跡規制は12000マイル離れた複雑な供給網には不適切であろう。例えば中国では、食品成分を供給するのは何百万という小規模農家である。そして食品が農場から食卓に運ばれるまでには何段階もの多くの仲介者が介在する。さらに運ぶ距離が長ければ鮮度や品質が影響を受けるため保存料などの添加が必要になる。
著者らはサプライチェーンの品質管理のために、6Tと呼ばれる概念的枠組みを提示している。追跡可能性traceability、透明性transparency、検査可能性testability、時間time、信頼 trustそして訓練trainingが安全な食品の供給により公共の福祉を守るのに重要である。
オープンアクセス
UNRAVELING THE FOOD SUPPLY CHAIN: STRATEGIC INSIGHTS FROM CHINA AND THE 2007 RECALLS
ALEDA V. ROTH et al.
The Journal of Supply Chain Management 44 (1) , 22 39
http://www.blackwell-synergy.com/doi/full/10.1111/j.1745-493X.2008.00043.x?cookieSet=1